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YU-JYO

前部書き直してきました。多少はマシになったはず……。


いやまさか一日休んだだけでここまで躓くとは。反省です。

――地上都市 パライゾ・ギア



「ここは『地上都市 パライゾ・ギア』で、良いんだよな」


「えぇ、紛うことなく」


「あー、うん。何というか、とても堅実な造りをした街だな。住みやすくて良いと思うぞ、俺は」


「はっきり言って良いんだよ。名前に楽園パライゾとかついてる癖に普通すぎるって」


ログインした時と似た感覚に包まれた後、立っていたのは消える前と殆ど変化が無いように思える広場。立ち並ぶショップ連を見れば成る程所々違いがあると気づけるのだが、それを言う時点でお察し。


NPCかれらは長い間天空都市しか知らないで育って来たからね。どうしても寄ってしまうのは仕方が無いよ。この広場を抜ければ、パライゾっぽい場所も多少はあるし、それで満足するしか無いさ」


「そか」


ゲームの公式設定的にも、この世界のNPCが天空都市に籠もって1000年近いってあったし、文化が偏っちまうのも納得できる話だ。


要は少し前の世代の日本人が、日本はこうあるべき、これこそが日本の形だ、と無意識下で固執していたのと同じ事なのだろう。


長く封鎖的な文化を営む中で、伝統意識が根付いてしまい、街とはこう言うもの、みたいな固定観念に知らず知らずの内に囚われているのだろうな。



そう言う訳で、あまり代わり映えのしない街中をタイト2の案内に従って進んでいく。


ちなみに今回も例のごとく、騎士スイッチの入ったタイト2の後ろをちょこちょこ歩きでついて行くスタイルである。


タイト2は「別に手を繋ぐんでも良いんですよ?」とか気持ち悪いことをほざいていたが無視だ無視。


カァーー、ペッ。



パライゾギルドで、目的地のフィールドでついでに受けられるクエストの確認や、万が一死んでしまった時に備えて、教会への挨拶とお祈りをささっと済ませつつ、パライゾの街を南に抜ける。


因みに、歩いてる途中で通り、タイト2(にぃ)に例のパライゾっぽい場所だと紹介されたのは、やけにこじんまりとしたカジノだった。


曰く、大きな店舗を作る事は許可が降りなかった、という理由で縮小せざるを得なかったとの事らしく。


その話を聞いてからもう一度店構えを見てみれば、小さいながらも立派な筈の店舗に何となく哀愁を感じずにはいられなかった。


強く生きて欲しい。




――フィールド型ダンジョン グルーミーウッズ (推奨Lv10)


そうして辿り着いたのがここ、陰鬱な森グルーミーウッズ


その名の通り草木がうっそうと生い茂った熱帯雨林、と言った様相を呈しており、数十メートル先もはっきりと見通せないくらいの陰鬱加減だ。


推奨レベルは10とある。タイト2の引率があるとは言え、レベル3の私が挑むダンジョンなのだから妥当な難易度。


私はタイト2の気遣いに対する感謝の念と共に、特別にさっきの気持ち悪い発言は忘れてやることにした。



「んじゃ早速レベル上げと洒落込もうじゃあ無いか」


周りに他の人影が無い事を十全に確認し終えると、私は元の口調でタイト2に声をかける。


そのまんま意気揚々と足を踏み出して行くも、数メートル程進んだところで違和感に気づいた。


自分の感覚に従い後ろを振り返って見れば、やはりと言うべきかさっき居た場所から一歩も動いていない白銀野郎。


顎をクイッと森に向けて傾けて見るも、返されたのは満面の笑みと『早よ行け』のジェスチャー。たまらず私はタイト2の方へ歩み寄る。


「おいおい冗談きついぜ。一緒に行くって約束だったじゃあ無いか、タイト2君」


「うん? 生憎、私はそんな約束をした覚えはない」


「ほら、ユヌ……なんちゃらとか言うカフェェで『大会に出るならレベリングに付き合う』って」


「いんや? 『地上でレベリングをしないか』とは言ったけど、『レベリングに付き合う』なんて一言も。君だって本当は言ってないって事、分かっているんだろう?」


確かに、あの時は全く気にも止めなかったが、今思えばレベリングを一緒にやるなんて事は()()()()()()()()()()


