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異世界勇者は常識知らず〜魔王を討伐した勇者が、地球で魔王とダンジョン配信始めました  作者: 冬狐あかつき


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34話 聖剣による清掃業務

 

 目が覚めると体の疲労は完全になくなっていた。

 少し眠り過ぎたのかなと思いダンジョンカメラに聞くと。


『レオが眠ってから一時間しか経ってないわよ。それだけ回復効果があるってことだと思う』


 カメラから伝えられる口調の変化。


「理紗か?」


『紬には眠ってもらったの。これからは交代でサポート出来るようにするから。それとごめんなさい。私のせいでこんなことになってしまって』


【落ち込む炎姫も風情があるな】

【拙者の如意棒も天高く伸びるでござるよ】

【そのひのきの棒しまえよ】


「別に理紗のせいでもないさ。高く売れるかもって安易な考えで捕まえた俺が悪い」


【勇者デスパレード売る気だったのか】

【悪質な嫌がらせじゃん】

【デスパレードは回避しておけばすぐに消滅するから仮に手に入れることに成功してもすぐ死にそう】



 それにしても三倍の疲労回復力か……。

 睡眠中も警戒しなければいけないエアリアルでは重宝したのだろうが、ここでは時間を持て余すだけだ。


 そこで今日は体を洗っていないことに気がついた。

 次にいつ入ることができるようになるのかもわからない。

 理紗が買ってくれた着替えは亜空間に入っているし、聖剣の力で洗濯も可能だ。

 だとしたら聞いておかないと。


「体を洗いたいんだがいいか?」


 戦闘で服が破けて素肌が見えてしまっても問題ない。

 そう聞いていたから口にしたんだが、理紗からの返答はなかった。

 ……寝ちゃってるのか? なら仕方ない。

 ダンジョンで体を洗う時にしなければいけないことはあらかじめ説明を受けている。


「風呂モードに移行してくれ」


 ダンジョンカメラがピピっと高い音を告げる。

 これで問題ないだろう。


【勇者の体がぼやけてる】

【周りは普通に見えてるからいつ見ても不思議だな】

【勇者の体付き少し気になってたのに】


 防具を全て取り外して横に置く。

 そこから少し距離をとると、亜空間から持ち手のついている壺と聖剣を取り出した。

 弱い風が俺の体を撫でるように渦巻いている。

 聖剣も不満が溜まっているのだろうが……。

 壺に魔力を込めると凄い勢いで水が溢れ出してきた。

 溢れ出してきた水は聖剣の風に絡め取られて空中に残留する。

 壺の口を逆さまにしてしばらく待つと大きな水球が一つ出来上がった。


「……このくらいか」


 大剣を床に刺して息を止めて、裸のまま水球の中に歩き出す。

 中で激しい水流が発生し、俺の体の表面を撫でていった。

 俺は息の続く限りその流れに身を任せる。


【何か既視感が】

【洗濯機みてえ】

【それだ!】

【危険そうに見えるけど炎姫止めないのな】

【みんな知ってるか? 共同で配信枠をとってた場合、配信モード適応されないんだぜ】

【炎姫の画面には勇者の全裸が映ってるってことですか?】


『今はコメントしか見てない。嘘を吹聴する人はコメントできなくするよ』


【やべっ気づかれた】

【炎姫。今すぐあんたのところに行くから】

【七変獣がコメントしてるんだが】

【ギルドも重く受け止めてるってこと?】

【どうだろうな。基本的に自己責任の世界だからそれはないと思う】


 聖剣も満足したのか少しの間我慢していると、水球が弾けるように飛散する。

 濡れた体は聖剣が作りだす暴風で綺麗さっぱりなくなった。


 しばらく休憩しているとダンジョンカメラからメッセージが届く。


『もう少しで飛ばされるはず。何が出てくるかは過去の履歴を見てもバラバラで教えてあげれないけど、残り二回は最低でも休憩なしで戦うことになると思う』


「そうか、分かった。ありがとう。なら……腹ごしらえでもしておくか」


 飛ばされる時の独特な魔力の変化は寝てても気がつくことが出来る。

 だから五分睡眠を繰り返して休憩することも出来るし、それが出来なくとも最低三日は戦い続けることも可能だ。


 まずは亜空間から食べ損ねた腐りかけの食糧を口にする。

 腹は減ってはいるのだが、紬の料理が頭に残っているせいか、なかなか食が進まなかった。

 半分ほど食べ終えたところで階層の移動が始まり……


お読みいただきありがとうございます。


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