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第十四話 クマーな友達

 楽団の皆さんが無事に村に到着した日の晩。

 僕は忙しく村の集会所の中を駆け回っていた。

 僕は集会所の中にある厨房に駆け込むと、そこでせわしなく料理を作っている女性に声をかけた。


「おばちゃん! お酒追加お願いします!」

「またかい!? あの人たちどれだけ飲むんだい! きちんとアルスミサできるんだろうね!」

「なんかドワーフの人がいるらしくて、その人がガンガン飲んでるんです!」

「ああもう! 酒屋に声かけてくるから料理出して時間稼いどいて! あと、ミューちゃんがお酌してペースを握るのもありよ!」


 おばちゃんはそう言い残すと、肩で風をきりながら厨房から出て行った。

 おばちゃんはボーイのお母さんなんだけど、酪農家の肝っ玉母さんらしいどっしりとした体形と性格で、僕のことも昔から可愛がってくれる。

 まだ30も半ばぐらいの女性をおばちゃん呼ばわりするのは、僕の中の魂年齢的には少し申し訳なく思ってしまうけど、昔からの付き合いなので、おばちゃん自信は気にした様子もない。

 いつもどっしりと構えていて非常に頼りになる人なのだが、流石にこの宴会の厨房では落ち着いていられないようだ。


 楽団が来た初日の夜は予定通りにもてなしの宴会が始まった。

 村の集会所が会場となっており、村の男衆と楽団の皆さんは料理と酒をおおいに楽しんでいる。

 興が乗った楽団の人たちは楽器をかき鳴らし、テンポのよいカントリーミュージック調の曲が流れ、村の人たちも普段聞かない音楽に酔いしれているようだ。

 次第に場は混沌と盛り上がり、集会所の方々で、笑い声、怒号、嬌声、そして笑い声が聞こえてくる。

 盛り上がるのは結構だけど、そんな宴会を支えているのは村の女子供だ。

 女たちはまず料理。集会所の中に作られた厨房では、大きな鍋でスープや煮物が作られている。

 集会所の外では、次々と肉が焼かれており、香辛料と肉の脂がブレンドされたいい匂いが中まで漂ってきている。

 子供たちはお皿に盛りつけたり、宴会場に運び込んだりとお手伝いに忙しい。

 各々入れ替わりで宴会に顔を出して料理をつまんでいるけど、楽団と男衆が遠慮なく料理と酒を消費するせいでなかなか休まる暇がない。


「お酌ねえ……」


 僕は追加の酒だるを転がしながら、さっきおばちゃんが言った言葉を反芻する。

 この世界では、日本のように普通にお酌をする習慣はない。

 親愛や友情を示す意味で互いにお酒を注ぎ合うという場面はあるが、基本的に初対面でお酌するというマナーは存在しないのだ。

 とはいいつつも、美人にお酒を注いでもらうと野郎どもは喜ぶわけで、来客に対し、もてなしとして美女がお酒を注ぐことはある。

 僕としては、前世の仕事での暴虐の限りを尽くされた飲み会を思い出すのであまり楽しい仕事ではないのだが。それによく考えると僕がお酌するっておかしくない?

 会場をのぞいてみると、楽団の団長がうちの母さまにお酌させようとする姿が目に入った。


(人の母親になんてことを! なんとかしないと!)


 とか思っていると、すかさず父さまがニコニコしながらその手を払い、並々と料理皿に注いだ酒を団長に渡している。

 団長はそれを飲み干すと、その皿にお酒を注ぎ返盃する。

 父さまはそれを受け取りぐっと飲み干す。

 父さまも団長も二人とも笑顔だけど目が笑ってない。

 次々と消費されるお酒の量に、見ているこっちが気分が悪くなりそうだ。

 あの二人はドワーフじゃないよね?

 一体どういう肝臓をしているんだろうか。

 ともあれ、母さまに伸びる不埒な手がなくなったので、僕は母さまに近づいて行った。


「あら、ミュー。お酒持ってきてくれたのね。ありがとう」

「母さま。大丈夫? からまれそうになっていたみたいだけど」

「レミアヒムが守ってくれているから大丈夫よ。私みたいな子持ちのおばさんにお酌させても楽しくはないでしょうにねえ」

「いや、見た目だけなら逆方向の意味で問題がある気がするけど……」


 おっとりと頬に手を当てる中学生くらいにしか見えない母さまの姿に僕は嘆息した。

 これでお酌していたら援助交際みたいにしか見えないだろう。

 あの団長はロリコンなのだろうか?