だがしかし、そんな空手形でこっちの貸しにされたんじゃあ堪らない。流石にそれは。


「詐欺もいいところじゃねぇか」


「おやおや、本職の方に手口を褒められるなんて光栄だね。まぁ、私としてもあまり本意では無いんだよ? 久しぶりのテラとの共闘だったしね」


「ほーん、その心は?」


「君なら多少のレベル差ぐらいは大丈夫だろうという信用が一つ、それと実は、四次職関連の手がかりが街の方にあるみたいだというのが一つ、かな」



ある程度もっともらしい理由が出て来ても多少の文句くらいは言ってやろうかと考えていたのだが、そう言う事情なら仕方が無いかと思い直す。


四次職についての情報があればそちらを優先させるというのは、それこそはっきりと明言されていた訳だし。


「りょーかい。理解した。……にしてもちょっと急な話過ぎやし無いか?」


「うん。実際この情報がある程度確からしいと確信出来たのは極々最近の話だしね。具体的にはさっき君と中央ギルドに行ったとき」


「あぁ、態々ついてきた癖に俺をおっさん冒険者の中に放置して自分はさっさと要件を済ましに行ってたけどあの時か」


「いやその時だけどさ。そんな刺々しい言い方しなくても……いや、悪かったとは思ってるよ、うん」


「んじゃ謝りついでに何か良さげな武器を貸してくれ。流石の俺でもヒノキの棒で突貫する勇気は持ち合わせて無いんでな」


肩をすくめておどけた調子でそうのたまって見せると、タイト2はフフッと笑って武器やランタン、便利使いのナイフ、その他冒険に必要な複数のアイテムの譲渡をしてくれた。


《タイト2 より『光鉄のガントレット』、『開拓のランタン』、その他複数のアイテムを受け取りました》


迷い無く渡してきた辺り、事前に準備してあったのだろう。それも、非常に俺好みのガントレットだ。ツンデレさんめ。


「さす2。分かってるじゃん。伊達に長い付き合いじゃねぇな」


「でしょ? 君は基本なんでも使えるけど、いつだったかガントレットが好きって言ってたなって思い出してね。お代は付けとくから勿論後払いで構わないよ」


「付けかよ! まぁお前ならそう言うだろうとは思ったけんども」


「はっ、分かってるじゃん」


「「(やっぱ)伊達に長い付き合いじゃないね(ねぇな)」」



暫く、お互いの友情を確かめるように声を出して笑い合った。





……気を取り直して。


「んじゃ、潜ってくるわ」


「オーケー、じゃあ私は先に街の方に戻ってるから。2時間後ぐらいに、最初の広場に集合で」


「んあぁいや、もう結構長い時間やってるから、レベル10ぐらいまで上げたら今日はもう引き上げる」


「うーん。そか、じゃあまた明日? 現実時間で朝九時くらいで良いかな? 確か今君春休みだったよね」


「おう。それで問題無い。じゃあまた」


「うん、また」


軽く手を上げて別れの挨拶を済ませると、お互いに背を向けて歩き出す。タイト2は再び街へ。テラはダンジョンへと。



《エリア型ダンジョン グルーミーウッズ に侵入しました》


《これより、メニュー画面を戦闘仕様に切り替えます》


《特定行動(祈り)によりこれより30分間HPとMPの自然回復速度が上昇します(10%)》






っと、戦闘に入る前に装備しなくては……。



――――

PN:テラ(♀) (Lv3)[2up]

 JOB:詐欺師(Lv3)[2up]

 HP:52[+2]

 MP:70[+10]

 STR(筋力):12[+2]

 VIT(堅さ):12[+2]

 INT(知力):30[+10]

 DEX(器用):21[+6]

 AGI(敏捷):12[+2]

