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第六話 少年時代1

 5歳を迎えた一神様の日以降、僕の世界は格段に広がっていった。

 なんせ、今までは種族の風習で母さまと一緒に家に引きこもっていたのである。

 母さまはとても可愛らしくなおかつ優しかったので、それはそれで楽しい日々ではあったのだが、やはり引きこもり生活というのは、なんとなく焦燥感が募って言って落ち着かないものだ。

 日本にいた頃は、アイドルプロデューサーになれなかったら引きこもりになると思ったこともあったが、この調子だったら耐えられなかったかもしれない。


 ということで、晴れて外出可能になったことで僕は色々なことをできるようになったのだ。


 まずは朝。

 かなりの朝早くには起こされて行動を開始することになる。

 ちなみに、この世界の暦は1年12か月で、1日の長さはほぼ同じだと思う。

 流石に時間の長さが全く同じか確認する術がないので断言はできないが、1日が24時間で同じだったことはちょっとした驚きである。

 世界が変わっても人間の考えることは大きく変わらないということなのか。

 それとも、同じような人類がいるような惑星は、いろんな条件も似通うのか。

 考察できたら色々わかるのかもしれないが、残念ながら僕程度の知識では、わかりやすくていいねというところで終了である。

 とはいえ、腕時計が普及しているわけではないので、うちの村のような農村では秒単位どころか、時間単位で動いている人すらほぼいない。

 村の人たちが何を基準にしているかというと、教会で鳴らしている、0時・6時・正午・15時・18時の鐘が主な区切りだ。

 ちなみに鐘を鳴らしているのは父さまか母さまが、何を見て鳴らしているかというと、村唯一の大きな機械時計が教会内にあるのである。

 この時計は魔道具であり、定期的にメンテナンスしているので時間がずれることもないそうな。

 便利なものである。


 そんなわけで、朝の6時に鐘を鳴らさないといけない我が家の仕事は、必然的に朝が早い。

 5歳までは、寝ることも仕事とばかりに惰眠を貪っていたのだが、世間では5歳からは家業のお手伝いをすることが普通らしいので、僕も容赦なく起こされることになってしまった。

 夜は9時ぐらいまでには寝ているので、睡眠不足ということはないが、やはりちょっとつらい。


 服装を整えて鐘を鳴らしに行く父さまを横目に、僕が朝から何をするかというと、教会の前の掃き掃除である。

 母さまは教会の飾るように植えられた花と、家の庭に植えられた家庭菜園の手入れをしているので、一人でお手伝いというわけだ。

 毎日掃除されており、また教会前にごみを捨てるような不信心者もいないので、落ち葉の増える季節でもなければそれほど気合い入れてやることもないのだが、5歳の子供にやらせる仕事量としてはこんなものだろう。


 6時の鐘が鳴り、一仕事終えた家族と簡単な朝食を済ませると、午前中は祈りの時間が主となる。

 母さまが一神様の日にも使っていたチアリュートという魔道具の楽器で演奏し、父さまが歌う。

 もちろん、手を組み、静かに祈るという時間もあるのだが、この世界の神様達は歌が大好きなのか、こうして毎日歌う時間が欠かせない。

 最初はうっとりとそれを聞くだけだった僕だが、最近はちょっとずつ、チアリュートなどの楽器や、歌の練習をするようにしている。

 前世では、せいぜい鍵盤ハーモニカとリコーダーくらいしたやったことはなく、楽器を演奏できるかどうか不安はあったのだが、プロ級にうまい母さまがマンツーマンで教えてくれることもあって、ちょっとずつではあるが上達を感じられる今日この頃だ。

