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異世界勇者は常識知らず〜魔王を討伐した勇者が、地球で魔王とダンジョン配信始めました  作者: 冬狐あかつき


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70話 マヨラー爆誕

 

「変なことを聞いてごめんなさい。私が無神経だった」


「変なこと? よく分からんが別に構わん。あちらでは特段珍しい話ではないからな」


「いや、チームといえども、何でもかんでも聞く必要はなかったわ。反省してる……」


 顔を歪めて謝罪する理紗は申し訳なさそうにしているが、俺は本当に気にしてはいない。

 あちらでは前日会話をした人が次の日には死んでいることなんてざらにあったし、太陽の教会によって暗殺された人はそれこそ数えきれないほどいた。

 だが謝罪の言葉を重ねる理紗は、お詫びとして晩御飯を奢ると言う。


「どこで食べるの? 今、外に出るとマスコミに囲まれちゃうと思うけど……」


「もちろんギルドよ。私たちがいない時に来れるように練習しておかないと」


 心配そうな紬の言葉に理紗が答える。


「そっか、なら安心出来る、のかな?」


「外よりはマシよ。……多分ね」



 紬が持ってきた荷物をまとめていく。

 ゲームと今日使った教本は何冊か残して、後は全て紬のアイテムボックスに仕舞った。


「レオさん。貴重品は収納するようにしてね」


「分かった」


 紬の指示に応じて冷蔵庫に向かうと、黄色い液体に手を伸ばし……。


「──ちょっと! 何でマヨネーズ持ち出してるのよ! それは冷蔵庫の中に入れておいて!」


「いや、紬が貴重品は収納しろと……」


 俺の言葉を聞いた二人が頭を抱える。


「……ダンジョン党の人間がマヨネーズを対価に出さなくて良かったわ」


「レオさん。それはかなり安く手に入るものなんだ……。だから無くなってもすぐ手に入るよ?」


「そうなのか? それはいいことを聞いた。これさえあれば道端の雑草でも美味しく食べれると思うんだ」


 草木はそんなに多くは無かったが、道路の周りを見るとそれなりに生えている。

 勝手にとっていいのなら、金のない俺にとって大助かりだ。

 しかし、俺の言葉を聞いた二人は顔を曇らせる。


「頼むからそんなことしないでね。レオが稼いだお金があれば、食べ物に困ることはないはずだから……」


「お腹が空いたら雑草に手をつける前に、ギルドで食べるか、僕に言って。僕がレオさんの家にご飯を持っていってあげるから」


 どこか必死になって頼み込んでくる二人を前に、大人しく了承する。

 もしかしたら雑草のように見えるあれも、誰かの所有物なのかもしれない。



 自分がいた世界の感覚で行動しようとしていたことを再度戒めて、部屋から出ていく。


 ギルドはかなり大きな建物になっており、探索者用の食事処と、ギルドに住んでいる人たちが使う食事処に分かれていた。

 あらかじめ紬が鏡花に許可をもらっていたらしく、俺たちが向かう先は後者で、今後もこちらを利用することになるだろう。


 席についてメニューを眺める。

 俺には精巧な料理の絵が描かれてある紙束を渡され、そこから決めることになった。


「ここはお酒が頼めるんだけど、飲みたいものある?」


「酒はいらんぞ。料理だけでいい」


「そっか。じゃあ決まったら教えて」


 理紗の言葉に頷き、メニューに視線を戻す。

 いっぱいあって選びきれないな。

 理紗の金だからいろんな料理を頼むのは別の機会にするとして、一つの料理に目が止まった。

 他のとは違い、様々な料理が載っている。


「これがいい」


「……何で住人用のメニューに、チャレンジメニューがあんのよ」


「多分師匠が手を回してくれたんだと思う。住人用のメニューはもっと少ないはずだから」


 理紗から説明を受ける。

 何でも食べきれたら無料とのことで、尚更これを注文したくなってきた。


「こんな量食べれるの? 紬が作ってくれた料理とは比べ物にならないわよ」


「大丈夫だ。失敗したら俺が払うから」


「それは別にいいわよ。残すのが勿体無いってだけだから」


 理紗の許可も得て料理を注文する。


 数十分後、理紗たちがご飯を食べる中、誰よりも早く食べ終えた俺は二人に呆れられるのであった。

ブクマ、評価していただき本当にありがとうございます。

お陰様で日間ランキングに残ることが出来ました。



ちなみにレオがマヨネーズを完飲しなかった理由は、勿体無いからです。



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