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第6話:回復術師はヒールする

 まあ、一般的には剣を実戦レベルで扱えるのは剣士のみだから、驚くのも無理はない。

 でも話すと長くなるんだよなぁ。


「あ、その前に足を擦り剥いてるな。ちょっと待っててくれ」


 さっき躓いた時に怪我をしてしまったらしい。

 怪我の治療は俺の専門分野だ。


 手をかざし、魔力の流れを読み取り、回復魔法をかける。

 少女の膝が淡い光に包まれる。


 痛々しかった傷口がみるみるうちに塞がり、傷一つ残さず完治した。


「すごい……もしかしてこれってヒール……ですか?」


「自己紹介が遅れたが、そういうことだ。色々できるけど、一応俺は回復術士……いや、回復術師かな」


「回復術士なのにあんなに強いなんてすごすぎます……! 何から何まで、本当に助かりました。私、リーナって言います」


「俺はユージだ。冒険者は助け合いが基本だし、危ない時はお互い様だよ。それより、訳ありか? あまりソロに向いてなさそうだが……」


「実は私、付与術士で……パーティを追い出されちゃったんです。行くところもないしお金が必要なので一人で働こうと思いました。でも向いてないのかもしれません」


 付与術士といえば、数年前まで各パーティから引っ張りだこだった存在だ。

 強化魔法一つでワンランク上の狩場を楽々攻略できるようになるし、誰でもできるというわけではなく才能が必要なのだ。俺も『身体強化』で似たようなことはできるが、自分に対してのみで他人に付与することはできない。


 しかし、強化ポーションの出現で付与術士を取り巻く環境は大きく変わった。

 付与術士が行える強化魔法の全てをポーションで賄えるようになってしまったのだ。値段が高かったうちはまだ良かったが、広く普及して値段が落ち着くと付与術士は安い報酬で働かざるを得なくなった。


 付与術士は剣士や魔法士ほど戦闘に優れていないし、劣等紋を除く回復術士のように薬草に勝るスキルを持っているわけでもない。お払い箱にされるのは時間の問題だった。


 正直、ついにこの時がきたか——という感想だ。


「それに、私……劣等紋なんです。ただでさえ役に立たない付与術士なのに、紋章もダメだとどうしようもなくて……」


「大変だったな。劣等紋にとって付与術士は憧れで、唯一例外的に人権が認められる特別な存在だったし……」


「分かってもらえるんですか……? もちろん私も、何か付与魔法で他にできることはないかと思って必死にもがいたんです。やっとの思いで魔物の弱体化魔法を使えるようになったんですけど……『そんなのなくても支障はない!』と言われてしまったんです。もう何をしてもダメなんでしょうか……」


 深刻につらつらと話すリーナ。

 どれだけ辛かったか痛いほどよくわかるのだが、一点すごく気になることがあった。


「弱体化魔法ってどういうことだ……? 詳しく教えてくれないか」

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