 この調子ならば、いつか作曲もできるようになるだろうと静かに闘志を燃やす僕である。


 ちなみに、合間合間で村人が、懺悔や相談をしに訪ねてきており、父さまがその都度対応している。

 もっと他に相談する人がいないのかと思ってしまうが、意外にも村人には好評価で、こんな小さな村でも相談の順番待ちが発生したりすることもあるようだ。


「神父様おはようございます。あの、今日はお弁当作ってきたので食べてください♡」

「ありがとう、あなたの献身に神様もお喜びですよ」

「私、神父さまに喜んでもらいたいなー」

「私たち一家一同喜んでますよ。な、アンナ?」

「……つーん」

「ねえアンナさん?」


 このように村の若い娘がよく来るのは、決して仕事ぶりだけが評価されているのではないだろうが。

 母さまが不機嫌になるからほどほどにしてほしいものだ。

 まあ、おこぼれで僕もお菓子が貰えるから悪いことばかりではないのだけれども。

 ただし、たまに「お姉ちゃんって呼んでいいよ」だの「ねえ、お姉ちゃんのこと好き?」とか言ってくる女性には注意しないといけない。

 きっとあれは父さまの外堀を埋めにきているに違いないのだ。

 父さまが浮気をするようには見えないが、僕が原因で亀裂を作るわけにはいかないよね。



 正午の鐘が鳴り、昼食を済ませたところで、教会もより慌ただしくなっていく。

 窓の外に目を向けると、村の子供たちが教会に集まってくるのが見える。

 めんどくさそうにしている子もいれば、楽しそうな子もいる。

 教会の一室に入ってきて、机を並べて座る子供たちを見ると、前世のことを思い出して、懐かしく感じてしまう。

 そう、うちの教会は、昼からは村の子供たちの学校になるのだった。


 まず、聞いたところによると、この世界で全国統一的な義務教育というものは行われていない。

 大きな街では、都市や貴族が運営する学校があったりするが、基本的には裕福な子供が行く場所らしい。

 他には軍人や技術者を育てる学校もあり、お金がなくても入れることもあるらしいが、それだって推薦を貰えるような、そこそこ優秀な子供に限定され、誰もが自由に通えるものではないのだ。

 では、小規模な村や町の教育システムがどうなっているのか?

 こう父さまに尋ねたところ、大きく分けて3つあると教えてもらった。


 一つ目は一番メジャーな方法。

 就きたい職業のところに弟子入りするというもの。

 親の職業をそのまま継ぐことが多いので、家の手伝いをするのもそれに含まれる。

 まあ、現代日本人の考える教育とは少々違う気もするが、将来のために必要な知識を身に着けるという点では教育なのだろう。

 前述のとおり、この世界ではおおむね5歳から手伝いを始めるので、成人扱いとなる15歳になるころには、キャリア10年になると思えば立派だと思える。

 ただし、職業選択の自由を狭めているなと思うのは、前世の感覚を引っ張りすぎだろうか。


 二つ目は家庭教師を雇うというもの。

 家庭教師と聞くと、お金がかかりそうなイメージで、お金持ちしか雇わないのではと思ったのだが、家庭教師の種類やレベルで値段はピンキリらしいので、一概に高いものではないのだそうだ。

