54 ナイトメアバグ
神の力を宿し生まれ、5歳の時、創造神により神界に保護され育てられる。神界で磨かれたその力は、既に神の域すらも超えているのではと、12柱の神々は囁く。
「うん……確かに寝てるね?ほんとに何しても起きないの?」
「起きないのよ?今朝からよ?大きな声で呼んでも、揺すってもダメなの……」
「俺がやってみようか?お〜い!ソッフィア〜!」
〝ユッサユッサユッサユッサ〜〝
「お〜〜!揺れる揺れる!」
「何、ソフィアのオッパイ揺らして遊んでるの!」
「オッパイ、ユラス……ナイ……カラダユラス……オッパイ、ユレル」
「何カタコトになって誤魔化してるのよ!」
「ア、ドモスミマセン、ドモスミマセン……あれ?」
「今度はオッパイに顔近づけて……何見てるのよ?後でソフィアに怒られるんだからね!」
「フィナこれ見てみ?なんか……玉虫色の虫?何か変なの着いてないか?」
「虫?あっ、ちっさ〜 何これ?良く見ないと分からないわね」
「胸のあたりから変な波動を感じると思ったら、これだよ!」
「ちょ、アル、私、虫、無理!取ってあげて!」
「ソフィアのオッパイに乗ってるこれを取る?俺がやって良いのですか?フィオナさん?」
「や、やっぱだめ〜!ど〜うしよう……」
「プ〜ニ、プニ〜」
「あ〜〜だめって言ったのに〜〜!」
「この虫、お尻の辺りに針がついてて、ソフィアのオッパイに刺さってたぞ?」
「お二人揃って、姪の胸に顔を近づけて、何をなさっていらっしゃるのです?」
「あっ、ハートさん、この虫見て。この虫の針が刺さってたんだけど?」
「ん?これは……悪夢虫ではありませんか?」
「知ってるの?」
「我々の故郷に生息するとても珍しい虫です。寝ている人に貼り付いて不思議なフェロモンを出し、
普段不安に思っている事、心配事を増幅させ悪夢を見せると言われております。
それにしても王都には居ないはずですが?向こうでさえも滅多に見ることはありません……
でも悪夢虫に、針など有りましたかね?」
「困った時の博識カインさん……カイン!……サモン!」
「我が君。お呼びですか?」
「これ見てくれる?」
「失礼します。……これは悪夢虫……でしょうか?この針は……」
そう言うと、指先をその針で、〝チクリ〝と刺す。
「おいおいカイン、そんなことして大丈夫なの?」
「ご心配には及びません。私は全ての毒に耐性がございますので。
これは……麻酔……しかも毒……フグから作られる毒麻酔……ソフィア様がこれに?
これは危険な物です。人に使うと目覚めないかもしれません」
「フグから?って事は、人工的な物か?で、カインは何ともないの?」
「はい。問題ございません」
「カイン優秀過ぎ〜 取り敢えず俺がソフィアを解毒してみるね。
ピリフィケーション!パーフェクトキュア!
……ど?……カイン?」
「…………はい。完璧に解毒できております。とは言え、直ぐに回復するものでもございません。このまま暫く様子をみたらいかがでしょう?」
その日の夕刻。様子を見に来たアルティス。フィオナはソフィアにつきっきりで居た。
「ねえ?アル。起きる気配が全くないの……解毒出来てるはずなのに、どうしてかしら?」
「今、カインが、秘蔵の書で、調べてくれているよ。
じいちゃんは、悪夢虫のヘロモンと、毒麻酔の相乗効果だろうって言ってる」
「アルティス様。創造神様の仰る通りの様です。
この書によると、悪魔を崇拝する闇の教団の禁術に、そう言った術が有ると書いてあります。
ソフィア様は、悪夢に囚われて、抜け出せなくなっているのかと」
「何か解決する方法は書いてない?」
「精神を同調させ、ソフィア様の夢に入り、連れ戻るしかない様です。
私が行ってまいります」
「いや、親しい俺が行った方が良いんじゃないかな?ソフィアが安心出来るでしょ」
「親しい人が良いんだったら、私が行く?」
「夢の中では、夢と現実の判断が出来なくなり、
痛みや苦しみを、現実と思い込んでしまう可能性があるよ?
フィナが行くのは危険だよ。俺に任せて?」
「何があっても対応できる貴方が適任て事ね?分かったわ。ソフィアをお願いね」
四つん這いになりソフィアに覆い被さるアルティス。
おでことおでこを突き合わせている。
アルティスの身体から力が抜けていき、次第に身体が重なる。
「アル?なにソフィアに抱きついているのよ?」
「フィオナ様。アルティス様は、ソフィア様の夢に入り込めたのではないでしょうか?」
「ああ、寝ちゃったって事? でもなんかやだ……少し離してくれない?」
「今離すのは危険かもしれません。
お気持ちは分かりますが、このままにしておいた方がよろしいかと」
「分かったわ。でもあの手だけは外して良いわよね?」
「手……で、ございますか?」
「そ、あのニギニギしている手。本当に寝てるの?アルってば、って感じの手」
「何やら柔らかそうな所をニギニギしておりますね。
よほど感触が良いのか?尻尾が揺れております」
「離しなさいよ〜っと!」
手を離そうとするフィオナ。
〝シャ〜〜〜〜〝
「あ、怒った…… 絶対寝てないわよこの猫……」
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