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46 婚約指輪 前編

神の力を宿し生まれ、5歳の時、創造神により神界に保護され育てられる。神界で磨かれたその力は、既に神の域すらも超えているのではと、12柱の神々は囁く。

「…………じさん…………おじさん、そこどいてくんない?」

 キョロキョロしてみるが、港を見下ろす公園は、見る限りガキンチョばかり……

(おじさんって俺の事?)

「吾輩は猫である、おじさんでは無いにゃん」

「猫オヤジ〜」

「お前ら悪魔か?滅ぼしたろか〜?グワ〜〜」

「おじさん怖い ギャ〜 ワハハハハハハッ」


「アル?人を呼び出しといてなに子供と遊んでるのよ?」

「だってこいつら、このイケメンお兄さんに向かって、おじさんとか言うんだぞ」

「この子達から見れば、15も30歳も皆んなおじさんに見えるのよ?きっと。私もそうだったもの……で、用事って?」

「あ〜〜ここ花が綺麗で、港が見えて最高のロケーションだって聞いてたんだけど……何なのこの人混み?」

「しょうがないわね?今、チューリップが、この丘をピンクに染める最高の季節なんだから」

「ムードもなにも……しょうがない、ヨッ」

 フィオナを抱き寄せるアルティス。

「ひゃ〜おじさん大胆!」

「黙れガキンチョ」

 そう言うと2人は子供達の目の前からスッと消えた。

「え〜〜〜〜消えた〜〜????」


「ここで良いかな?」

 公園を更に見下ろす山の頂上。

「うわ〜ここは更に景色最高ね〜〜」

「そ、そう?んじゃ良いか?」

「なにが良いか?なのよ」

「あ〜〜う〜〜 こ、これをフィオナに……」

 何か小さい物をフィオナの前に出し、見せるアルティス。

「うわ〜綺麗〜〜 何この石?貴方の瞳そっくり!」

婚約指輪(エンゲージリング)っていうの?フィオナにこれを」

「……………」

 真っ赤な顔のアルティスと、思わず涙が溢れてくるフィオナ。

「……良いの?……ありがと」

「今更……とも思ったんだけどミリア姉さんが……あげなきゃダメだって……

 婚約指輪とか良く知らなかったから……遅くなってごめんね」

 首を横に振るフィオナ。その指に指輪をはめるアルティス。

「でも貴方、お金無かった……いえ、他に使いたかったんじゃ?」

「あ、これ買ったんじゃないよ?最初うちの鉱山で探して、すんごい大きなダイヤ?見つけたんだけど、

 そんなのかえって下品だからやめなさいってミリア姉さんが」

「ミリア姉さんて……まさか女神のミリア様?」

「そうだよ。俺の母さ……」

 ゴロゴロゴロゴロ……晴天なのに雷雲が……

「こほん……俺の姉さんみたいな存在」

「女神のミリア様……子供の頃から憧れの女神様……」

「前に、そんな事言ってたね?もちろん会った事も見た事もないでしょ?」

「絵本とかで読んだり、教会の神様の絵画とか……眩しい程に綺麗な女神様……ずっと憧れてたの」

「そう?俺にはフィナの方が……」

 ゴロゴロド〜ン!お、落としやがった……雷……

「ミリア姉さんと同じ位フィナも綺麗で可愛いよ」

 クワバラクワバラ


「でね、じいちゃんが、それなら良いのが有るぞって、これ……」

「アルの瞳そっくりよね」

「ペンダントの石にも似てるだろ?同じ石なんだって。それに俺がエーテルを込めたものなんだ。フィナにきっと力を貸してくれるよ」

「でもこれ磨いて指輪に仕上げるだけでも、大金が掛かったんじゃないの?良かったの?」

「それがびっくり!これ仕上げてくれたの何とカイン!あいつ凄いだよ?何でも出来ちゃうの。超優秀」

「カインさんって元悪魔の?」

「そうそう。このかっこいいフェイト領の紋章とか、あいつが作ったんだよ。

 私のような元悪魔が結婚指輪を作る訳には……とか言ってたんだけど、

 もう俺の眷属だしエーテルに満たされて悪魔って存在じゃあなくなってるから、

 フィナは嫌がらないと思うよって言って作ってもらったんだ。やだった?」

「ううん。大胆なカットで銀河の光が綺麗に見えて凄く素敵。お礼言わなきゃね?」

「良かった。そう言ってくれると思ったよ」

「私、幸せ……女神のミリア様、創造神様、カインさん。皆んなに良くして頂いて……」

「フィナ、俺が抜けてんじゃん?」

「バカ……大好きよ……アルティス……愛してる……」


「良い子ね?アル?」

「あ、姉さん……来ちゃったの?」

「え、あっ……え、ミ……ミリア様?」

挿絵(By みてみん)

「フィオナさんがあんまり可愛くて出てきちゃった!テヘペロッ」

「あ、テヘペロって俺の真似〜 あ〜〜フィナまた泣いちゃった〜〜」

「フィオナさん、アルをよろしく頼みますね。そして貴方はもう私達神々の家族なんだからね」

「か、家族?私が?そしたらミリア様は私のお姉様?」

「そうよ。母じゃないからね?」

「母でも良いじゃん……」

 ぼそっとアルティスが言う。

「アル。何か言った?」

「何も言ってない…… けど、俺を育ててくれたミリア……俺大好きなんだぞ?大好きな母さんみたいって思ってたんだから」

「や〜よ。そこは譲れないの」

「ふふ、ほんとの兄弟みたい……」

「あら、魂で繋がった私達は、血のつながりを超えて本当の家族よ?貴方もね」

「有難うございます。でしたら私の事はフィオナと呼び捨てで呼んで頂けたら嬉しいです」

「そう?だったらフィオナ……」

「はい!とっても嬉しいです……」

「うん。私の事はお姉さんと呼んでね?それと一度神界に遊びにいらっしゃい?創造神様も心待ちに待ってるからね?アルも分かった?」

「了か〜〜い!」

「ユフィリナも忘れないのよ?」

「ユッフィー自分で行けるんじゃない?行ってないの?」

「来る方法まだ知らないのよ?一度連れて来れば、やり方分かるから……フィオナも神界に入れる様に、

 結界を変えてあるから、何か有ったらいつでも来て良いのよ?」

「分かった一度連れてくね〜」


 その頃公園では人が突然消えたと騒ぎになっていた。

 お騒がせして申し訳ない。アルティス少し自重します。テヘペロッ。

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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