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9ページ 共闘

2018/8/3 ルビ振りミスを修正。

辺りには、暗く夜にそれを引き裂く月明り、そして静寂。

しかし、ある一点の場所だけがその限りではなかった。

ガキン!と金属の音が響きわたる中、二人の少女が戦っていた。

一人は黒い長髪の髪を流し浴衣をたなびかせながら、踊るように日本刀で猛攻を防御しさばいている、もう一人の青髪の少女は微笑みながら2mほどの槍を、突きや薙ぎ払いを巧みに使い振り回している。

「くっ」

ステップを踏み黒髪をたなびかせながら相手と距離を取った。

しかし視線を凝らすと浴衣はボロボロで腕や足には生傷が絶えず、腹部には槍が貫通している。

出血しすぎたのか立ちくらみをした瞬間、相手が突き上げ日本刀が上に反らされてしまった。

やばい。そう思い何とかもとに戻そうとしたが、身体がうまく動かない。

「がぁっっっ!?」

バカンと鳩尾に回し蹴りを叩きこまれ吹き飛ばされてしまった。

「ぐぅ」

チカチカと視界がぼやける中奴がこちらに迫ってくるのがわかり、体を動かそうとするが。

「ぐぅぁ」

数センチ動かしただけでも激痛が走り回る。

「さて寝ようか」

「ぐっ、ぐわぁぁぁあぁああッ!」

っ動け動けぇ!10cmでもいい、槍を回避しなければ。

しかし勇の意思に反して体は動く事は出来なかった。

そのまま槍は振り下ろされ肉を断ち切った。

はずだった。

「え?なっ!」

強撃の衝撃が来ない事に驚いたのではない。

目を瞑るなど馬鹿がやることだ。

そんな事より割って入り防いだ人間が異常だったのだ。

そして奴は防いだ力を利用してナイフで相手を弾き飛ばした。

そして………ゆっくりこちらに振り向いた。

「おしさしぶり」

月明りが照らしたのは昨日、俺を殺そうとした殺人鬼であった。


「んな!ぐぅ」

奴と分かった瞬間起き上がろうとしたが力が入らない。

「これは………切り傷8、打撲16、骨折3、槍1本、重症じゃない」

優しく語りながら歩みよってくる。

「………なんの……つもりぃ………?」

流れ出る血を拭い取りながら、刺さった槍に手を当て。

「行くよ。歯を食い芝って」

「っ!!?!?があああぁぁぁあ!」

突き刺さった槍を引き抜くと、噴水の用に雫が飛び散った。

衝撃での激痛でチカリと視界が瞬いた瞬間、優しく暖かい風が包み込んだ。

すると瞬く間に俺の体の痛みが僅かずつ引いてきた。

「これは…一体?」

腹部を撫でるとヌメリと滑り手のひらが赤く染まるが、傷口は閉じていたのだ。

「くっ、あぐ」

俺は直ぐに体制を立て直そうと力を入れるが、まだ痛みによるストップが効いているようだった。

「じっとしていた方がいいよ。大丈夫だよ傷はしばらくすると再生するから」

「え?………どうして回復魔法(これ)を?」

動こうとする時の問に疑問を感じたのだ。

何故俺を回復させたのか?

昨日の(やり)()いをしたのに?

