55 あ、いた……ソフィアだ
神の力を宿し生まれ、5歳の時、創造神により神界に保護され育てられる。神界で磨かれたその力は、既に神の域すらも超えているのではと、12柱の神々は囁く。
(何だ?白い砂しか見当たらないぞ?ここは砂漠なのか?他には何にもない?)
見えるのは白い砂ばかり、ソフィアの姿は見つけられない。
感知を最大限にまで上げるアルティス。
しかしアルティスの感知の波動には何も引っかからない。
(だめか……これでも分からないって事は……砂の中だからか?
だったらむずいぞ?砂の中は感知の波動が届きにくい……)
片膝を着き、両手の平を砂に乗せ、静かに目を閉じ感知の波動を流す。
すると、何かが直ぐに引っかかった。
「あ、ありゃりゃ?真下?しかもめっちゃ浅い……」
その手を真下に差し込み、手探りするアルティス。
「あ、いた……ソフィアだ」
真下だった。しかも4〜50cmの浅い位置だった。
「ア……アイリス……ごめんなさい……アイリス……」
息苦しそうにジタバタしている。
(砂の中って息できてたんだろうか?夢の中だから大丈夫だったんかな?)
「なんか、砂に埋もれてるって言うより、ジタバタ砂に溺れてるって感じだな?」
抱きかかえて、砂を払ってあげる。
「お〜い!ソフィア〜!分かるか〜!?お〜い!」
ソフィアの肩を抱き、ゆさゆさ揺らすアルティス。
「あ、あれ?アル君?何して…… ね、ここはどこ?」
「大丈夫か?」
「アル君……ニギニギやめて……」
顔を赤らめてソフィアが言う。
「ニギニギ?何それ?」
「……おっぱい……手でニギニギ……」
「?俺の手はここだぞ?」
肩を握った手をニギニギするアルティス。
「でも、おっぱいニギニギしてた……別に嫌じゃ……」
「え?嫌じゃないの? してないけど?
あ、そうそう、ここはどこ?って言ったろ?ここはソフィアの夢の中だぞ?
ニギニギとか悪い夢見てたんじゃ?」
この夢の中では、確かにニギニギしてないけど、現実でニギニギしてたよ?アルティス?
「でもダメ。フィオナに悪いもの……え?何?今、夢の中って言った?」
「ソフィアも知ってるかもだけど、悪夢虫……それに毒麻酔を仕込まれて、
目覚めなくなってるんだよ?ソフィアは。皆んな心配してるぞ?
これって悪魔の仕業か?それにしてはせこい仕掛けだし……いったい誰の仕業なんだか?」
「……あ……ああ…………」
「ん?心当たりでもあるの?」
「誰……とかじゃなくて…… このところ私、……真の聖女……とか言われ始めて……
その事を良く思わない人達がいるみたいなの。いつもは些細な嫌がらせなんだけどな」
「そうなんだ……それは目を覚まして現実で解決しよ?
犯人はすぐ分かるし〜聖女の件も俺に任せて?」
「犯人は……見つけなくて良い……」
「なんで?俺、嘘がつけなくなる術を使えるから、
皆んな集めて〝これやった人〜〝ってやればすぐ分かるよ?痛い思いとかもさせないし」
「……う〜〜ん……」
「今回のケースは、ソフィアの側に俺がいたから良いけど、
本当だったら、目覚めなかったかもしれないんだよ?
そのまま衰弱していったらって考えると、結構悪質だろ?」
「うん、でもね。聖女の件をアル君が解決してくれるなら、
嫌がらせも無くなるでしょ?それで良い。
その後、なんか気まずくなるのもやだし、逆に仲良くなれれば……それが一番良い」
「そうか?ソフィアがそう言うのなら、それはそれで良いとして……じゃあもう一つ。
ソフィアが普段不安に思っている事、心配事って何?悪夢虫の事知ってるんでしょ?
凄く苦しそうに砂に溺れていたよ?嫌がらせの件じゃないよね?別に何か有るんだろ?」
「……………………」
「他人には言いにくいかもしれないけど、
それも解決しないと、一生不安を抱えていては、心安らかに生きていけない気がするよ?」
「……で、でも……誰にも解決出来ない事なの……」
「解決出来ないかどうか話してみなよ。アイリスって誰?」
「え?なんで?」
「〝ごめんなさい……アイリス…〝ってうわ言で言ってたよ?」
「……そっか。そんな事言ってたんだ私……分かった……話すね。聞いてくれる?」
優しそうな目をして頷くアルティス。
「……私ね?前世の記憶があるの……思い出したくなかった記憶が……」
「思い出したくない?よっぽど辛い記憶なんだね?
普通は自分の魂と会話出来ないのと同じ様に、
生きているうちは、魂に刻まれた記憶を、思い出す事は無いんだけどね?
その記憶、俺がソフィアの魂から探っても良い?聞くよりずっと理解が早いから」
「探る?私の魂から?他人の魂と繋がる事が出来るの?アル君になら良いけど……どうやって探るの?」
「魂の一番近く……手で胸に触れて、魂に語りかけ、俺の魂と繋げるんだよ?」
顔を赤らめて、両手で胸を隠し、体を横に向けるソフィア。
「あのさ〜 おっぱい触るんじゃなくて、おっぱいとおっぱいの間の少し上!柔らかくない所!そこなら別に良いでしょ?」
上目遣いでじっとアルティスを見つめ、赤い顔で静かに頷くソフィア。
胸に手を乗せそっと目を閉じるアルティス。
(いや俺はおっぱいでも良いんだけどさ、むしろそっちが良いんだけどさ。
どうせ夢の中なんだから……)
「なに、ぶつぶつ言ってるの?」
「言ってない……」
(う〜む……集中集中……)
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