ファンタジーRPGがやりたい【漫才】
ツッコミ「はいどうもー。僕ね、この前ファンタジーRPGのゲームをやってたんですけど」
ボケ「なるほど、そうめんの話か」
ツッコミ「うん、全く違うね。どう解釈してそうなったの? でね、そのRPGゲームにすごくハマっちゃいまして」
ボケ「よし分かった。じゃあ早速そうめん食べに行こ」
ツッコミ「何が分かったのかなあ!? 今漫才中だから、ちょっと待ってね?」
ツッコミ「で、勇者になってファンタジー世界を冒険出来たら面白いだろうなって思ったんですよ」
ボケ「俺は人間になってそうめんを食べに行きたい」
ツッコミ「人間になってって、いま何なの君?」
ボケ「大将やってるぅ?」(暖簾をくぐる仕草)
ツッコミ「待て待て待て待て、戻ってこい」(ボケを引き戻す)
ツッコミ「勝手に馴染みの店に入らないで? そうめんなら後で一緒に食べに行ってあげるから。今はファンタジーRPGの時間だから。ね?」
ボケ「分かったよ」
ツッコミ「じゃあ俺が勇者やるから」
ボケ「じゃあ俺が筋肉仮面半裸Zやるわ」
ツッコミ「待って! 何それ! 何そのファンタジー世界から著しく乖離している物体!」
ボケ「ここが異世界か。やはり現世と比べると少し変わっているな」(ポージングを取りながら)
ツッコミ「お前の方がブッチギリでおかしいよ! ちょっと一回戻ってこい!」(ボケを引き寄せる)
ボケ「ほう、貴様が勇者か」
ツッコミ「あれ、戻ってきて欲しいんだけど?」
ボケ「俺を仲間にしたからには安心するがいい。美味しいそうめんを出す店も薫り高きフレーバーコーヒーの淹れ方も教えてやる」
ツッコミ「設定だけ現世に戻してくるの止めて! あと名前が攻め攻めなのに特技が可愛いな!」
ボケ「おい勇者、敵が出たぞ」
ツッコミ「君めっちゃグイグイ来るね!」
ボケ「あれは高濃度の魔力を弾丸にして飛ばしてくる奴だ。気を付けろ!」
ツッコミ「びしっびしっびしっ!(被弾した仕草) ぐあっ! おい、えーと筋肉仮面半裸Z! 気を付けろ。こいつ強いぞ!」
ボケ「キンキンキン(胸を張って魔弾をはじく仕草)」
ツッコミ「あれ、筋肉の防御力高めに設定しすぎじゃない!?」
ボケ「筋肉の前ではすべて無力」(飛んできた弾丸を一つ掴んで口に運ぶ仕草)
ツッコミ「何で食べるの!?」
ボケ「不味いパンケーキだ」
ツッコミ「パンケーキ飛んで来てたの!? ちょっと、俺が相対的にクソ雑魚みたいになるからやめて!」
ボケ「よくもやってくれたな。オラァ!」(何度も敵を叩きつける仕草)
ツッコミ「と思ったら急にキレた!」
ボケ「オラァ! 喰らえ! マッスルブレードで切り刻んでやる!」(手刀で何度も切りつける動き)
ツッコミ「ちょっとやり過ぎじゃない!?」
ボケ「ひっひっひっひっ、どうだ参ったか」(しゃがみ込んで、何かの液体をかける動き)
ツッコミ「そ、その液体は一体……?」
ボケ「プロテインだ」
ツッコミ「何でプロテインかけてるんだよ!」
ボケ「ヘイ、そうめん一丁お待ち」(立ち上がって丼をツッコミの前に置く仕草)
ツッコミ「さっきからそうめん作ってたの!?」
ボケ「食べないのか」
ツッコミ「いらないよ! そもそもツユがプロテインだろ、それ!」
ボケ「ズズズ」(麺を啜る動作)
ツッコミ「食べるな食べるな!」
ボケ「そして我々はそうめんを食べながら魔王城にたどり着いた」(棒読み)
ツッコミ「飛ばし過ぎぃ! あとたどり着き方が雑すぎる!」
ボケ「徒歩2分だからな」
ツッコミ「駅近物件か!」
ボケ「油断するな、勇者! 魔王が出たぞ! しかも魔王の後ろには暗黒竜が控えている! ズズズ」(麺を啜る仕草)
ツッコミ「お前は先ずそうめん食うの止めろ!」
ボケ「出たな、まお……」(正面を向き、驚いた顔をして止まる)
ツッコミ「あれ、どうした?」
ボケ「母さん……!」
ツッコミ「魔王、お前のお母さんだったの!?」
ボケ「よく見たら魔王の後ろにいる竜は……担任の田中先生……?!」
ツッコミ「いや、どんな学校なんだよ!?」
ボケ「じゃあこのそうめんは父さん!?」
ツッコミ「何で?!」
ボケ「違うんです! 母さん、田中先生! 僕が海パン一丁で街中を歩いていたのは筋トレの啓もう活動をするためであって、決して人々の視線が気持ちいいからでは無いんです!」
ツッコミ「怒られ方が特殊過ぎるわ!」
ボケ「それに今は海パンの他にビキニも身に着けています!」
ツッコミ「変態の出来上がりじゃねえか! 魔王討伐どうするんだよ」
ボケ「そうめんだけに、水に流してくれないか?」
ツッコミ「いい加減にしろ。もういいよ」
お読みいただきありがとうございました。