88 ロリコンちゃうわ!
神の力を宿し生まれ、5歳の時、創造神により神界に保護され育てられる。神界で磨かれたその力は、既に神の域すらも超えているのではと、12柱の神々は囁く。
「大丈夫かな〜 ちゃんと行けたかしら?」
「たっだいま〜」
「わ!!びっくりした!! 何?どうしたの?まさか……いきなり失敗?」
「上手く行ったよ?ちゃんとユッフィー助けてきたよ」
「え〜?だって……いくら何でも速すぎじゃない?……」
「ちょっと分かりにくいとは思うけど。俺が移動してるのは時間だからね?
出発していった、今、この日時に戻るのが、一番間違いないでしょ?」
「そ、そっか〜 アハハハ……」
「その反応……何か未だよく分かってない感じ……」
「で、上手くいったって事?」
「そう言ったじゃん。ここに何も変化がないって事は、上手くいったって事」
「そ、そっか〜 アハハハ……」
「やっぱ、よく分かってない感じ……」
「わ、分かってるんだからね?」
「ハイハイ。あ、そうそう、7歳のフィオナ、超可愛かったぞ!連れてきたくなったよ」
「ロリコン」
「ロリコンちゃうわ!」
「いくら私が可愛いからと言って、歴史変えないでね?」
「う〜〜 もうフィオナ過去に連れてってあげない」
「そか〜 ユッフィーのきょうだい作りしな〜い」
「グッ…… 歴史変えたろか?」
「あ〜ら〜?貴方にそんな事が出来るのかな?アルティス君?」
「ふん。赤ちゃんユッフィーに会いに行ってこ〜 バイビ〜」
アルティスのネックレスから、エーテルの光の粒が出てアルティスが又消えた。
「あいつ、ほんとに行っちゃった……」
「ハアハアハア……」
「早っ!何?ハアハアハア?」
「赤ちゃんユッフィー、良い匂い〜〜 たまらん!あれは危険だ!離れられなくなる……」
トロトロの顔をしてアルティスが戻ってきた。
「ず……ずる〜〜貴方ばっかり……」
「嗅ぎたければ、赤ちゃんつくれば〜?」
「な、なんて卑怯な奴……」
「ア〜ハハハハ!3日も滞在しちまったぜ〜」
「こいつ、危険極まりない……帰れなくなっても知らないからね?」
「……………………」
無言で又消えるアルティス。この後しばらく夜の相手をしてもらえなかったとさ。
「良いか?分かってるな?声を出すなよ?」
「あっ、あっ、いたいた、赤ちゃんユッフィーだ!」
「し〜し〜し〜〜〜認識阻害かけてる意味ないだろが」
「う〜〜〜 早く人、いなくならないかな?」
「いなくなる事はないぞ。誰かしら必ず付いてる」
「第二王女の赤ちゃん、1人にするわけないか〜」
「大丈夫、もう直ぐ交代する侍女、直ぐウトウトするから……そのまま魔法で寝かせちゃう」
「貴方、随分お詳しい事」
「何が言いたいニョか、サッパリだニャ〜」
「ちょっ、アル。どこ触ってるのよ?どさくさに紛れて」
「良いかニャ?声を出すニャよ?」
「猫で誤魔化すニャ〜」
「ダウダウ……キャウ〜〜」
「か、可愛すぎるわ。クンクン……うう〜ん……癖になりそう」
「だろだろ?離れられなくなるんだよ〜これが……」
「わ、分かる。でもね、調べて分かった以上に、こっちに来たらダメだからね?
調べて分かってるその日時だけよ?行って良いのは。
あんまり来すぎると、残りが減るから大事に行くのよ?」
「あ〜もう我慢できない!赤ちゃん欲しいよ〜ず〜っと抱っこしてたい」
「私も、ちょっとそう思った」
「でしょ?では今から……」
「するか!あっ、今がチャンスかも?」
「うんうん」
「違うわ!母乳あげるの!おっぱい張っちゃって痛いのよね〜」
「あっ、今回の災害始まったみたい……行かなくては……でも、おっぱいあげるの見ていたい……」
「良いからさっさと行くの!ほらほら、じゃね〜この子は私に、まっかせなさい!」
「あ〜後ろ髪を引かれる〜」
「ユッフィ〜ちゃ〜ん。パパの髪離してね〜 パパお仕事でちゅよ〜」
「ほんとに引っ張られてたんか……クンクンクン。ユッフィーエキス摂取完了」
アルティスは災害救助に出掛けた。この日の救助は雑だったと囁かれたそうだ。
終わると、そそくさ帰っちゃうし……
「この辺なの?とてつもなく大きく、変な気配を感じたっていうの」
「だから〜着いて来・ん・なって言ってるだろ?結構危険な匂いがするんだから」
「又、あのもう1人のアルかも?なんでしょ?」
「違うよ。俺に似た気配……って言ったの。あいつよりずっと大きな、強い気配なんだよ」
〝ドッガァァァァ〜〜〜〜ン!!!〝
いきなりアルティスが、蹴り飛ばされた。
ゴロゴロ転がり、岩で止まる。
「いって〜〜」
「だ、大丈夫?アル? あ、鼻血……」
アルティスが地上に戻って、血を流すのは、ピンクちゃんに次いで、これで2回目だった。
「あれ程の勢いで蹴られたのに鼻血だけ?どんだけ丈夫なんだか?」
「フィオナ!ヒ……ヒールを!」
「え〜〜鼻血がちょっと出ただけなのに、ヒールするの?」
「は、早く!」
「痛いの痛いの飛んでけ〜」
「ざ……雑……あ、でも鼻血止まった…… ちぇ、ピンチっぽくしたかったのに〜」
「貴様ら!俺を舐め……」
〝ドッガァァァァ〜〜〜〜ン!!!〝
言ってる途中で、今度はアルティスが、そいつを蹴り飛ばした。
物凄い勢いで飛ばされ、岩に、身体半分が、めり込んでいる。
「よっしゃ〜 俺の勝ち〜」
「子供か? でもあいつ、やっぱりアルに似てない?」
〝ビシビシビシ……〝
めり込んだ岩に亀裂が走り光が漏れる。
〝ズッガ〜〜ン!〝
岩が爆発して、そいつは出てきた。
「やっぱりあいつもアルティスね?でも筋肉お化けで、随分大きいわね?何かキモいわ」
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