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63 あ……あ〜〜〜ん……

神の力を宿し生まれ、5歳の時、創造神により神界に保護され育てられる。神界で磨かれたその力は、既に神の域すらも超えているのではと、12柱の神々は囁く。

「アル?今回の事は、バートさんには話さない方が良いと思うの。

 だから、そんな顔して彼の所へ行っちゃダメよ。なんか勘付かれるでしょ?」

「それもそうだよな?分かったよ。 って、ここは何処?」

「カスタマイン魔国ってのは間違いなさそうね」

「すみません、そこの方。王城はどこでしょう?」

「ん?目の前ですが?」

「え?ここ?思ってたのとちょっと違うぞ?少し小さいし、質素?だな」

「この国、今は神のお孫様とかのお陰で、少し景気良くなってきたけどさ、

 元々貧乏だったからね?うちの魔王様は1人で贅沢する様な人じゃないからね」

「カスタマイン魔国の魔王バートランド。見直したぜ〜」

「何、他人(ひと)の城の前で大声出してんだよ?」

「おお、バート!例の物、持って来たぞ」

「そ、そうか!すまんアル。入ってくれ!」



早速(さっそく)食べさせてやれよ」

「それがさ、見てくれよ?昨日から起きないんだよ……

 どうやって食わせたら良いと思う?擦って口移しか?」

「う〜ん?良いのか?それ? 何か皮も残さず、丸ごと一個食べる様にって言われてんだけどな」

「一度きり。失敗は出来んな?どうしたら良いんだろうな?」

「起きてくれないかな?ヒールは全然効かないのか?」

「ダメだな。やっても無効化されてしまう」

「無効化するだって?それってなんか不自然じゃね?ちょっと調べてみて良いか?」

「調べるって、どうするんだ?」

「胸に手を当て感知してみる」

「な、胸に手をだと〜」

「良いだろ〜?胸だぞ?おっぱいじゃないからな?心臓の上。真ん中の平なとこ……

 俺はフィオナの胸しか興味無いって言ってんじゃん……ぶつぶつぶつ……」

 〝パカ〜ン〝

「いて……」

「何だそこか?乳房かと……分かった。やってみてくれ」


「おっきな胸……綺麗……うらやま……」

「フィナ。気が散る……」

「な、何だこれ?バートに入っていたのと同じような物が埋め込まれてるぞ?」

「何だと!本当かそれ?」

「お前のはエーテルに、これはマナに作用してる様だ……あっ!アハハハハハ!」

「ど、どうしたのアル?急に笑い出して」

「これってあれじゃん!」

「これ?何……あ〜〜〜 それを取っちゃえば治せるって事ね!

 世界樹の実無しで!世界樹の実は赤龍の奥さんに……」

「そうだよそれだよ!アハハハハハ!」


「何言ってんの?お前達?」

「この埋め込まれてる魔道具を俺が取るだろ?そしたらヒールが効くって事。

 世界樹の実無しで治せるじゃん!お前の奥さん。 実はな……………………」


「そんな事が?赤龍の龍神様が……」

「よし。サクサクっとやるぞ!」

 〝ズズズズズ……〝

「あっそれ気持ち悪いんだよな〜〜」

「あ……あ〜〜〜ん……」

「び、びっくりした……ホントに気持ち悪いのこれ?気持ち良いんじゃなくて?」

「良いから早くやれ〜〜」

 〝ズズズズズ……〝

「あ……あ〜〜〜ん……」

「ビクッ! と、取れたぞ」


 後ろを向き小声で……

「なあなあ……お前の奥さん変態?」

「んな訳あるか……」


「何コソコソしてらっしゃるのかしら?」

「え?魔道具取ったら元気になった???」

「貴方方がコソコソ言ってうちに、私がヒールかけました」

「フィオナが?どれどれ?お〜完璧! じゃ無いな?心臓だけ直してどうすんだよ?