「なにを…求めてる?」

相手は何かを求めているのが妥当。

人は無償で助けない。

何かしらの価値があるから行動するのだ。

例えば募金、お金をあげるのも自分の高揚心と言う、いいこぶりを演じるためにしたに過ぎない。

救いには対価が必要だと思うのは、俺の持論だ。

「まぁ案内してくれた借りをかえしただけだよ」

何を言っているのだろうか?理解する間もなく奴は地を駆けていった。

「………」

『今は自己再生ちりょうを優先しよ。このままだと邪魔になるだけ。今は奴の事を信じましょう』

………あぁルナに言われなくてもわかっている。

俺は少しでも動くようになった足を使い、コンクリートで出来た遊具に身を潜めた。

此処ならちょっとした厚さがあるし、視線を遮れるからと言う理由わけだ。

身を隠し耳を澄ませると金属音が響いて来た。

その音に導かれるように視線をむけた。


「………君は教会か………なぜこんなところに」

「貴女は研究所所属か、なぜ?」

勇が撤退した後こちらは膠着状態に陥っていた。

双方が武器エモノを構え、油断なく間合いを見計らっていた。

槍先を向けながら「この狂信者が、何様だ」と叫んだ。

「狂信者?それはお互い様では?」

黙れ!と姿勢を低くしながら突撃姿勢をとった。

対話は不可能か………そう思いながらレッグホルスターから肉厚のナイフを取り出した。

それは実用性を重視した不格好なナイフだったが、一つだけ緑玉エメラルドのようなものが付いていた。

それを逆手アンスピックグリップに持ち、同じように姿勢を低くした。

辺りは静寂に包まれ、空気が揺らぐことはない。

永久に続くかと思われたがその時、辺りに一陣の夜風が吹いた。

「ッ!」

一瞬の内に背後を取り、首の動脈どうみゃくにナイフを切りつけようとするが。

ガキンと感高い音を響かせながら弾かれた。

「魔力障壁!?けど魔力を乗せた攻撃では欠き斬れるはずなのに」

「いきなり視界しょうめんから消えたら、後ろに魔力で強化して貼る、でしょ!」

槍の横凪ぎを避け、今度は右側面へと斬撃を放つが槍で弾かれる。

弾かれた勢いを利用し、腕を切断しようと切り上げるが半身を反らし回避し顎を狙った蹴りをナイフで防ぐ。

重音が響き足が浮き、マフラーがたなびかせながら姿勢を戻そうとすると。

「ウォーターバレット」

虚空から生み出された水弾すいだんが複数、飛来してくる。

それを一発一発ナイフで切りながらナイフで着地すると、脚力を使い再接近し。

「フィエタリテ!」

アーツを使った。

フィエタリテは相手に接近し腹部にナイフを突き刺し、貫通させるアーツ

アーツは有一つ契約主マスターが常時展開している魔力障壁を、《ほぼ無視し》ダメージを与えられる方法である。

開放中には常時バリアが張っていて、物理攻撃のダメージを軽減させる。最大まで篭めればアメリカ陸軍のM1装甲戦闘車両せんしゃが使用する、|劣化ウラン弾頭(M735A1)を防ぐことが可能である。(無論、人によって個人差はあるし、最大まで消費すると姿が維持できない、そして生命の危険があるためやる者はいない)

そのため基本的戦闘は技の出し合いとなる。

または防御力以上の負荷を与えて破壊する。このに2選択である。(解放時は身体能力が上昇しており、非強化状態ならば通常攻撃で破壊することが可能である。また急所の障壁は比較的もろいため最初に狙った)

それならさっさと、アーツバンバン使った方がよくね?と思うかもしれないが大打撃を与える事が出来るアーツにも弱点がある。

それは体内魔力マナ消費と再使用時間リキャストタイムである。

障壁を破るため体内のマナを使うわけであるが、使った量だけ身体能力が下がり、サイヤク解除されてしまうことがある。(魔力最大時は余った魔力を推進力に生かせる)

リキャストタイムはアーツを使用し、同一のアーツをもう一度発動可能なるまで再構築の時間であり、連打はできない。(アーツリキャストは短いもので10秒、長い場合、年単位必要である)

