71 貴方の肌……暖かい
神の力を宿し生まれ、5歳の時、創造神により神界に保護され育てられる。神界で磨かれたその力は、既に神の域すらも超えているのではと、12柱の神々は囁く。
〝カラ〜ン カラ〜ン カラ〜ン〝
ウエディングベルの音が、遥か遠くまで鳴り響く。
ウエディングマーチの演奏が始まると、バージンロードにアルティスとフィオナの2人が姿を現す。
白いドレスのフィオナ。僅かに金糸が混ぜられている様で、光が当たった部分がキラキラ反射している。
その美しさは神々しい程だ。
「「「「「「お、お〜〜〜〜〜〜」」」」」」
真っ青な空に、白いウエディング衣装の2人が、眩しい程に映える。
〝ズウウ〜ウ〜ウ〜ウ〜ウ〜ン!〝 低く重い音がお腹に響く……
空からキラキラと光り輝く影が13体降りてきた。
「「「「「「神々が顕現されたのか……?」」」」」」
眩しく輝くその影は、アルティスとフィオナの周りを包み込む。
「来ちゃったの?」
今度は無数の小さな影が、川の様に降ってくる。天使達も来てくれた様だ。
これでは悪魔の入る隙間は、何処にも無い。
夢でも見ているかの様なその情景に、参列者も感動で心が震える。
跪き、手を合わせて、祈る様に首を垂れる参列者。
神々の祝福の中、式は進み、アルティスとフィオナの、誓いのキスでお開きを迎える。
「もう、お父様ったら泣き過ぎ!恥ずかしかったんだから!」
「だってお前、嬉しい様な寂しい様な……」
「寂しい訳ないじゃ無い。何にも変わらないのよ?私達、今まで通り王城に住むんだから」
「分かっては、おるのだが……」
「でもさ、魔王達まで泣いてたじゃん?フィオナが神々しい程、綺麗だったからだな?」
「アルティスだって眩しい位、かっこよかったわよ?」
「眩しい?明るい外だったからか?」
「……違うと思うけど……」
「もう2人共?何処か他でやってくれないかしら?」
「ハハハ……外って言えばフィオナ……目……あれ?まだブルー?」
「何がブルー?」
「海と空の青で、ブルーに見えるのかなって思ったけど……
フィオナ、お前の瞳、色が変わってないか?
少しだけピンクがかった紫色の瞳が、ブルーグラスになってる?」
そう言えばと、皆んながフィオナの目を覗き込む。
フィオナも首を傾けながら鏡を覗き込む。
「フィオ姉。ブルーグラスの中に少しだけキラキラが光ってる……エーテル?」
「あら本当。ブルーグラスの瞳がキラキラと綺麗ね」
「わ〜フィオ姉、アル兄、そして私、皆んなお揃い!」
「私にもエーテルが?」
「このタイミングだし、そうなんじゃ無いの?身体は大丈夫?気分悪いとか無い?」
「ううん。それどころか魔力?マナが止めどなく湧いてくる感じ。すご〜い」
「なら良いけど?」
「この目、このままかな?」
「エーテルは、宿ったままだと思うよ?色はどうかな?
ユッフィーの目は、元のフィオナと同じ、少しだけピンクがかった紫色の瞳だから、
落ち着いたら元に戻るかもね?フィオナはどっちが良いの?」
「う〜ん?貴方はどっちが良い?」
「どっちでも良いよ?どっちも超可愛い」
「フィオ姉は私と同じじゃなきゃヤダ〜」
アルティスは最近、フィナと呼んだりフィオナと呼んだり……
そして今はフィオナと呼ぶ事が多くなった。
フィオナはアルからアルティス、又は貴方と呼ぶ。
ユフィリナは、フィオナ姉様から、フィオ姉に代わり、アルティスはアル兄のまま。
段々と家族としての絆が深まっていた。
「フィオナ部屋に戻ろ?」
「アルティスも流石に疲れたのか?」
「いや?リヴァルド父さん、むしろ元気はつらつ!今からフィオナと子作りさ、ってな」
〝パコ〜ン!〝
「昼間っから何言ってるのよ!」
真っ赤な顔でフィオナが叫ぶ。
「じょ……ジョークでしょ?」
「鼻の穴、広げるな〜」
「ミャ〜〜 ミャ〜〜 ミャ〜〜」
「盛りか」
「やっぱり外に出るのは無理ね〜 あ〜残念だわ。ビーチとか行きたかったな〜」
「流石に無理っしょ?この賑わいじゃあね?」
「う〜ん。今日入れて後3日も有るのよ?部屋に篭りっぱなし?」
「あ、ビーチか。だったら北のビーチ行ってみる?」
「北のビーチって何?」
「開発出来たのは、未だ南の一部だけ。
北には道とかまだ無く、誰も入れないビーチが沢山あるよ。
こっちに負けず劣らず綺麗なホワイトビーチ」
「そっか。アルティスなら行けるものね?行く行く!」
「この後の開発の為に、地形調査する宿舎作っといたから、そこに滞在する?
ログハウスだからちょっとオシャレだよ。ビーチは、目の前」
「さいこ〜じゃない?それ」
「じゃ、皆んなに言ってきてよ。俺、軽食と飲み物用意しとくから」
「うわ〜良いよここ!ほんと、さいこ〜!アルティス悪いけどもう一度戻ってくれない?」
「来たばっかじゃん?」
「泳ぎましょ?水着も買って来たのよ?貴方のも有るわよ。取りに行くの」
「何言ってんの?ここは2人きり。誰も入ってこれない場所だよ?」
フィオナをそっと抱きしめるアルティス。
〝スルスルスル〜〜〝
「キャ……あ、アルティス?」
フィオナのサマードレスを、肩から下ろす。レースの可愛い下着も不器用に外した。
「え?……」
「な、何?私の裸……変?胸小さすぎる?」
「こんな綺麗なものがあったんだ……透き通る様に白い肌、可愛い胸……丁度いい大きさだよ?……美し過ぎる」
「あ…アルッ……」
アルティスも衣を脱ぎ捨て、優しくフィオナを抱きしめる。
「ア、アル?貴方の肌……暖かい……凄く安心する……気持ち良い……」
「フィオナ……フィオナは柔らかくって暖かい……肌を寄せるだけなのに、こんなに気持ち良いんだね?」
「あ、愛する人とだからだと思う……」
「あれ?俺寝ちゃってた?」
ここはログハウスのベットの中。1人用だから少し狭く、身を寄せる様に寝ていた。
「うん。少しだけだけどね?」
「ごめんごめん」
「ううん?貴方の寝顔可愛かったわよ?でもね?」
「ん?何か?」
「お腹すいちゃった」
「そっか?確かに俺も。軽食しか持って来てないから一度戻るか?」
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