 身体が弱ってるんだから、身体全部にヒールかけるの!」

「あ、そか?じゃあ、ヒール!」

「あ……あ〜〜〜ん……」

「「やっぱ変態?」」

「何かおっしゃって?」

「「言ってない」」


「貴方がアルティス様?と奥様?私、バートランドの妻でアイリスと申します。

 いつも主人がお世話になっております。」

「ぼ……」

 〝パカ〜ン〝

「な、なにを……」

「ニャンしようとしたでしょ?」

「アルティスだわんっ!」

 〝パカ〜ン〝

「え〜……と言う事で、先を急ぐんでお暇するよ」

「何が、と言う事でだよ。ま、赤龍様の所が心配なのは分かる。

 又ゆっくり来てくれよ?今日はありがとな」

「……と言う事で、行くぞフィナ」


「き、消えたわね?驚いた〜 すごい子ね?」

「本当に良い奴なんだよ……今日もそうだけど……他人(ひと)の為に働いて……

 あいついつも財布持ってないだぜ?他人(ひと)の為に自分の金を惜しみなく全部使い……いつだって文無し……

 物凄い影響力で他人(ひと)の人生を変えてるのに、自分じゃ全く気付いてない……」

「貴方の人生も随分変わったものね?」

「ああ……そうだな……お前、気分はどうだ?」

「うん大丈夫。心配かけてごめんなさい」



「お〜い!赤龍のじいちゃ〜ん!お〜い!」

「これ、アルティス、大きな声を出すでない。やっと寝ついたとこなのじゃ」

「すぐ起こせ!じいちゃん!ほれこれっ!」

「ん?良い匂いじゃの? お、お前これ?」

「早く起こして食べさせるんだ!じいちゃん」

「魔王の所は、どうしたんじゃ?」

「治せたんだよ。世界樹の実無しで!」

「誠か?」

「詳しい話は後、後、後っ」

「わしの連れは、この奥で寝ている……」

 奥には人間の老婆が小さく息をして布団に包まっている。

「はいっ?じいちゃんの連れって人間?」

「あほう。人のわけあるかい。 3000年近くも生きておると言っただろ?

 我らは人化出来るんじゃ。この方が体力を使わずに済むと思っての」



「アハハ、ばあちゃん、じいちゃんより強かったんか?」

「バカ言うでない。花を持たせてやっておったに決まっておろう?」

「うそ〜ん? ワハハハハハハ」

 人化したじいちゃん、ばあちゃん。そして2人の孫。楽しそうに笑って会話する仲の良い人間の家族にしか見えない。


「ねえ?じいちゃん達。年に似合わず綺麗なお揃いのネックレス。

 それもしかして龍の姿の時、眉間に有る綺麗な勾玉(まがたま)なの?」

「これは親から子へ代々伝わる物でな?人化すると、この様なネックレスになるんじゃよ。

 我らは子に恵まれなんだ。わしが死んだら、これは、お前にやろうかの?」

「マジ〜 いいの〜?でもじいちゃん達のが長生きすんじゃない?」

「お前が普通の人間じゃったらな。そうではなかろう?お前に寿命等有るまいて」

「ど、だろね?」

「それじゃあフィオナちゃん。私のは貴方にあげようかね?」

「え、本当ですか?嬉し〜い!」

「にしてもこの世界樹の実、当たりだったね?」

「当たりって何?」

「種入り世界樹の実」

「種が入ってるのが普通なんじゃ無いの」

「種入りって超珍しいらしいよ?」

「そうじゃよ?皆んな種入りだったら、世界中世界樹だらけで大変じゃろ?」

「世界中世界樹……は〜 それもそうか?」

「だからこれは当たりって事。今は世界樹は世界中で……ややっこしいな……

 世界中で一本しか無いからね?何処に植えてみようかな?

 カスタマイン魔国?バートの所は?南国は暑過ぎてダメか〜?」

「いや、世界樹は強いからの〜 マナさえ上手い事、供給し続けられれば、何処でも育つぞ?

 わしの若い頃……2000年以上前じゃが、世界に7本の世界樹が有ったな」

「そんなにか〜バートの所で育てば、世界樹の恵みでカスタマイン魔国は豊作間違い無しだよね。

 今度持ってってやろ〜」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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