「もうそろそろミューは帰ってもいいわよ。もう夜も遅くなってきたし、明日も仕事があるんだから」

「ん。わかった。母さまもほどほどにね」

「それはレミアヒムに言うべき言葉ね」


 母さまはそう言うと、会場に戻っていく。

 色々気がかりではあるけど、お酒も料理もそんなに楽しめない身としては早々に立ち去る方がいいだろう。

 変なのに絡まれる前に僕は退散することにした。


 家に戻る前に僕は教会に入る。

 まだ楽団の皆さんは全員が集会所で宴会中なので、この場には僕しかいない。

 さっきの宴会場は僕には決して楽しいものではなかったけど、会場から聞こえてくるカントリーミュージックっぽい音楽はよかった。

 世界が違うから本当はカントリーという分類自体がないんだろうけど、ヨーデルっぽい曲調とバンジョーっぽい音の楽器があればそう聞こえるのだ。

 久しぶりに教会で演奏する賛美歌っぽい音楽以外を聞いたから、いい気分転換になった。


「久しぶりに天空教の讃美歌以外も演奏してみようかな。今なら誰も聞いていないし」


 僕はそう言いながら真っ暗で静かな礼拝室に入ると、そっとチアリュートを起動させる。

 チアリュートを動かすための魔石もお金がかかるので、普段なら真面目に天空神様の賛美歌を演奏するだけなんだけど、今日くらいはちょっと好きに演奏してもいいだろう。


「例えば……、うん、あの曲とかいいかな」


 そう呟きながら奏でたのは、懐かしい、今となっては二度と聞くこともないアニメのオープニング曲。

 普段はやらないハイテンポの曲調だ。

 あのアイドルアニメ、面白かったなー。

 あのアニメもアイドルプロデューサーになりたいって思った原因の一つだったような気がする。

 まあ、あのアニメのプロデューサーがやっていることって、プロデューサーとマネージャーとごちゃまぜになっていた気がするけど。

 アイドルアニメじゃよくあることだ。

 そんなことをつらつら思いつつ、メドレーの様相を呈してきた僕の演奏は、ふと、外で何かが動く音がしたことでピタリと止めることになる。


「今、扉の向こうで何か聞こえたような……」


 振り向くと、ぴたりと閉じていたはずの扉が少し開いていて、月明かりが部屋に差し込んできている。

 閉めたはずだけど……。

 そう思いながら、そっと扉に近づいて手をかけて、外を覗こうとした途端。


「きゃっ!」

「わわっ!」


 扉に寄りかかっていたのか、小さな人影が教会に転がり込んできたのだった。

 思いの外かわいい声だったが、その姿を認識した途端、体が固まってしまう。

 目深にかぶったフードに小さな体躯。それは団長が言っていた魔族……じゃなかった、ジュウジン(?)と思われる姿だった。

 差別はよくないと言いつつも、こうして向かい合うと固まってしまうんだから我ながら情けない限りとは思う。

 でも、ここには自分たち以外いないのだ。もし、襲われたら……。


「えっと……その……」

「ごめんなさい!」


 その人物は、僕が口ごもっていると、ぺこりと頭を下げた。

 今、謝られた? 僕は首を傾げつつ聞き返す。


「えっ? 何が?」

「素敵な音が聞こえてくると思って外から聞いていたんだけど、邪魔しちゃったみたいでごめんなさい! 私、音楽好きで。あ、そもそも聞いてたらダメ?」


 その子の慌てて話す様子にようやく謝ってた理由が判明した。

 僕は首を振りながら答える。


「別に聞いててもいいし、邪魔というわけではないよ」

「よかったぁ」


 その子は安心したような声で胸を撫で下ろした。

 とても人を頭から齧るような悪い子じゃないようでよかったと、僕も胸を撫で下ろす。

 そんなお互いの様子に気づくと、僕とその子は笑い声をあげるのだった。

 よかった。少なくとも意思疎通も難しい凶暴な生き物という訳じゃないようだ。

 笑い声が収まったところで、僕は自己紹介しておくことにする。


「僕はミューハルト・レミアヒム。知っているかもしれないけど、この村の教会の見習いをやってるんだ。君は?」

「あっ、えっと。私はココ・ウナーっていうの。じゃなくて、いいます。楽団の……お手伝いみたいな感じ、です」

「いや、そんなにかしこまらなくていいよ。年もそんなに変わらないと思うし」

「? 私14歳だよ?」

「じゃあ同い年だね」

「えーっ!? そうなの?」


 そんなに驚かなくても。

 いや、身長でいったら僕の方が頭一つくらい小さいから驚く理由はわからなくもないけど、いつものこととはいえちょっと傷つく。

 フードの奥からチラチラ覗く瞳が、こちらをまじまじと見つめてきて、僕はなんとなく居心地の悪さを感じる。

 フードのせいでいまいち表情が分からないせいかもしれない。

 そう思った僕は、なんとはなしにココさんに言った。


「ねえ、そのフードとってみてくれない?」

「えぅ……。でも、私の顔を見たら怖がらせるかもしれないし……」