 王族の家庭教師をやるようなものもいれば、村を回りながら細々と字を教えて糊口をしのぐ者もいるらしい。

 家庭教師が一か所に定住して私塾を開くパターンもあるそうだ。


 そして三つ目が、うちのような教会で行うというものだ。

 寺子屋ならぬ教会子屋というべきか。いや、普通に教会学校というものが地球にもあったか。

 ともかく、この世界では信徒への教典の読み聞かせや、孤児院での教育が発展し、今のような形になったらしい。

 教義や経典を広げるためにも、教育は欠かせない教会のことだ。子供にそういったことを教える機能ができるというのは必然のことなのだろう。


 ということで、うちの村では父さまが子供を集め、学校を開いているというわけだ。

 教会によっては、読み書きを教えるだけというところもあるが、うちの父さまは、算数・社会・理科まで教えているのだからたいしたものだ。

 子供たちも自分の家の仕事があるので、週5で通うというわけにもいかないが、おかげで単純な計算や読み書きができる子どもは多い。

 中世風な世界観に反し、うちの村はそこそこの教育水準ではないかと思う。


 そういえばうちの父さまは妙に博識で、植物を使った薬のことなどについては、村の猟師や警備の兵士が聞きに来たりするけど、一体どこで覚えたのだろうか。

 うちの村は人族-前世でいう人間と見た目は同じ-が大多数を占めていると聞いてはいたが、今のところうちの家族以外で人族以外の種族を見たことがない。

 誰もなにも言わないのでなんとなく聞けずにいるが、何か事情でもあるのだろうか。

 それで悩みが増えるのも嫌だから、あえて知りたいとも思わないけど。


 それはともかく、当然ながら僕もこの教会学校に通うことになったわけだが、子供に対するお勉強程度、高校までは悪くない成績で卒業した僕にとっては楽勝かと思いきや、意外と苦戦していたりする。

 これは、教えるレベルとしては小学校から中学校程度なのだが、前世の知識や常識が通用しないことや、むしろ足を引っ張ることもあることが原因だ。

 体は子供になっているおかげで物覚えはいい気がするのだが、新しいことを覚えるのに、異世界チートもへったくれもないということだ。

 一応は優秀な子と言われる程度には、どの教科もこなしているのだが、多くの教科でもっとすごい子がいるのだから、中身が最年長の身としては複雑である。


 例えば、一番楽勝かと思っていた算数でも、そろばんの使い方で、商人の子供に負けてしまう。

 そろばんなんてなくても計算機使えばいいじゃんと前世では思っていたが、こんなところで返ってくるのだから、人生何があるかわからない。

 今は人じゃなくてエルフとホビットのハーフだけど。


 とはいえ、難しいとはいっても、学校で学ぶことを苦に思っているわけではない。

 地歴公民では聞きなれない単語も多くて、暗記には苦労しているのだが、現実になったファンタジー世界のことを学ぶのにも役に立つのだから、素直に楽しいと思えるのだ。


「では、この世界で最も教団の規模が大きく、我が教会の主神である天空神様の御名は覚えていますか? では、ミューハルト」


 うららかな午後、父さまの美声が教室に響く。

 公私混同しないという我が家の方針で、神父モードの丁寧口調な父さまは、僕のことをミューハルトと呼ぶようにしている。

 ただし、質問を僕に当てる回数が明らかに多く、公私の境はかなりあやふやになっているように思える。

 それに、僕は父さまのことを神父様とは呼ばないし、呼ぶように言われたこともない。


 今は社会の授業。社会といいつつも、神様の力が現実になっているこの世界では、神話もこの授業に含まれるのは面白いところだ。


「天空神オーム・アルファ・ベールベール・スターライト様です」

「正解です」


 神様には、肩書としての○○神という呼び名と、本名ともいえる御名があり、この御名が長い。

 特に覚える必要もないように思うのだが、神父の息子としてはそういうわけにもいかず、せっせと暗記しているところだ。


「天空神様は一神様が産み出した神々の中でも、最初の一人と言われていて、この大空全てを司っています」


 一神様がこの世界を去る前に産み出した神々の中でも最初の7人という括りがあり、その中の一人が天空神様らしい。

 まあ天空という大きなものを司って、なおかつ最初の一人ともなれば、それは最大派閥ともなるだろう。


「天空教が最大派閥な理由はそれだけではないです。その恩恵たるアパスルライツも私たちの生活に重要なものだからなのです」


 父さまの言葉に首をかしげる。

 アパスルライツっていうと、神様に歌を捧げると心穏やかになるやつだっけ?

