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魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのする  作者: 流優
ダンジョンの日常 vier!!!!
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お鍋の日


 ある日のこと。


 夕方の時間に差し掛かり、俺は少し考えてから、言った。


「……よーし、じゃあ今日は鍋にするか!」


「今日はお鍋~? お肉がいっぱい、アツアツ美味しいお、な、べ!」


「アツアツおいしいお、な、べ!」


「……何鍋?」


「はい! すき焼きさんがいいです、すき焼きさん! お肉がいっぱいだから!」


「シィは、チゲなべがいいです! チゲなべ! からくておいしい、チゲ!」


「……モツ鍋。噛み応えがあって、モツは美味しい」


「う、うーん、すき焼きとチゲ鍋はいいが、モツ鍋か。エン、食材としてモツも用意するから、それじゃダメか?」


「……ん。全然いい」


 渋いチョイスのエンが、コクコクと頷く。


 良かった、俺もモツは好きなのだが、あれは好き嫌いが分かれるからな。 


 ちなみに我が家で鍋をやる時は、大体二つ用意する。


 人数が多いからな、鍋一つじゃすぐになくなってしまうので、中身の違うものを二つ用意するのだ。


 今更ながら、俺達も手伝っているとはいえ、料理全般を取り仕切ってくれているレイラには頭が上がらんな。

 朝昼晩と、全員分の料理を毎日作ってくれている訳だし、我が家で一番働いているのは間違いなく彼女である。


 世の皆さんも、食事を作ってくれる人に敬意を払うように。

 ひとり身は頑張れ。


「んー、お前らの方はどうだ?」


 幼女組の次に、大人組に問い掛ける。


「肉団子が食いたいの、肉団子。それがあれば良いわ」


「僕は、味の染みた大根とにんじん、白菜辺りが食べたいかなぁ。勿論お肉も食べるけれど」


「はい! ウチは、えのきと揚げ豆腐が食べたいので、それが入ってたら何でもいいっす!」


 お前ら、それは鍋じゃなく鍋の具材だ。


 ……まあ、幼女組の方の意見を優先してくれたんだろうがな。


 と、俺は、「ふむ、その辺りなら全て用意出来ますねー」とみんなの意見を聞いているだけのレイラに顔を向ける。


「レイラ、たまにはお前が食いたいものを優先してもいいんだぜ? いつもみんなに合わせてくれてるだろ」


「え? んー、そう言われると少し、困りますねー。それに、それを言うのならば、ユキさんもではないですかー?」


「俺は鍋にするっていう決定をしたので。メニューを決めるというわがままを行使した訳なので、例外です。という訳でレイラさん、あなたが食べたいものを言いなさい!」


 ちょっと困ったような笑みで、レイラは答える。


「んー……やっぱり私は、皆さんが美味しく食べてくれるなら、それだけで満足と言いますかー……だから本当に、何でもいいんですよねー」


「くー、レイラ! もう! 僕はレイラのそういうところ、大好きだよ!」


「ホントにもー、可愛いんすから、レイラは! 健気で良い子過ぎっす!」


「カカ、そうじゃな。ほんに良い女じゃ、レイラは。もうどこにもやれんのう!」


「も、もう、からかわないでください、皆さんー」


 やいのやいのと騒ぐ彼女らに、照れたように顔を赤くし、頬に手を当てるレイラ。可愛い。


 俺は、彼女らの仲の良い様子に笑い、それから切り替えるように口を開く。


「ま、そんじゃあ、今日はすき焼きとチゲ鍋にするか! 大人組の諸君は、準備を手伝いたまえ-。幼女組の諸君は、今の内に風呂に入ってきたまえー」


「はーい! お風呂、お風呂、お、ふ、ろ!」


「たのしみいっぱい、おふろ、おなべ!」


「……湯で身体を清め、心身を温め、良い気分で鍋を食べる。これが鍋の作法」


「え~、そうなの~?」


「そうなの~?」


「……んーん。適当言った」


「そっかぁ! でも良い気分でお鍋食べたら、美味しいよね!」


「はい! おふろと、おなべのにているところは、なんでしょーか!」


「……アツアツなところ」


「せいかーい! エンちゃんに、せいかいポイント、いちあげます!」


「それが貯まったらどうなるの?」


「えっとねぇ、えっとねぇ……どうにかなります!」


 着替えを用意し、延々とそんなことを話しながら、元気良く部屋から出て行く幼女達に対し、大人組はキッチンに移動する。


「じゃ、やってくか。野菜切る組はー」


「はーい、僕とリューでやりまーす!」


「やるっすー!」


「了解。肉は……まずレフィ所望の肉団子から準備するか。鍋に使うなら鶏団子でいいな?」


「うむ! それが食いたい。よし、儂自らが、責任持って作ろうではないか!」


「では、私もそちらのお手伝いしますねー」


「オーケー、じゃ、俺はスープと鶏団子以外の肉やるか」


「いやぁ、鍋いいよね、鍋! みんなで一緒に食べられるから」


「同じ鍋をつつくって、外じゃしないっすもんねぇ。ウチも、そういうみんなで食べるっていうの、良いと思うっす」


「鍋を知らんとは、世の中のヤツらは損をしているな! 寒くなって来たら、鍋! 栄養いっぱいで、食べたいものが食べられる鍋! 鍋は素晴らしい……」


「じゃあユキ、ばーべきゅーと鍋だと、お主はどっちが好きなんじゃ?」


「……悩ましいが、六対四でバーベキューだな! 何故なら、冬より夏が好きなので!」


「お主は冬でもばーべきゅーしておるがな」


「フフ、四季折々で美味しいものがあって、色んな食材を扱えますから、ここでごはんを作るのは楽しいですよー」


「ウチも、色んな食材が扱えて楽しいって言えるところまで、料理が上手くなりたいっすねぇ……」


「一緒に頑張ろうね、リュー!」


「安心せい、どのようなものを作っても、儂が全て美味しく平らげてやろう!」


「お前は食う側なのな」


 そんなことを話しながら、それぞれ分担したものを進めていく。


 俺は、こういう時間が……とても、好きだ。


 ちゃんと、ちゃんとこっちも投稿するから……!

 し、新作とか書き始めちゃってるけど、許して……!


『原初たる魔が王~目が覚めたら、人外娘に捕食される寸前だった~』

 下にリンク張ったので、どうぞよろしくお願いしやす!

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こちらもどうか、よろしくお願いいたします……! 『元勇者はのんびり過ごしたい~地球の路地裏で魔王拾った~』



書籍化してます。イラストがマジで素晴らし過ぎる……。 3rwj1gsn1yx0h0md2kerjmuxbkxz_17kt_eg_le_48te.jpg
― 新着の感想 ―
[良い点] レイラさんが、そして幼女組がカワイイんじゃあ!! 鍋は美味しい。(情緒不安定) [気になる点] 締めは雑炊ですよね? [一言] 今回も楽しく拝読しました。 今作も新作の方も、引き続き応援…
[良い点] この話の読者は基本、ほのぼのを求めているからこれでいいのだと思ふ。
[一言] 私もこういうのがとても好きだ
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