「ココさんはヒト族じゃないんだっけ?」

「えぅ!? なんでそれを?」

「君のところの団長さんに聞いてね。まあ、僕もヒト族じゃないし」


 そう言いながら自分の尖った耳を指差す。

 僕は自分がヒト族じゃないから勝手に親近感を覚えていたけど、どうやらココさんの方はそうでもない様子。

 顔を見せることに躊躇しているようだが、僕は更なる説得を試みることにする。

 なんせ僕の家族と魔道具に続く、数少ない異世界要素に会えたかもしれないのだ。

 ジュウジンというのがどういったものか知らないけど、獣人でも銃人でも柔人でもなんでもいいから見てみたいという好奇心が止められない。


「音楽が好きだったらもっと聞かせてあげるからさ! ね? いいでしょ? 肌が紫色だったり、顔がヘビだったり、顔面リボルバーだったり、あるいはスライム状だったりしても嫌いにならないから」

「そ、そんなんじゃないもん!」


 ココさんは僕の言葉のどこが気に触ったのか、慌てたようにしてフードをとる。


「おお……」


 僕の口から思わず感嘆の声が漏れる。

 フードの奥から出てきたもの、それはかわいらしい女の子の顔だった。

 肌は滑らかなチョコレート色で、ムラのない艶とハリがある。

 くりくりとした黒目がちな瞳は、その心情を反映して見開かれており、大きくて吸い込まれそうだ。

 髪の毛は灰色がかっているが、どうもそれは汚れのせいらしく、ぼさぼさと手入れがされていないようなのが少し残念か。

 そして、その髪の中から生えているのは、髪と同色の丸っこいケモノ耳。

 うん、これは……!


「なーんだ。オーソドックスなケモノ耳じゃん」

「えぅ!? 怖がらないの? 魔物や動物と同じような耳が生えてるんだよ?」

「うーん。驚かないのって言われても、普通に可愛いだけだし」

「かわいい?」


 するとココさんは恥ずかしがっているのか、顔を押さえて身もだえするではないか。

 まあ、あれだけ常にフードをかぶっていたら、かわいいもかわいくないも分かる人はいないだろう。

 ケモノ耳ということは異世界っぽくていいのだが、ハードルを上げすぎたせいかそこまでリアクションがとれなかったな。

 オタク趣味をしていると、ケモ耳なんて普通だし。

 手足は普通の人間と大差ないし、ケモナーじゃなくったってこんなの許容範囲内だ。

 感覚的には僕みたいなエルフ耳と大差ないと言ってもいい。

 これが魔族なんて、そりゃ差別用語というか単なる事実誤認だろう。

 ココさん安心させるためにも正直な気持ちを口にする。


「なんというか、期待外れ?」

「そ、そんなこと言われたの初めて……」


 差別発言はしていないのに、なぜかショックを受けたような表情のココさん。

 身もだえしたり驚いたりと表情の変化が目まぐるしい限りだ。

 こうやって見る限りはやっぱり獣耳が生えた普通の女の子にしか見えない。

 ココさんは肩を落としてポツリと言う。


「これでも、魔族とか言われることもあるのに……」

「魔族なんて言うから、肌が紫色で髪は蛇で目からは怪光線を放つくらいするもんだと思ってたけど」

「なにその恐ろしい生物!?」

「エクストラあるんだったら、それくらいできないの?」

「そんな恐ろしいエクストラ持ってないよ!」


 その言葉と共に、ココさんのむき出しになっている手足に変化が現れ出す。

 すべすべの手足から白い毛が生えてきたかと思うと、みるみるうちに褐色の肌が覆われていき、まばたきする間には、その手足は獣のものへと変貌を遂げていた。

 年齢相応の細さだった手足は、それぞれが僕のウエスト程の太さになり、その先には鋭い爪が顔を覗かせている。

 そして変化が終わってみると、ココさんの肘と膝から先の手足は立派な熊っぽいものへと変わり、毛もレベルが1程上昇した姿になった。

 胴体や顔がそのままなので手足だけ太くなってアンバランスではあるが、モコモコしていてかわいいと思うし、ケモナーじゃなくても許容範囲内かな。

 僕はその手足を眺めながらココさんに質問する。


「ほうほう。これってどんな効果があるの?」

「力がもっと出せるようになる。……って、これでも冷静なんだ」

「ココさんは僕を怖がらせたいの?」

「そ、そんなことないよ!? あれ、そういえばなんで私エクストラ使っているんだろう?普段は皆に怖がられるから使わないのに……」


 ココさんは自分の行動に不思議そうにしており、自分の手足をしげしげと眺めている。

 白い獣となった手をにぎにぎとしている。その手のひらには黒い肉球がぽつぽつと並んでいる。肉球……にくきゅー……。


「いやーかわいいと思うよ」

「えぅ。またかわいいって……、ってわっ!」


 僕はついふらふらとココさんの手を、驚いているのもお構いなしに握りしめる

 肉球を触ったり手のひらを合わせたり、あと肉球を触ったり。

 ふむふむ。大きい手のひら。そして、肉球はちょっとザラザラしているかな?

