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6ページ 運命の出会いは要りません

ハッピーバレンタイン!

まぁ俺には関係無いがな!

………どちらかと言えば作る方だったな。

現在、卒業文集用の絵と受験勉強とネット小説を並列作業中。

受かるのか?俺

後、パソコン逝きました。

タブレットもスマホも持っていないのに。

あぁ、キーボードしか使ってないから他の操作に、以外に慣れない。

勇はよくアニメや映画、小説ライトノベルや漫画などをよくみている。

端的に言ってしまえば創作物ものがたりが好きなのである。

けれど………。

「あのぉ、道に迷ったので教えてくれませんか」

と可愛らしい少女に言われ真っ先に思たことを簡単に言葉にするならば、めんどくせぇだった。

単純にクラスメートや只の知らない人ならば、速効断っていただろう。がしかし目の前に居るのは美少女である。

運があんのか無いんだか………。

そう思いながら背丈を合わせ。

「わぁた」

とやる気無さそうに返答した。

了承の言葉を聞いた彼女は満面の笑みを浮かべていた。


「で、どこいきたいんだ。わーてるだろうが現地の人(おれ)にも分からない場所があるからな」

後で分からないのかと揉められるのもめんどいし。

そう思いながら、あっやっぱいいですと言う回答が聞きたかったが。

「えぇと、実はこの町に引っ越してきたばかりで、案内してくれると助かるかなって」

そう現実は甘くはなかった。

こりゃ時間かかるかと思いながら、あれ?と疑問にたどり着く。

こいつはさっき道を教えろと言って来たはずだ、なのに何故案内する事になっているのか。

「………なぁさっき道に迷ったので教えてください聞いたハズなのに、どうして町案内に変わってんだ?」

そう問うと明らかに焦った様子で。

「いやいやあのね、始めてきたからぁ道に迷ったんだよぉ」

とごまかすように大きな声で叫んだ。

うっせ!そう思いながら観念したように。

「わーたわーたよ、案内すりゃいいんだろ」

と答えると、さっきまでの叫びは消え。

「はい、よろしくお願いします」

と頭を下げた。

そう頭をさげ視線がズレたその瞬間。

「時間もったいねぇから行くぞ」

と言い、今の内に距離を離し帰宅しようと走り去った。


いや走り去りたかった。


「っ!なんつう速さだよ!」

「えっへん、これでも運動は得意なんだ」

頭を下げたことにより視線が外れた。そのスキを見て俺は逃走をはかったが結果は追いつかれてしまった。

勇は運動能力が人より優れているとは思っていない。

運動部にも所属しておらず、校内マラソン大会も240人中200位になれたらいい方だ。

一応パルクールの動画を視聴し憧れ、近くの公園で練習をしていたし、50m7.5秒なので距離を引き離せば行けると思い、実行し追いつかれた。

それも50m内で。

「ふふふ一応言っておきますが、私50m6.1秒ですよ」

「んなッ」

こんな小さな小学生がモドキが6.1だと………。

勇は内心信じていなかった。けれど事実、今追いつかれている。

それはどんなことをしても覆らない。

だが自信満々に腰に手を当ててる姿を見るととてつもなく苛立ってくる。

だから勇は些細(ささい)口撃こうげきをした。

「小さくて速いってゴキブリかよ」

その小さな反撃は。

「うっぎゃゃゃゃゃややや!」

システムメッセージに効果は抜群だ!と刻んでしまったらしい。


さてと、取りあえずトイレに行ってくると一言、そして声が届かない位置にまで遠ざかった。

「で、人前で話しかけないでくんね」

『えぇ?さびしいじゃんもっとボクと語ろうよ契約者』

なぜならこのうるさい脳内音声を黙らせるためだ。

「オシャベリしてぇんだったら後にしろ。あと契約者って呼び方なんだよ」

そもそも優は何が起こっているのか見当がつかない。

昨日いきなり殺人鬼と出会って(エンカウント)、腹にナイフをぶっ刺され、変な脳内音声と契約し浴衣少女にTSして戦って、ラノベ主人公でもない只の一般人なのに何故こんなことになるのか。

情報が不足している。

だから何か情報を持っているであろう脳内音声(こいつ)と友好関係にならなければいけないのだが、野外でうるさく話しかけられたらイライラしてくる。

落ち着けと心に言い聞かせ最後の方を柔らかくはした。

契約者。

ゲーム等では契約者(マスター)とかそう言う風に言われるが実態には理解していない。

ここで問い詰めてやってもいいが、外には小学生(ゴキ)がいる。さすがに10分以上長く入れない。

だからその話をぶん投げ、呼び方をといただす。

『え?契約者ってよばれるのいやなの?ボク喜ぶと思ったんだけどなぁ』

「普通に(ゆう)でいい」

『おっけーわかった。じゃあ私の名前(よびな)はどうするの』

そういえばこいつは名前はまだないとか言って?(発音してないから正しいかは分からないが)たな。

「え?今なの?」

時間がない今なの?

『そうだけど』

え?えぇ?よりによってネーミングセンスを求めてくるのか?

