36話 食あたりゴブリン
【拾い食いって体に悪いんだな】
【それを半分以上食べてピンピンしてる勇者は何?】
【修行? 修行なのか?】
【普段から鍛えるために毒を取り込むってこと? 寿命縮めるぞ】
【現にゴブリンワンパンKOじゃん】
申し訳ないことをした。
不意打ちで毒殺したようで心が痛い。
ゴブリンは毒耐性が弱かったのか程なくして光に還ってしまった。
フライアイも後を追うように消えていく。
残されたのはゴブリンがつけていたガントレット二つ。
なかなかに良さげな武具だが、手に入った経緯を考えると素直に喜べない……。
『帰ってきたら一度あなたが食べてる食事見せてもらえる?』
「美味しくないぞ?」
あちらの料理ということで懐かしく感じているのか理紗からお願いされる。
だが紬の料理を当たり前な顔して食している理紗にはあの味はつらいものがある。
日常的に食べていた俺がこうなのだ。
好奇心を見せずに抑えて欲しいところだったのだが。
『誰も食べないわよ。こっちは安くて美味しい料理がいくらでも買えるの。体に悪いものを食べてるのなら交換するのも手よ。他の人の料理が信用できないのなら、私か紬が作るのでもいいから』
【手料理フラグ入りました】
【何故そこまで親切にする?】
【最後だから生きる希望を見せてあげてるだけじゃね?】
【前に男パーティと組んでる時に手料理求められても断っていたしな】
【あの時は聖女も断ってたぞ。覚えてないのか?】
【その聖女が初絡みで手料理を作る……これは匂いますねえ】
『次の階層主を倒すとそれ以降は記録がないの。言ってる意味分かる?』
「そこを生き残れた人がいないってことか?」
【何でそんな脅すような言葉吐くんだ】
【もうちょっと気を遣ってやれよ。仮にも仲間だろ】
【見損なったぞ炎姫】
前人未到の領域。もしかしたら魔王リスティルとの死闘を超える戦いができるかもしれない。
産毛が逆立ち、自然と口角が上がる。
『今の気持ちは?』
「最高だ理紗。ダンジョンに潜って良かったよ」
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デスパレードの一般的な攻略。
今回の場合。
初回のドッペルゲンガーは魔道具やドロップ武具を用いて頑張って倒す。
ゴーレムは回復する時に大岩の魔力を吸収して回復する。一度ゴーレムを破壊してドッペルゲンガーの魔石を投げ込むとゴーレムの性質が変化。
大岩で回復することが出来なくなる。
サンダーバードは前回の戦闘で手に入った土人形にゴーレムの魔石を取り込ませて兵隊を作り出す。
兵隊の強度はサンダーバードの攻撃を十回は防ぐことが出来、優先的に狙ってくれるためその間に攻撃して仕留めにかかる。
ゴブリンは空高いところにいる人を攻撃することが苦手なため、魔法の絨毯を使用してフライアイを倒す。
三回召喚を繰り返したらもう追加で出せなくなるため後はゴブリンと一対一。
この時に紫の絨毯がなければフライアイの攻撃を避けるのが困難。
攻略に不可欠なアイテムを消失した場合は来世に期待しよう
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