 するとココさんは慌てたようにふり払ってしまった。

 物珍しさでべたべた触ってしまったけど、女の子の手を無遠慮に触ったら失礼だったね。反省反省。


「そうじゃなくて! 私が本気で握りしめたら普通の人の手なんて砕けちゃうんだよ!?」

「本気で握りつぶすの?」

「しないけど」

「じゃあ問題ないじゃん。自慢じゃないけど、普通の大人の人にでも本気で握りしめられたら僕の手は砕けると思うよ」


 まもなく成人男子となるとは思えないサイズの手をグーパーしながら笑いかけると、ココさんはうっと息をついた。

 若干情けない言い草ではあると思うが、これで警戒を解いてくれるなら安いものだ。


「それにしても、ココさんの手って熊みたいだね」

「私、獣人のなかでも白熊族っていう種族なんだ」

「へー白熊か」


 確かにあの大きな荷物を持ち上げているパワーはすごかったな。

 あ、いや。でもあの時の手足は普通だったから、あの時よりも力が出せるってことか。

 それはすごい。

 そんなに大きくないのに、大人並みの力があるってことか。

 しかし、白熊ねえ。

 こっちの世界も森に熊はいるらしいから、白熊がいてもおかしくはないのかな。

 でも獣人とはいえ白熊ってこんなところにいるようなものなのかな。


「ココさんってどうして農業神の楽団のところにいるの?」


 僕のそんな疑問に、ココさんは表情をさっと陰らせた。

 余計なことを聞きすぎたか。

 そう思い慌てて質問を取り消そうと思ったが、ココさんは強がっているっぽくはあるが笑顔を作って答えてくれた。


「よく覚えていないんだけど、私産まれてすぐに捨てられていたらしくて。それで、農業神様の楽団に引き取られたんだ。でも、私歌とか好きだし、今の暮らしも気に入ってるんだよ」


 やっぱりヘビーな話だった。

 僕は何と言っていいかわからず、慌てて話題を変えることにした。


「ココさんも歌を歌うの?」

「ううん。私は獣人だからアルスミサはできないって言われて。でも、聞くだけでも楽しいし。それにこの楽団はあちこち移動するから、そのうち私の故郷に行くこともあるかもしれないし」


 ココさんはそう言うが、団長の態度を見る限りあまり仲間と思われていないような気がする。完全な雑用扱いだろう。そして、それはこの先、変わることはない気がする。

 ううっ。なんて健気な。そんな言葉を寂しい表情で言われたら、男としては黙ってられないじゃないか。


「じゃあさ。僕と友達になろうよ。この村にいる間は、色んな歌を聞かせてあげるからさ」

「えぅ!? 友達? 私と?」

「嫌だったら無理にとは――」

「ううん、嫌じゃないよ! 友達になる!」

「よかった。じゃあ握手」


 そう言いながら僕は、ココさんのクマ-な手をぎゅっと握りしめた。

 まあ握手したのはもう一回肉球に触りたいという思いはあったのだけれど。

 その途端、ココさんの手はビクッと震えたが、恐る恐るといった様子で軽く握り返してくる。

 僕はそれを元気よく上下に振ってやった。

 キョトンとしていたココさんは、次第にその表情をキラキラと輝かせていく。

 僕はそんな表情を見て、この表情を見れただけでも友達になってよかったと思うのだった。

 時には強引さも大事。そうだよね、ハル?

 ちょっと昔を懐かしんでしまいながらも、僕は新しい友達ができたことを素直に喜ぶのだった。


「じゃあ改めてよろくしね。ココさん」

「う、うん! よろしく、ミュ、ミュー……えっと、フルネームなんだっけ?」

「ミューハルトだけどミューでいいよ。仲のいい人はそう呼ぶし」

「じゃ、じゃあ私もココでいいよ!」

「わかったよ。ココ」

「うん! えへへ」


 そして、その後は眠くなるまで僕はチアリュートを弾き続け、ココはうっとりとそれを聞き続けた。

 差し込む月明かりは優しく僕らを照らし続け、チアリュートの鍵盤の光は幻想的に礼拝室を浮かび上がらせる。


『素質、ありじゃ』


 どこからともなくそんな小さな呟きが漏れてきたが、優しくも荘厳な賛美歌の音にかき消され、その声に気付くものはその場にはいなかった


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