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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

秘密の初恋 

作者: 半径3m



僕はいつも、僕の横顔を狙っているビデオカメラの存在を感じる。「好きなタイプは?」と聞かれて「目の大きい髪の長い女の子」と答えるとき、台本を棒読みする役者になったように感じる。



僕は周りの人から見ると明るく元気なサッカー少年で、親友はやはりサッカーをしている幼なじみのKで、勉強はそこそこできて、女の子にも何度か告白されたことのある男子中学生だ。



このインスタグラムで、ずっと匿名の僕が書く『片想いの詩』を読んでくれていた人たちは、「えっ!男の子だったの?」と、騙されたような気がするだろう。でも、僕が書く僕の恋心と、女の子が書く恋心と、どこか違うところがあるのだろうか。片想いの切なさ苦しさに違いがあるだろうか。



今回、いままでと文体が違うのは、この文体も僕だと告げたいからだ。人には沢山の顔がある。ああ、でも僕の中心となる顔は、多くの人には好かれないかもしれない。それでもイイ。僕は全ての人に好かれようとは思っていない。



僕はKからだけ好かれればイイ。僕は目の大きい髪の長い女の子に興味がないから。幼なじみでサッカーをやってる男のKが好きだから。



驚いたかもしれないけど、そういう人間のことをもっと知って欲しい。ゲイのドラマが流行しようが、テレビに女装した人が出てこようが、法律が変わろうが、僕の生活に大きな違いは今のところなくて、身近にゲイがいると知ったら、どうやら人はまず驚くとわかっている。



僕が現実の世界でカミングアウトしないのは、誰かに嫌われるからとかイジメられるからではなくて、Kとの友人関係が微妙に変化するだろうことが予想されるからだ。Kは僕のことを嫌いにはならないだろうけど、ゴールの後に僕と肩を組むのを躊躇するようになるかもしれない。そんなことになるくらいなら、僕はいつまでも、台本を読んでいるような生活をして、僕を撮るビデオカメラを意識し続けるだろう。大多数が決定する普通を演じて、普通の中に隠れるだろう。



でも、ずっと遠い、いつか、Kに「僕の初恋の人だった」と告げたいな。そんな日が来ることを願って、毎日学校に行く。授業中にKの背中を見つめる。片想いだから。それでイイ。


もし僕の気持ちに共感してくれる人がいるなら、僕をフォローして「いいね」を下さい。それが僕の勇気となる気がします。



匿名だけど、ここがはじめての告白の場所で、今これを書いているとき、僕の横からビデオカメラが消えているのを、僕は泣きたいほどの開放感の中で感じています。




#ゲイ#片想い#初恋#気持ちは同じ#孤独


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