プロローグ
初投稿です温かい目で見てくださると幸いです
雨が町を包み込むように降り続ける夜。僕はアルダーク書店の二階で本を読んでいた。
「ねえ、店長。この本面白いね」
「あたりまえだ!俺が選んだ本だからな!」
今僕と話しているのはこの書店の店長だ。
「最近よく雨が降るよね」
「ほんとだよ。洗濯物が乾かないから困ったもんだ。」
親を無くした僕を引き取ってくれた命の恩人。
「そうだフィル、明日のマリアンヌ祭、一緒に行けそうにないんだ。ごめんな。」
「そっか、そうだよね。店長は警備しなきゃいけないもんね。」
この町は宗教都市で二十年ごとに唯一神のマリアンヌ様に感謝をこめて祭りをする決まりになっている。
そして、そのマリアンヌ祭が明日に迫っているのだ!
僕は今回が初めてなのでとても楽しみだ。
残念ながら店長は警備があるらしく一緒に行けないけど
「悪いな。なんせこの町で魔法が使える人間が少ないんだ。最近は魔法に適正がある人間が生まれにくくなってるらしい。」
「、、、ねえ、魔法を使えるのが本屋の店長とか八百屋の店主とかしかいないこの町ってほんとに大丈夫なの?」
「しかたねえだろ。本職の魔法使いさんは王都に行っちゃってるんだよ!最近王都でパルドリア教が事件になっただろ。あいつらがまた何かしでかすかもしれないからここの町の魔法使いも王都に集めたんだよ。国の外れにある町だし、わざわざ襲ってこないだろうしな。」
「てかよく考えればあんまりこの町の事件を魔法使いが対処してるとこって見たこと無い気がするんだけど。
全部店長とかドウルさんが対処してるじゃん。魔法使いにやらせればいいのに」
「魔法使いにしょうもない事件解決させたくないんだよ。基本この町ってでかい事件起きないだろ。」
「ふーん。よくわかんないけどま、いっか」
「もう時間だし寝るよ。おやすみ。」
「おう!おやすみ」
「明日は何をしよう。きっと楽しいんだろうなあ」
結局楽しみであまりよく寝れなかった。
ーーーーーー
「店長おはよう」
「おはようフィル。なんか眠そうだな。」
「そんなに楽しみだったのか?正直あんまり乗り気じゃないと思ってたぜ。」
店長は心底おかしそうに笑っていた。
こんなことなら言うんじゃなかった。
「じゃあフィル、俺はそろそろ行くからな。お前も遅れないように来いよ。」
「わかってるよ。いってらっしゃい」
「おう!行ってくるぜ」
さて、まだ祭りまで時間あるな。そういえば昨日本読みかけだったな行くまで読むか。
ーーーーーー
「はあ、はあ、はあ」
やばいやばいいつの間にか時間とっくに過ぎてた。
昔からそうだ僕は本を読み始めると時間を忘れるんだ
「祭りが終わってから読めばよかったなあ」
まあ後悔しててもしかたない。
幸いまだ終わってないはず。
しかしなんか暑いし焦げ臭いな。まあ多分祭りで何かやっているんだろう
よし着いた
「え」
そこに祭りの情景はなく
僕の目に飛び込んできたのは
燃え盛る炎と
白いローブを身にまとった男達だった