 LUC(運):30「+10}

 スキル:『話術(Lv1)』『幻想魔法(Lv1)』

 職業固有:『夢の世界の案内人(Lv1)』


E『光鉄のガントレット』耐久値:150/150 メイン

補正値:STR+10 DEX+3 AGI+3 闇属性特化(微)


E『開拓のランタン』耐久値:90/90 サブ

効果:森や洞窟で使用する際、光量が増加する(微)』

――――

死亡時の復活は最後に訪れた教会です。定番ですが。


そういや以前、テラとタイト2がとあるクランで知り合った話をしましたが、横並びの関係では無く。テラはクラン立ち上げ当時から所属していたメンバーで副ギルド長。

タイト2は割と後の方に入ってきた後輩ですね。ギルド長命令でテラにギルドのルール等を教わった関係。

ぽんこつ先輩としっかり者の後輩の図。

尚、ギルド長の設定は出来てる上、YouGoに居ますが、出てくるかは今後の展開次第。



『複数のアイテム』:ナイフ、水、保存食、火打ち石などが詰まったバック。独立したアイテムをバッグに入れてインベントリにしまってあっただけなので、譲渡の際は『複数のアイテム』と表示される。独立したアイテムと言う時点でお察しだろうが、バッグにつめた状態で売られている事はない。つまりバッグに道具を詰めて準備したのは……?


ツンデレかっ!!


尚、主人公はそんなことには気づかない。



脳内おじさん「武器や防具はちゃんと装備しなきゃ意味ないぞ」



8話「お会計戦争」でタイト2が


「いやいや、『マッサージ師』、『奇術師』、それに『吟遊詩人』を含めた三職はその他カテゴリーの中でもかなり戦闘寄りのジョブだよ。最前線で活躍してる知り合いにも1次職でとってる人居るくらいだし」


と発言していますが修正します。


→最前線で活躍してる知り合いにもその系統で揃えてる人も居るくらいだし」


吟遊詩人の設定で自分的に熱い設定が湧いたので出すときの為に。



入れられなかった……。


『――地上都市 パライゾ・ギア


あらゆる娯楽が溢れ、地上の楽園としてかつて名を馳せたその街は、しかして現在ではその面影を僅かに残すのみ。


それは、長くモンスターによって占領され正しく『廃都』と化していたことで、一から作り直すことを余儀なくされた為である。


地上の都市の少なさ故に数少ない地上での活動拠点として十全に機能する事が期待され、無駄の一切を排除した都市計画が用意され実行されているのだが、一部の志を同じくする男性らによる熱心なデモ活動も起きている。


とは言え、天空王の御名において推し進められた計画であるからして、彼らの行動が実を結ぶことは殆どあり得ないのだが、活動に参加している男性曰く「無駄だと分かりきっていても引けないときがあるんだぜ、男なら」とのこと。


余談だがその男は活動に参加してから、付き合っていた彼女にこっぴどく振られたという』


都市の名前の後ろについている『・ギア』というのは所謂ファミリーネームの様なモノで、天空王の庇護下にある証。現在は天空都市ラストル、地上都市パライゾ、同じく地上都市トランサクト(第二回緊急クエストにて解放)の三つの都市に付けられている(というかその三つしか無いのだが)。


三つの都市はそれぞれ改名式の際に現王の身内のモノが一人統括者として派遣されており、パライゾには王弟。トランサクトには王太子が送られた。



あ、パライゾは『楽園』が名前の由来です。



小噺『後書きの化け物』



とある読み専の男「なぁ知ってるかあの噂?」


相手の男「それじゃ分かるもんも分かんねぇよ。具体的には?」


男「とあるサイトのとある小説の話なんだが、なんでも後書きの鬼がいるとか何とか」


♂「なんだそら。そんな鬼、いたところで怖かねぇよ全く。聞いて損したぜ」


・「いやそれがよ、聞いて驚け。本編の字数が3000文字弱なのに対し、後書きが1300文字強もあるんだと!! そう、丁度、こんな風になぁ!!!!」


「ぎゃぁぁぁぁ!!!!」

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