上記2つ(主に1つ目)の理由によってアーツは撃たないのである。

「うぉぉぉぉおおおお!」

ナイフに風が纏い一閃が加速する。

「だったらこうするね。獅子の咆哮」

槍がサファイヤ色に輝き。

「爆ぜなさい」

横凪ぎをし光を飛ばした。

避けられないを判断しフィエタリテで相殺をはかり突く。

閃光がきらめきそして。

「まだまだ!バックスラッシュ」

大きく飛び上がりながら体重を乗せ斬り下げた。

反射的にやりで防ぎ。

「ぐぅ」

槍とナイフが衝突し、衝撃を流し切れていないと判断し、魔力で筋力を強化し押し切った。

「がぁは」

相手は大きく吹き飛ばされ身体を地面に叩き付けながら壁に衝突していった。

壁から起き上がると。

「やるじゃない」

と一言。

ナイフを握りながら考える。

相手は獲物(武器)を出していないと。

契約時、契約者は武器を与えられる。

武器の形状、能力は十人十色だが共通して宝石のようなコアがあるという事。

そのコアが目視できないのは、本来のエモノをだしていないと考えるのが妥当。

警戒をより強くし構え直す。

「それじゃあウォーターバレット」

また虚空から水弾が放出される。

疑問に思いながらもナイフで落としながら間合いを詰めていく。

そして5mをきった瞬間。

「アイスコフィン!」

前方から巨大な氷針を避け一振りの射程に入った時。

槍を手に持つ少女が楽しそうに歪んだ。

「!?」

瞬時に障壁を強化したがとっさの判断だったため甘かったのだろう。

地面から無数の水針が襲い、いくつかは弾かれ、いくつかは肉体に穴を開けた。

両足から穴が開き赤い液体が、絶え間なく零れ落ち。腹部に直径5cmほどの奥の景色が見えるようになっている。

「はい、仕返し」

そのまま頭部を槍の峰部分でフルスイングした。

ピキと仮面の下部が壊れ地面に身体が叩きつけられた。

「なん……で」

半壊した仮面から聞こえた声はザビザビと加工した声だったが、それでも少女の声だと解るほどに効果をなくしていた。

「何で探知できなかった、かって?」

パッチンと指を鳴らすと水針が集まり人型を形成していく。

「魔女………」

そのとうりと言いながら、水色から肌色へと変わった少女の肩に腕を置いた。

「君たちで言う第二セカンド世代ジェネレーションだよ私は。だから武器は彼女なんだよ」

人型になった少女に視線を凝らす。

上下ビキニのような水着に、下には前だけ切り取られスカートに髪は流水のように流れている。

そして………胸元にはアクアマリンのような宝石が埋め込まれていた。

「降参したら?情報を喋れば、服食住満足にそろうけど」

その問いに無言で立ち上がり構える。

「そ、残念だ。一様死なないようにはするが、頑張ってくれ」

槍を水で作り出し、それをブン投げた。

槍が突き刺さるその未来が理解でき、回避できないものだとわかった。

誰かが介入しなければ。

水で出来た槍は見かけによらず、感高い音を出し弾かれていった。

「何寝ようとしてんだ?かっこよく出たのならそのままにしろって」

日本刀を振り切った状態で視線をずらすと、痛痛しい姿が目に入る。

「何で、逃げ」

「逃げても厄介ごとは自らやってくるんだなこれが。なら先につぶした方がいいだろ?しかし女の子だったのか?」

「ぁ」

勇が仮面に隠れていたであろう小さく柔らかそうな唇を見ながらそう言う。

ようやく仮面が壊れているのに気が付き慌てて口元を隠した。

「ボロッてる状態で悪いが、懐にはいるまで援護してくれないか」

「え?いいけど何か策があるの」

策がにゃきゃこんなこと言わねぇよと

「あぁそうだ名前だ名前。偽名でもいいが呼ぶ時ないと不便だろ」

「え?あ、うん?じゃあアサシンで」

了解と言いながら構え直す。

さて準備はできてるか。

了解ヤー。僕がキッチリセットしたよ。あとは頑張ってね』

心強いな。

「さて、二(Two)人(man)一組(cell)で行こうか」

ちなみに勇は戦闘の中盤から動けるようになっており、逃げようと思えば逃げられました。

魔力障壁

一定値のダメージ無効化する。表示すると。

HP○○+障壁○

となります。

障壁がある時は物理ダメージを軽減し防ぎます(0ダメージ)。が一定以上攻撃を受けると障壁が砕けます。

この状態では魔力を篭めなくてもダメージを与えられます。


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