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3ページ 頭に聞こえる不思議な声

あぁおしさしぶりです。

えぇと皆様体調管理に気おつけて

「!?」

気が付くとあの道へ戻っていた。

あれは(げんかく)だったのではないか、変な(ヤク)でも飲まされ幻覚(トリップ)していたのではないか。

確かにその方が楽だ。そう思い込もうとすると。

『いや、ちょっと大丈夫なのかなぁ、これ』

突如、頭の中に女の子の声がした。

誰だ?、そう声に呼び掛ける。別に応答を期待した訳でもない、ただ何故だろうか、この声に耳を傾けるべきだと本能がつげていた。

『ん?ボク?うーん、名前はまだないかな?』

は?

どう言うことなのだろうか、少なくとも勇はふざけているのか!と、幻聴に怒鳴り散らすように叫ぼうとしたが。

『とっ、そこに倒れてるままでいいの?あれいるけど』

だがその行為に待ったをかけられる。声に耳を傾け少し瞼を開けば、自分を刺したやつが此方に背を向けて佇んでいた。

ヤバイと、生きていると理解されたらまた殺られる。何とかして乗りきれなくては。

けれどこの状況を打開できる案は出てこない。不意打ちする?避けられまたおっちぬ未来(ビジョン)が容易に想像が出来る。

ならやり過ごすしかないのだろうか。

『いやいや死んだふりとかはムリでしょ。それに契約者が開始数分で死亡(チーン)は、ボクとしても、ね』

しかし聞こえてきたのは希望とは逆の言葉だった。

じゃあどうすればいい?どうすれば、どうすれば!この状況を打破できるんだよ。

俺は本能が思うがまま叫んでいた。

戦力差は絶望的、武装はなし、拳を構えていてもすぐ殺られるのは経験ずみ。一体、どうすれば。

いいんだ!と声に呼び掛ける。

っしまった感情的になりすぎたと、気ずく頃にはもう言葉(セリフ)を言い終えていた。

けれど次に聞こえた言葉は優しく問う少女の声。

『貴方はあの世界で何を願った?貴方にはもう意思(ちから)がある』

んなっ、ちから、だと?

そんな馬鹿が、虐められ無様に地面に這いずり回る俺に、力だと。

そう笑いながら思うが。

「!?」

何かが体を満たしている妙な感覚があった。その事を意識すると、自分の周りに輝く光が溢れているのがわかった。

おいおいと何時から人間は発光するようになったのだろうか。

そんな疑問を思いながらこれは、一体なんだろうと呼び掛ける。

『さぁそんな事言ってる場合じゃないよ、立ち上がってボクの契約者、その意思(ちから)を今こそ、君の物語(おもい)を綴るべきだよ』

不安はあった、現在(いま)でも膝が笑い崩れ落ちそうだが。

彼女の声に背中を押され、足に力を入れ立ち上がる。

土に脚を付け、二度と倒れるものかと。

震える脚に拳を叩きつけ、輝く光を纏いながら意思を持って、相手を見定める。

殺人鬼(あいつ)が気ずいたのか振り向き、ナイフを投げる。

『さぁ解放して、ボクの契約者!』

力の解放とか、そう言うのは全然わからないが…やるしかない。

俺は無意識の内に深雪(あのこ)に貰ったネックレスを強く握っていた。

そして………光に包まれた。


キンと金属音が辺り響きわたる。

無意識に反射的に腕を振るったが、どうやら上手く防いだらしい。

そう理解しゆっくり瞼を開ける。

そして手を見ると。

美しい刀を握っていた。

「………」

あまりの美しすぎて声がでなかった。

刃を見るとこの薄暗い夜の中で唯一、月の光を反射し煌めいていた。

しかしその刀に見とれている時間は、作らせてくれないらしい。

ナイフを防がれた衝撃から復帰した殺人鬼が、構え直したからだ。

「あなた何者?」

と、歪な電子音混じりで問いただす声が耳に入る。

「あなた見たいな少女(・・)がどうやってそんな力を手にしたの?」

冷たい氷を溶かすようにじっくりと言う声にふと疑問に思った。

少女?

「ちょっ、少女ってどう言うことだ……よ?」

質問に質問を返した勇は疑問に思うことだろう。

何時もより声が高いと。

確かに自分は小学1年から中2までソプラノで歌っていた。

けれど、自分から出た声はいつもと違う、可愛らしい柔らかな少女の声。

「ぇ、え?」

と視線を下げるすると、柔らかそうな2つの山が視界に飛び込んできた。

そこから視線をずらすと、細く柔らかい手足、黒色で整えられた浴衣。何故か下はミニスカートだが、靴も何時も愛用しているスポーツ用靴じゃなく、木製で出来た下駄だった。

そして腰には反射に抜いた刀の鞘と、刀より小さい短刀が腰に巻き付けてある。

そして刃に反射する目がパッチリと大きく見開き、柔らかそうな桜の用な色の唇。

その変わった姿を見て、どう言うことだと問うのは仕方がないことだろう。

『ボクは戦う力を渡しただけ、その姿になったのは直ぐはわかんないかな』

なんだかなぁと思う心情があるがそれとは逆に頭は冷静だった。

気分がいい、今まで曇っていた視界が綺麗に見える。どちらかと言うより昼より(いま)の方が視界が安定する。殺されてからずっと体を走っていた痛みも、今ではほとんど感じない。

ゲームかよ。

そんな思考が閃く。

けど、ゲーム(あっち)と違ってここは現実(じごく)だ、死ぬ可能性が高いだろう。

そんなことを思いながら短刀を左手で抜き構える。

(みぎて)を前に、短刀を短刀(ひだりて)は体の横に添える。

相手はも此方が殺る気だと気がついたのかナイフを取りだし姿勢を低くする。

ダッと同時に歩を進め肉薄した。


静かな(よる)に金属音が響きわたった。


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