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異世界勇者は常識知らず〜魔王を討伐した勇者が、地球で魔王とダンジョン配信始めました  作者: 冬狐あかつき


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66話 目覚め

 

 若干の気持ち悪さと共に飛び起きる。

 ……まさかヴェーネに毒を盛られるとは思わなかった。

 勇者になってから早二年。

 毒を盛られたことは多々あったが、意識を失うほどの隙を見せる羽目になったのはこれが初めてだった。

 これを失態と言わずして何と言おうか……。

 人を信じてしまったが故の過ち。


「何回同じことを繰り返すんだ俺は……」


 助けたはずの冒険者に後ろから切りつけられた時に、もう人とは距離を取ると決めたのではないのか?

 これは俺の弱さが招いた結果。

 甘んじて受け入れるしかあるまい。

 だが不思議なことに俺の所持品からは何も盗まれてはいなそうだった。

 あいつが聖剣と呼んでいた俺の大剣も、横たわる俺の隣に置かれてある。


「……愉快犯か?」


 ポーチの中に入れてあった財布の中身は変わっていない。

 あいつの意図が見えなかった。


 大剣を手に取り、確認するも何か細工されているようには見えない……が相手は魔法使い。

 安心するのにはまだ早い。

 所持品の確認を終え、座り込む。

 ここまでしたんだ。ヴェーネはここに戻ってくることはないだろう。

 そう考えていた時、壁の付近に変わった種類の石が目に入った。

 石の外側には宝石の原石ようなものが浮き出ている。

 ……こんな石がここに置いてあったか?

 俺の記憶はないと言っているが、わざわざ石一つ置いていく意味も分からない。

 獣の仕業かなと思いながらも、石を持ち上げる。

 宝石には魔力を込めること出来る。

 これも魔法使いに売れば結構な額を稼げるはずだ。


「何だこれは……」


 石が置かれてあった下には一枚の紙が折り畳まれて下敷きになっていた。

 上質な綺麗な紙だ。

 劣化具合を見るに、長期間置かれていた物ではない。


 小さく折り畳まれた紙を優しく開く。

 ここはかなり湿気ていて、張り付いてしまっているのが少し心配だったが問題なく開けることが出来た。


 パッと見る限り俺にも分かるような文体で書かれていることが分かった。

 冒険者たちが使っている、一目で理解できるような文体だ。

 これが身分の高い人が書く手紙だと、独特な比喩や第三者に見られてもいいように、当人同士だけが分かるような言葉が使われることが多い。


 彼女も自分の研究内容を文字にして残す時にはそちらの表現を使うことが多いと言っていた。

 だから最初、これを見てヴェーネが残していったものではないかと思ったが、一番下に彼女のサインを見つけた。


 彼女が残していった紙。

 置いてあった場所も俺が寝ていた場所とは離れているし、隠すように残されてあったから、見つけたのはただの偶然に過ぎない。


 彼女とはいい別れ方をしていない。

 罵詈雑言が並んでいる可能性もある。

 あまり気が乗らないと思いつつも、俺の目線は彼女の置き手紙から離れることは無かった。

お陰様で日間ランキングに入り込むことが出来ました。

今日は一話投稿しましたが、あわよくばもう少しランキングの中にいられるかも、と淡い期待を込めてもう一話投稿させてもらいます。


ブクマ、評価してくれたら嬉しいです。 

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