表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/97

68 アルティスが5人

神の力を宿し生まれ、5歳の時、創造神により神界に保護され育てられる。神界で磨かれたその力は、既に神の域すらも超えているのではと、12柱の神々は囁く。

「ねえ、ユッフィー。アル見なかった?朝食の後から、どこにも居ないのよね」

「どうしたの?」

「モーニングの衣装合わせに、

 仕立て屋さんが来るって言っといたのに、どこにも居ないのよ?」

「アル兄、服に興味薄いもんね?結婚式用?」

「それもなんだけど、取り急ぎ私の卒業パーティー用ね?」

「卒業パーティー?フィオナ姉様の?何でアル兄がモーニング?」

「私のエスコートよ?アルは、私の婚約者なんだから彼にエスコートしてもらうのよ」

「あ、それか。 ちょっとアル兄の気配探ってみようか?」

「ユッフィー、そんなアルみたいな事出来るの?」

「出来るよ?エーテルの力を借りるの。でも、エーテルが反応するのはアル兄だけだから、

 アル兄と違って、他の人の気配とかは分からないんだけど」

「い〜な〜。私も、それ出来る様になりたいな。アル直ぐ居なくなっちゃうんだもん」


「じゃあ探してみるね。あれ?変だな?何処にもアル兄の気配を感じないよ?

 もしかすると、又、異空間に行ってるのかな?」

「アルが異空間を使えるのは知ってるけど、そこに居るってどういう事?」

「そのままだよ?剣やら体術やら、特に魔法の訓練は、いつも異空間使ってやってるよ」

「そうなの?でも何でわざわざ異空間なの?」

「地上でやったら、周りが大変な事になるからじゃない?」

「……確かに、ここにはアルが訓練出来る場所はないかも……

 特にあの見境のない魔法……軌道を間違えたら、王都が吹き飛んじゃうわね。

 あ〜 でもどうしよう?」

「エーテルにアル兄の居場所聞いてみる?」

「エーテルが教えてくれるの?て言うか、エーテルと話せるの?ユッフィー」

「話すと言うか……意思の疎通が出来るって事よ?

 え〜〜と……あっ、ほらそこに楕円の穴……その中の異空間に居るって」

 10mほど先の庭に、何やら楕円形の穴が渦巻いている。先程迄は、何も無かったはずだ。

「居るかも?気配がする。覗いてみようよ?」


「な、何あれ?アルが5人。1体4で、戦ってない?どれが本物のアルなの?ユッフィー分かる?」

「訓練しているって事は、あの1人の方がアル兄でしょ?」

 次々に剣を繰り出す4人のアルティス。

 それに囲まれた真ん中のアルティスが、その剣を受け流し受け止める。

 あり得ないほどのスピードで、フィオナ達には目で追う事が出来ない。

 光が走ったと思えば、火花が飛ぶ。1人2人と、次第に4人のアルティスが消えていった。


「お〜い!アル〜!」

「アル兄〜〜!タイムタイム!」

「あれ?フィオナとユッフィー?なんだ?あ、そこの穴、首突っ込んじゃダメ。

 異空の狭間だから危ないよ?」

「訓練してたの? さっきの4人のアルティスは何?」

「魔神が連れてきた剣神、闘神のコピー。2神にそっくりだったし、力も技も同等……

 あれをヒントに、俺のコピー作って、訓練相手させてるんだ〜」

「同等って4人相手に圧倒してたじゃない?コピーは経験値が無いって言ってたけど、それで?」

「あのコピーは経験値も付与してあるから、本当に俺同等の力だよ。

 魔神が俺同等のコピーを作れるとは思わないけど、念の為ね」

「だったらどうして、同等なのを、4人同時に相手して圧倒出来てたの?」

「色んなことやってるからね。今のは自分の限界を越えるブーストを試してたんだよ」

「うわ〜 それ以上強くなって何がしたいのやら……

 とか、のんびり話をしてる場合じゃなかった。

 仕立て屋さんが来てるのよ。そう言っておいたじゃない」

「うへ。すっかり忘れてました……」




「うん良いよ!素敵じゃない!アルティス。ホワイトタキシードすごく似合ってる!」

「そう?そうかな?こういう堅苦しいのは、動き難くて苦手なんだけどな……」

「素敵素敵!ですよね?仕立て屋のお姉さん?」

「はい!とてもお似合いで……」

 トロトロの目で見る仕立て屋さん。目がハート。

「身長もさらに伸びて、これは益々、注目の的だわ。女子の目が皆んなハートになりそうよ?」

「注目……は、嫌だな。やっぱり、ホワイトやめて、もっと地味にしよ?」

「ダメ!ぜ〜ったいダメ。それが良いの」

「あ〜分かったよ。フィオナの卒業パーティーのエスコートだからな。お前の言う通りにするよ」

「うんうん!」

「ところでだ?何でフィオナはそんなに肩とか露出してんだ?」

「ダメ?」

「綺麗だけどさ?男共のいやらしい視線が……」

「あ〜ら。アルティス?やきもち?」

「何だそれ?美味いのか?」

「美味いわよ……海苔も巻いたら最高よ……」

 いや、醤油が必要だろ?そもそも、餅も海苔も無いのでは?

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