 確かに落ち着くのは大事だけど、そこまで重要だろうか。

 そんな僕の表情を読み取ったのか、父さまは詳しく説明してくれた。


「天空神様の御力は、不変の大空と同じように調和をもたらします。その力の一つには、結界を張ることなどができるのですよ」

「心穏やかになることじゃないの?」

「それは『はじまりの日』のアパスルライツです。天空神様の真の御力はそれだけではないのですよ」


 父さまはそう言いながら黒板にガリガリとチョークを使って文字を書き連ねる。

 黒板やチョークの色合いが違っていたり、黒板消しがただのボロきれだったりという違いもあるが、ここでも前世と似通ったアイテムが流通している。


「そもそもアパスルライツとは我々と神々の契約全般を指します。神様によって与えられる恩恵の系統は異なりますし、また同じ神様であっても、捧げる歌によって、与えられる恩寵は異なるのです」


 心穏やかになることだけが、アパスルライツという魔法みたいなものでできることだと思っていたが、それは早とちりだったらしい。

 天空神様の調和という系統が、どこまでできるのかはわからないが、一度は失いかけた興味が一気に復活していく。

 だって結界なんてすごいじゃないか。それがあれば、危険な外の世界でも最低限身を守ることができるのだから。

 そう思った僕は、父さまに期待を込めた声で言った。


「結界ってすごいね! 悪い魔物とか来ても跳ね返しちゃうの?」

「そこまで強力なものではないですよ。村の周りに綱を張っていて、魔物や野生動物はその中に入りたくないなと思わせる程度です」


 父さまは部屋の小窓の外を指しながら言った。

 そう言われてみれば村の周りには、ごくごく普通の腰の高さほどの柵しか設置されていないことを思い出した。

 どおりで大した防壁もない村なのに野生動物が入ってこないはずだ。

 思ったほど強力ではないけど、まあ役には立ちそうだよね。


「そして、アパスルライツで結ばれた契約に従い、その神の信者が歌などを捧げることをアルスミサといいます。そして神様はそのアルスミサの出来栄えを見ながら、アパスルライツで定めた内容に従い奇跡を起こしてくれるのですよ」


 ふーん。

 アルスミサ=呪文。アパスルライツ=呪文の効果。

 みたいな理解でいいのかな。


 ちなみに動物と魔物の違いは、エクストラを使えるかどうかの違いらしいが、その考えだと、ヒトやエルフも一応エクストラを使えるから魔物寄りになるのかと思ったけど、そこはまた別なのだと。知性がある種は魔物と区別されるようだ。

 ただし、ここら辺では見ないが、獣人・鬼人・魔人とか呼ばれる種族だったりすると、知性があるにも関わらず、場所によっては魔物扱いされることもあるとのこと。

 悲しいことに、どこの世界でも差別というものはあるのだ。


 ともあれ、天空教の神父である父さまはいつのまにか村を守る結界を張る仕事をしていたのか。

 大したことがないと思っていたアパスルライツだけど、これは期待が持てそうだ。

 すると父さまは全く知らなかった僕の様子に苦笑しつつ、


「毎日午前中にアルスミサはしていたのですけどね」


 とつぶやいた。

 言われてみれば、午前中の祈りの時間は母さまと父さまは毎日歌っていたことを思い出した。

 ということは一緒に歌っていた僕もいつの間にかアルスミサを使っていたのかな?


「ああ、いや。お手伝いにはなっていたけど、アルスミサは、正式に神父かシスターにならないと使えないのです。ミューハルトは成人する15歳まではお預けですね」


 なるほど。いつの間にか魔法を使っているという話はさすがになかったか。

 でも15歳になれば使えるなら……。

 でもそれだと、僕は神父になることになってしまう。僕にはアイドルプロデューサーの夢があるんだけど。

 そんな悩みで頭をぐるぐるさせていると、父さまは「ただし」と説明を続ける。


「ここは天空教の教会であり、私は天空教の神父ですが、皆さんは天空神だけ信仰しなさいというつもりはありません。この世界は、多くの神々によって支えられているのです。そのことをよく勉強して、日々感謝をしましょう」


