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47 婚約指輪 後編

神の力を宿し生まれ、5歳の時、創造神により神界に保護され育てられる。神界で磨かれたその力は、既に神の域すらも超えているのではと、12柱の神々は囁く。

「フィオナ〜 嬉しそうにしてどうしたの?何かあった?後ろから見ても嬉しくて仕方ないって分かるわよ?」

「あ〜ソフィア? へへへ〜♡」

「何、何?気持ち悪いわよ?とろけそうな顔しちゃって?」

「ウフフッッ……えっとね〜見て!ハイこれっ!!」

「えっ?指輪? あっ!もしかして婚約指輪!? き……綺麗〜〜アル君の瞳とそっくりな石ね?

 良かったわね!いつ貰ったの?」

「ヌフフ……ついさっき……」

「ハイハイ幸せそうで何よりよ?ああ、それでさっき二人ともいなかったのか?」

「あれ?私達の事、探してたの?」

「そうよ? 評判のケーキ頂いたんだって。皆んなでテラスでお茶するからって、貴方達2人も探していたのよ。

 まだみんなお茶しているから、行って指輪を見せてくれば?」

「うんうん!そうする〜」


「あっ、アル君、フィオナ、どこ行ってたの? 何?フィオナその顔?どうかした?だらしないわよ?そのニヤケ顔」

「ヘッヘ〜 アルから、婚約指輪貰ったの〜 見て見て〜」

「まあほんと?良かったわね。それならその顔も仕方ないわね?

 どれどれ?まぁ〜何これ?サファイア?ちょっと違うわね?もの凄く綺麗な宝石ね……アル君の瞳そっくり!

 なんか身も心も吸いこまれそうな位よ?神秘的な石だわ……」

「でしょでしょ?お母様。この石、創造神様が用意して下さったんだって!

 この銀河の星の様な粒は、反射してるんじゃなくて、アルの込めたエーテルで光ってるのよ」

「お〜これは……アルティスのネックレスの石と同じか?この世界には無い物だな?

 創造神様が用意して下さったと?とんでもない宝石だぞこれは。

 どれほどの価値があるのやら?想像もつかん……」


「あのねあのね!私、女神のミリア様にお会いしたの!綺麗でね、優しくてね、それでねそれでね!」

「少し落ち着けよ〜?フィナ」

「嬉しいんだもんね〜フィオナ。気持ちはよく分かるよ?それにしてもこの宝石、見れば見るほど綺麗ね〜羨ましい!」


「フィオナ姉、ずる〜い!アル兄、私には〜」

「おっ!ユッフィーにも有るぞ。ネックレスにしたんだけどな、はいどうぞ」

「わ〜綺麗〜アル兄のネックレスとお揃っ」

「俺のよりだいぶ小さいけどな。これなら着けていても邪魔にならないだろ?

 ちゃんとエーテルも込めてあるんだぞ。 それと……皆んなにもハイ、ハイ、ハイ……」


「お〜アルよ、わしにもか?すまんな」

 宝石を目の上にかざし、嬉しそうな顔で、透かして見ているリヴァルド。

「さすがアル君、お母さまには1番大きいやつね?」

「ユッフィーの方が大きいもん!」

 大きく口を膨らませながら抗議するユッフィー。


「ア、アル君、私なんかにも良いのですか?」

 少し顔を赤らめて、はにかむ笑顔のソフィア。

「ん?ソフィア?ソフィアだって俺の家族だよ?良いに決まってんじゃん」


「「イヤイヤ……流石に私共には……」」

「何言ってんの?ハーゲンハートさんも皆んな大好きな家族〜」

 名前を一つに纏めるんじゃないよ?アルティス……美味しそうじゃないか?


「全部エーテル込めてあるから、いつかきっと皆んなのピンチの時に助けになるよ?」

「ん?アルティス。そうなのか?どんな効果が?」

「分かんない。エーテルの意思次第だからね?でもきっと、ピンチになったら何か奇跡が起こるよ?」

「「「「「「……す……すごい……」」」」」」

「国宝なんてもんじゃない、遥かに超えてる宝じゃない……」

「こ、これは……失くしたら大変ですな……」

「エーテルの力があるからね、勝手に戻ってくるんじゃない?たぶんだけど……

 それに、あげてもいない他の人が付けても、煌めかないし、何の効果もないよ。

 むしろ、盗んだりして手にしたら、悪い事が起こるかもよ?」

「エーテルの意思って事か〜じゃ、安心よね?」


「……あのね……あのね……私……女神のミリア様にお会いしたって言ってるんだけど……」

「まだ他にも渡したい人いるし、これより小さな物だけど、100個作ったんだよ?

 これからもっともっと家族を増やすんだ〜フィナとは血のつながった家族をね〜 ね?フィナ!」

 〝パッコ〜ン!〝

 フィオナに、思いっきり頭を叩かれるアルティス。

「……え〜〜〜〜」

「〝え〜〜〜〜〝じゃない!みんなの前でやめてよね」

 真っ赤な顔でフィオナに抗議される。でもその顔は、怒ってはいなかった。

 皆んなにニヤニヤされ、更に顔を赤くするフィオナ。

 リヴァルドだけは、複雑な顔だった。

「……あのね……あのね……私……女神のミリア様にお会いしたって言ってるんだけど……」


 いずれ100個では到底足りなくなる程、アルティスの周りに集まる仲間達。

 この石は、アルティスの家族である証となる。

 アルティスの言う家族は、増え続けるのであった。

 人族も魔族も隔て無く、この星唯一の国、フェイト連合帝国。

 後の時代まで伝説となる初代アルティス・フェイト帝王。

 それはまだ少し先の話ニャン。

「……あのね……あのね……私……女神のミリア様にお会いしたって言ってるんだけど……」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

この話で第一章は終了です。

明日より第二章を開始いたします。

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