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Episode4

いつも賑わっている外はいつもとは比べ物にならないほど賑わっている。


楽器の音に人々の歓声、動物たちの鳴き声、軍隊の掛け声が朝の0時からずっと。


なんたって今日は第1王子ザーヒーの誕生パーティーなんだから。


第1王子は次の王様も同然だから王子の中でも特に盛大なんだよね。


そして夕方から始まるパーティーに向けて私もしっかり準備中。


いつも以上に装飾を豪華にしてドレスも最高級らしいんだけど…。


重い、この華奢な体では立っているだけでも疲れる。


おまけに髪飾りもお花や宝石をふんだんに使ってるからこれもまた重い…。


今日もシャビーブと参加することになってるんだよね私的にはシャビーブに今心が惹かれているからとっても嬉しいの。


ただ、今日は絶対シャーマになにかされると思うから気を引き締めないと!



「ナターシャ〜!久しぶりだね、変わりない?」


「え、あ、はい。失礼ながらどちら様で?」


「ナターシャ⁉僕を忘れてしまったの⁉」


「あ、すみません。ナターシャは先日以前の記憶を失っておりまして。」


「そうだったのかい⁉ありがとう、アイーラ。可哀想にナターシャ。すぐに僕がなんとかしてやるからな!」


「あ、ありがとう。あの、お名前は?」


「あ、僕の名前はアンデルソン・エリック、ナターシャはエリックっていつも呼んでくれていたよ。」


「エリック…。」


「エリック様はナターシャ様のお母様のお生まれの国、ノーティスランドの皇太子様です。エリック様の母君様はナターシャのお母様のお姉様でございます。ですのでナターシャとエリック様の関係は従兄弟というものになりますね。」


「ありがとう。アイーラ。」


「ナターシャが好きだったガラス細工を今日も持ってきたんだけどいるかい?」


「ほしい!」


そっか、部屋にある照明もシャンデリアも、アクセサリー立て、鏡の縁、テーブルの面までほぼすべてがきれいなガラス細工なのはエリックがたくさん持ってきてくれてたからなんだ。


「今日はね、このドレスの装飾に合うと思って腰飾りを持って来たんだよ。アイーラ、つけてやってくれる?」


「あ、はい。」


「わぁ、綺麗。」


ガラス同士を繋いでいるのはシャラシャラと音がする軽いシルバーのチェーンで、腰回りはきれいな青と白の花が飾られて、腰から垂れ下がったいくつもの装飾には花びらといくつもの蝶がつけてあるの。


アイーラもびっくりしてた。


「気に入ってくれた?」


「うん!とても!すごくきれい!」


「喜んでもらって嬉しいよ。おっと、こんな時間だ!またパーティーで!」


「第5王子様がいらっしゃいましたー!」


やばっ!


「ごめん!シャビーブ!遅れちゃって、わぁ!」


「ちょっ、大丈夫か?」


やばい、顔近い!待ってシャビーブの顔が夕日に照らされていつもの倍かっこよく見える!しかもこの近さ!キスしたの思い出しちゃうよ…。無理!今の私絶対に顔が真っ赤だよ〜。


「ん?どうしたの?顔赤いけど。」


「だって、シャビーブがいつもよりかっこよく見えるし、その、思いだしちゃったし…。」


「ふっ。思い出したって何を?」


「ちょっ!何笑って…」


腰に手をまわされたかと思ったら急にシャビーブの顔が近づいてキスされたの!


「これのこと?行こっか?」


そう言いながら手を引いて馬車に私を連れて行った。もう!びっくりしたじゃん!


「シャビーブさん、私とはじめのダンス踊ってくれませんか?」


出た、シャーマ。


「今日はナターシャとしか踊るつもり無いから。ナターシャ、俺と最初のダンスを踊ってくれませんんか?」


「よ、喜んで!」


ダンスを一緒に踊るぐらいで何でそんな嬉しそうな顔をするのよ…。


そんな顔で見られたら恥ずかしくて顔見れないよ。


「ダンスをしてお疲れのようですね、お飲み物をどうぞ。」


「あ、ありがとう。って…トーマスさんっですか⁉」


そんな私にほほえみ飲み物を飲むように促してくる。


「飲むなっ。何か入れてますよね?ナターシャも何でこの人のこと覚えてるんだ?」


シャビーブったら何をそんなに身構えてー。トーマスさんとはさっき広間でお話して知り合いだったことが分かったから安全な人じゃないの?


「バレちゃった?ほんの少しほんのすこぉしだけ催眠薬入れちゃった。」


え?嘘でしょー⁉入れて渡してもう少しで飲むところだったのに!なのに謝りもしないでヘラヘラ笑ってー!


「こらシャビーブ、兄上の誕生パーティでそんなに騒ぐな見苦しい。」


「あーリフ、ちょうど良かったトーマス様が…。」


「だ・ま・り・な・さい!そんなことで騒ぎをおこしてたらこのワキールが許さないからね?」


「あ、そうそう。シャーマって子どの子か分かる?」


「シャーマはあそこにいらっしゃるけど、どうして?」


「婚約したから迎えに来たのー。ザーヒー様の誕生祝いのついでに。」


シャーマ婚約してたの⁉しかも異国の人と?嘘〜!



「シャーマー‼迎えに来たよ!」


「!…今頃何の用よ、別に迎えに来てくれなくてもいいし。」


「長い間1人で待たせてごめんね、もう1人にしないから。ね?」


「ん〜もう!寂しかったよぉ。もう離れないで!」


わぁ!あそこだけ周りにハートが浮かんでるみたい!良いなぁ。


ん?シャーマがこっちに来る!やばい何かされる?


「色々とあたってしまってごめんなさい。色々な人から愛されているあなたが羨ましかったの…。」


「いえ、全然。どうぞお幸せに!」


「ありがとう。また近いうちに文を出します。」


小動物みたいで可愛い〜!いままでシャーマからは怒りしか感じなかったけどそれがなかったら彼女ってめっちゃ可愛いじゃん!


「ねぇ、シャビーブ。あなたのことが、好き。」


豆鉄砲をくらった鳩のような顔のシャビーブの手を取りそっと手首にキスをしたの。


もういてもたってもいられなくなって私は庭園へと走ったの。


後ろからは私の名前を呼びながらシャビーブが追いかけてくる。


どうしてあんなこと言っちゃったの…?まだ心の準備できてないのに。ただシャーマとトーマス見てたら伝えなきゃって思って…。

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