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異世界勇者は常識知らず〜魔王を討伐した勇者が、地球で魔王とダンジョン配信始めました  作者: 冬狐あかつき


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77話 五感強化と身体強化

 

 理紗は自分の足元に映されたコメントをちらりと確認する。


「魔力で視力も強化出来るの?」


「そりゃ出来るだろ。戦士には必須の技術だ」


【……みんな、俺は戦士じゃなかったみたいだ】

【明日から踊り子にでもなろうかな】

【俺は遊び人になるわ。応援よろしく】

【戦士の心へし折ってて草】


「やり方を教えてくれる?」


 エアリアルで生きていた理紗が何でこんなことを知らないんだ、と少し不思議だったが、この技術は脆弱な人間が魔物に打ち勝てるように生み出された力だったのを思い出した。


 そんなことをせずとも遠くを見通すことが出来る魔物には、覚える必要がなかったのだろう。


「これを使うにはまずは身体強化からだな。順番を間違うと面倒なことになる」


「身体強化と視力強化はどう違うの?」


 紬がこちらに問いかける。


「身体強化は魔力を集中させて耐久力を上げる力だ。視力強化みたいな五感の強化は魔力を流動させて使うからそもそも別の技術になる」


 ……この様子だと紬も習得を狙っているようだな。

 空を飛べる紬がこれを使えるようになると、楽に索敵出来るようになる。

 だけどこの力は失敗した時のデメリットも大きい。


「五感強化は俺がひと通り使えるから、無理に習得する必要はないぞ」


【こんな情報を独り占めすんなよケチ臭えな】

【金も払わず知ろうとしている乞食もいます】

【投げ銭するから公開してくれ】




「それは危険だからってこと?」


「怪我なら僕が治せるよ」


「身体強化を施さずに、視力強化をしてしまうと、まず間違いなく眼球が潰れる」


 想像してしまったのか、理紗と紬が顔を青ざめさせる。


【デメリットデカすぎ】

【この情報は下手に公開すると事故るかも】

【勇者しか使えない技っていう可能性もあるしな】

【これを見た探索者の皆さん。自分のパーティーの戦士に同じ技術を望まないでください】


「……でも、身体強化さえ習得したら問題ないんだよね?」


「常に魔力を安定させられるんだったらそれでいいかもな。だけど慣れないうちは不意の攻撃を受けただけでも魔力がぶれる。そうなると同じことになるぞ?」


 諦めきれない紬にそう伝えると彼女は渋い顔を見せる。


 エアリアルでは視力強化に関していえば、野外で探索する前衛は殆ど使うことができる。

 だからこそ、あちらの前衛の隻眼率は非常に多かった。

 残る片目を守るために、痛みを感じなくなるような麻薬を使いながら戦う者がいたほどだ。

 それは二人も望んではいないだろう。


 見る限り、この世界の探索者は五体満足な者がほとんどだ。

 失敗すれば体を欠損する可能性がある技術に、あえて手を出す必要はない。


 それに、戦士であれば動体視力の強化は不可欠だが、ある程度の強さまでは、体内の魔力量が増えることで自然と上がっていく。


「遠見の魔道具があれば索敵に代用できる。悪いことは言わんから身体強化で止めておけ」



「でも、五感を強化したら動体視力も上がるんでしょ? それが出来たら不意打ちの攻撃も避けられるようになるじゃない」


「動体視力を強化する必要のある敵なんてまだ出会ってないぞ?」


「あなたはそうでしょうね! だけどか弱い私たちには必要な技術なの!」


【か弱い、だってよ。どう思うお前ら】

【今までソロでダンジョン潜っていた人間がか弱い?】

【俺は五感強化よりも身体強化の方が気になるな】


デスパレードの書き残し

ヴェノム種 アシッドモスの対処の仕方


蛾の出す毒性の鱗粉は魔力を含んでいるため、魔法の絨毯(緑色)で回復しつつガントレットの攻撃力を高める。

攻撃が通るくらいにまで強化されたら木々に隠れている幼虫を見つけ、適度に痛めつける。

幼虫のいる場所は、フロアボスが攻撃しないので、容易に発見できるだろう。

そうすると親であるフロアボスが襲ってくるため反撃、攻撃を加えていく。

この時に幼虫を殺してはいけない。

殺すと親が放つ鱗粉の毒性が高まって緑色の絨毯でも回復が追いつかなくなってしまうから。


サンダーバード戦で緑の絨毯が焼け落ちていたらここは絶望。

倒しても毒の影響が後を引き、次の戦闘にも影響してしまう。


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