 そう言ってほほ笑む父さま。

 教会なんて言うと一神教の某キリスト教を連想するけど、この世界では多神教がごく当然に受け入れられているんだなとうなずく僕。

 精神が未だに日本人な僕としては特に違和感はないからそこらへんは問題ない。

 神父ともなると扱いは変わってくるんだろうけど。


 僕は教科書代わりに使っている経典のページをめくる。

 雨神、夢神、縁神、知恵神、軍神、結婚神、犬神、川神、海神、酒神、旅神、馬車守神、商売神等々…

 そこにはたくさんの神様の名前が並んでいた。

 この神様達それぞれに信者がいて、その信仰とアルスミサでこの世界が成り立っているということが色々な説話から読み取れる。

 説話の中には信者がいなくなり、力を失った神様の話もあるから、今名前が残っている神は信者が一定数いるのだろう。


「アルスミサによって与えられる恩寵は神様によって様々ですが、それで神様の格に上下があるわけではありません。私たちの信仰が神様たちの御力になるのですよ」


 父さまの説明では神様の格に上下はないと言っているけど、世界でもかなり大きい宗派である天空教は、信仰も多いから影響も大きかったりするんだろうな。

 信仰の少ない神様が必要ないわけではないだろうけど。

 でも、本当に覚える気が起きないくらい神様の名前が多な。

 この糞尿神とか誰が信仰しているのだろうか……。

 低学年くらいの子供たちには人気なのかな?

 これだけいたら人知れず消えそうな神様もいそうなものだけど。


「いなくなった神様というのはいますね。歴史の中には、悪い考えで人々を扇動し、世界を征服しようとした神様の話もあり、そういった神様は他の神様の怒りを買って、最終的には信者を失って、その神の座を剥奪されたそうです」

「その神の座を剥奪された神様はどうなったの?」

「さあね。でも、神様の力をお借りするというアパスルライツの力はそれだけ強大なのです。私たちもその力を正しく使う義務があるということですよ」


 そう締めくくる父さま。

 大いなる力には大いなる責任が伴うってやつだっけ?

 異世界に来たからには、それくらいの力を持ちたいけど、そんな日が来るのかな?

 少なくとも今の生活にそんな義務が発生する気はしないんだけど。


 僕がそんなことに思いを馳せていると、他の子供たちが、「他の神様は何をしてくれるの?」と父さまに尋ねた。

 たしかに他のアルスミサにどんなものがあるかは、僕も気になる。

 例え神様の格に上下はないといっても、それはそれ。

 色んな魔法に興味が出てしまうのは男の子として仕方ない。

 もっとも、派手で強そうな神様の力があるのなら、その信者になりたいという欲望が出そうだから、そこは注意が必要だろうが。


「そうだね。例えば農業神のところの楽団のみなさんは街を巡りながら、地力を回復させるアルスミサを行ったりするね」

「ちょっと前に宴会しに来た人たちのこと?」

「宴会……。まあ、そうだね」


 子供の反応に父さまは笑いながら答えた。

 僕は、つい最近まで引きこもってた身なので記憶にないが、外からカントリー調の音楽とたくさんの歌声が聞こえてきて、賑やかだった日があったような気がする。

 恐らく宴会というのがアルスミサだったのだろう。

 僕は農業に詳しくないので、この村の農業がどうなのかといったことを判断はできないが、少なくとも飢饉にあっている様子もないのは、こういった生活に密着した恩寵があってこそなのかもしれない。

 この世界の野菜ってすごいおいしいんだよね。

 僕の味覚も変わっているだろうし、基本無農薬かつ旬の野菜が取れたて直送という環境なので、一概に前世のものとは比較できないが、決して日本国産野菜に劣るものではないと思う。

 そうか。信仰する神によっては、旅をしながら活動するものもあるんだな。

 僕も天空教の神父になっても旅とか出ていいのかな。

 いや、この父さまじゃ無理だろうなあ。


 そんな風に将来のことに頭を悩ませつつも、僕の日常は過ぎていくのだった。


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