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123話 鏡花への説明

 

 ギルドに戻ると鏡花が治療を受けており、独断でダンジョンに向かったらしい理紗たちの頭に拳骨を落としていた。

 瘴気は俺が回収したので浄化する必要もなく、モンスターが出てくる心配はない。

 そう鏡花に説明をすると、若干引かれつつも信じてもらえた。

 だが、体裁のためにギルド関係者がダンジョン前に配備されることになり、詳しい状況を別室で話すことに。

 先んじて理紗が鏡花に問いかける。


「監視カメラの映像は残ってるんですか?」


「ないね。ダンジョン付近に置かれてあったカメラはイレギュラーの生み出した瘴気で全て壊れてる。瘴気の範囲外にあったカメラもレオが戦い始めてしばらくすると一斉に壊れたんだ。なんか心あたりでもある?」


「カメラ……があったんだな。どこまで映ってたんだ? いや、深い意味はないんだが、気になってな……。全然俺が何かしたとか、そんなことではなくて……」


「レオがお店ぶっ壊した後だな。イレギュラーが杖を地面に差し込んだ時だ。時間差もなく一斉にカメラが故障。ご丁寧に飛ばしていた映像をまとめていたデータも全て消えてた」


「それは! その……すまん」


「いいって。スタンピードをこれだけの被害で収められたんだから、お礼を言うことはあっても、弁償を求めることはないから」


 鏡花はカラカラと笑いながらなんでもないような口調で答える。

 その言葉で心が楽になった。


 データうんぬんはよく分からんが、時間はイレギュラーがダンジョンに逃げようとした時か。


 ダンジョン前に謎の魔力が発生したタイミングでもある。

 保存していた映像も根こそぎ消去されたらしく、カメラを直接確認していた者の証言からしか判断することができず、見返すことも出来ないようだ。


 説明を求められて俺が口を開きかけると、理紗が俺の袖を掴む。

 そして鏡花に向かって鋭い目を向けると……。


「今、鏡花さんはどの立場で質問していますか?」


「それは、返答次第じゃ、本当のことを教えるつもりがないってことでいい?」


 さっきまでの雰囲気とは一変、石のように冷たい表情で鏡花は聞き返す。


「そうですね。鏡花さんの立場次第では、答えられないこともあります」


 交差する視線。

 喧嘩が始まるのかと感じるほどの険悪な雰囲気に、紬が待ったをかけた。


「師匠! 師匠はレオさんの味方?」


「……そりゃ味方だけど、流石にレオが何かしたんだったら」


「──それならいいよ。大丈夫、レオさんが悪いわけじゃないから。教えてもいいよね、りっちゃん?」


 話を振られた理紗は、もう一度鏡花の目を見る。


「……何だよ。うちを仲間はずれにすんのか」


「いいですよ。説明します。ですがこれは他言無用でお願いします。今から話すことは、エアリアルと関係しているかもしれませんから」


 その言葉を聞いて驚いたような表情を浮かべた鏡花は、ゆっくりと頷いた。


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