優はこうポンと思い付く人間ではない。

ゲームの|プレイキャラ(PC)も時間をかけ決める。それだけ拘りがある。

が、時間ねぇっつてんだろ!と時間がないのである。

あーあーと唸りながらそう言えばあの時、こいつに話し掛けられた時、満月だったとおもいだす。

「んじゃ[ルナ]でどうだ」

単純に月の女神(ルーナ)から取って月(Luna)と。

『ルナ………ルナか………うん!ボクの名前はルナ。よろしくね契約者(ゆう)!』

そうルナが声を上げたその瞬間。

頭のなかに銀髪の少女が浮かび上がったような気がした。

「これは?………いったい」

『どうやら繋がりが深くなったみたい』

繋がりが深くなった?

『えぇと魔力の伝導効率(でんどうこうりつ)が上がったてっこと』

その疑問を感じとったのかルナが回答(せつめい)してくれた。

………言ってたことはよくわからないが。

「おっおぉ、まぁこれからよろしくなルナ!」

『うん、よろしく(ゆう)!』


『あと、声に出さなくとも思えば話せるからね』

「!?」


時刻は10時をまわったくらいか。

まだ春で日照高度(にっしょうこうど)が低いと言っても照り当たる太陽光は辺りを眩しく彩る。

そんな中、二人乗りをした自転車が風を切りながら駆けている。

こいでいる少年は何処にでも居る平凡な容姿をした少年、しかしその後ろに乗る美少女に自然と目が奪われるだろう。

小学生の様に背が小さく柔らかそうに舞う金髪が空に舞う妖精のようだ。

そんな彼女を乗せている少年はさぞ幸せ者だろう。

が、乗せてるその本人(しょうねん)はそんなこと思ってなかった。

………目立つぅぅぅ!。

いやまぁ可憐な少女を後ろに乗っけて2乗りしてりゃ当然目立つか。

「で?どこいきたいんだ?」

そんな事り思いながら何処に行きたいのか問いただす。

「とりあいず貴方がいくところでいいよ」

「一番困る曖昧な答えをぉ」

行くところ、そんなの限られている。何故ならここは何もへんてつもない田舎町。

バスは1時間に1本、電車は多くても三両しかない。

そのていどの田舎に遊べところ等限られている。

「………そう言えばなんでここに?いくら県都合併して東京になったからって、ここは北関東(きたかんとう)だぜ」

優は見慣れた商店街に目をむけながら問いただす。

そこは過去とは違い静かで、鉄の扉(シャッター)で覆われている。

20年の東京オリンピック以降、各地で市町村合併(しちょうそんがっぺい)が行われた。

数々の財政赤字(ざいせいあかじ)を建て直すためだ。

だがけっけょく小規模単位(しょうきぼたんい)が合併しても焼け石に水、(すずめ)の涙。

建て直しが出来ず、次第に資金がある都市部と合併するのは当然、いや必然だった。

ここもそうだ。

だがいくら都市になっても田舎は田舎。

何か便利な施設が立てられるとか、バスとかの路線が増える訳でもない。

ただの都市カッコ笑いだ。

そんなハリボテに何のようなのか、優は単純に気になったのだ。

「えぇとここの高校に入学する事になりまして」

「へぇ………!?」

こうこう?

え?

「えッと、高校て言わなかった?」

「はい!そうです!」

優は驚愕せずにはいられなかった。

このチンチクリンな小学生が高校生です、なんて言われてハイそうですかと言える訳がない。

「えぇと、どこなの」

「私立普通科高校です」

「マジでぇ」

………おどろいた、驚くよまさか。

「見たところ貴方も高校生ぽいですけど何処ですか?」

「おんなじだよ、てか同い年かよ」

おんなじ高校なんて。

ん?あの入試会場にこいつもいたのか?

あの容姿だ、一目見たなら忘れるハズないのに。

頭に引っ掛かりを覚えながらチャリをこいで行くと目的の場所に着いたようだ。

ヘルメットを自転車の籠に起きながら降りる。

「ここは?」

「ここは近くにある5階建の小さなスーパー?だよ」

「へぇ」

住んでる人なら知っている、と言うか5階建のスーパー近くにはここしかないし。

「何するの」

「ゲーセンと買い物、かな」

そう、こいつのせいで逸れてしまったが元は足りなくなった材料を買いに来たのだ。

ゲームセンターはただの受験の反動だ。

「お前はどうすんの」

「お前って」

「名前聞いていないしどうしようもないね」

こいつと同じ高校なんだ、嫌でも関わらなくちゃいけなくなる。

それに高校には知り合いもいない。今の内に親交を深め仲間を作っておくのは良いことだろう。

「んんんハァ、わかった私の名前はね」

そう一回貯めてからこういいはなった。

アリス(・・・)だよよろしくね」

差し出された柔らかい右手を優しく握り返しながら。

「勇だよろしくな。小学生」

ニヤリと微笑みを返してやった。

「なっなな、くっぅ身長をばかにするなァ!」

穏やかな日常に叫びが響いた。

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