表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのする  作者: 流優
ダンジョンの日常 vier!!!!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

458/613

湯と、熱


 ――これは、マズい。


「では、お背中流させてもらいますねー」


 耳を溶かされそうな、柔らかで聞き心地の良い声。

 少女の甘い香り。


 レイラの、細く滑らかな指。

 それが、一生懸命、献身的に俺の背中を、腕を這う。


 少し気恥ずかしそうに、赤くなっているレイラの表情が……もう、ヤバい。


 身体にタオルは巻いているが、濡れて肌に張り付いているせいで、身体のラインをむしろ際立たせ、彼女の色気を増している。


 レイラは我が家で一番胸が大きいが、腰は細く、くびれており、臀部や太ももなどは、男が好むちょうど良い肉付きをしている。


 ぶっちゃけて言うとエロい。太ももが最高です。


 レフィやネル、リューの三人も、余分な脂肪などはなく、非常にスタイルが良いことは間違いないが、女性らしさという点では、正直レイラが一番グッと来るものをしているのである。


 そんな、とんでもない美少女に身体を洗われているという今の状況は、もう本当にヤバいという感想しか出て来ない。


 ちなみに、レフィはいない。


 直前で「おっと、そういえば儂は、やらねばならんことがあるんじゃった! お主ら、先に入っておれ」と白々しく言い放ち、別れたのである。


 レフィのヤツめ……気を遣ってくれたのは確かなのだろうが、後で涙目になるまで尻尾を弄り倒してやるとしよう。


「……まだ湯に浸かってないのに、もう湯あたりしちまいそうだよ」


「フフ、私もですよー。……ん、とても大きくて、格好良い背中ですー」


 ツー、と背中を撫でるレイラの指に、思わず声が漏れる。


「いひっ? お、おい、くすぐったいって」


「ユキさん、本当に良い身体付きをしてらっしゃいますねー。程良く引き締まっていて、男性らしさがあって。かといって筋肉が厚過ぎるということもなく……レフィもそうですが、もしや肉体において余分なエネルギー等は、全て魔力に変換されるようになっているのでしょうかー? 二人の魔力量を考えると、それくらいの魔力変換効率をしていても、おかしくないでしょうしー……」


「あー、レイラさん?」


「高い魔力を有する方は見目の整っていることが多いですが、これは、余分な栄養等が全て魔力に変換されるため、他者と比べ物にならない程代謝が良いという可能性が……レフィも、あれだけ食べて、そこまで運動をしている訳でもないのに、一切体形が変化していないですしー……」


「うん、レイラ、お前はやっぱりレイラだな」


 途中から、だんだんと研究者の顔つきになっていったレイラさんである。


 この子、意外とこういう時、独り言が多くなるのよね。

 高速でしている思考を、言語化することで形にしているのかもしれない。


「! 失礼しましたー。いけませんね、すぐに考え込んでしまうのは、私の悪癖ですー」


「いいよ、俺、そんなレイラさんが好きだから」


「フフ、そうですかー? そんなことを言ってしまうと、今後私は、思考を止めなくなってしまいますよー?」


「おう、やりたいように生きればいいさ。マズい時は俺達が止めるよ」


 ――そうして、とりあえず身体を洗い終えた俺達は、並んで湯船に身を沈める。


 ピトッと身体を並べ、肩をくっ付けて。


「フゥ……いつも思うが、この滝温泉はマジで最高だな。ネルの勇者の豪運には感謝しかねぇ」


「あぁ、このお風呂は、あの子のおかげで出来たんでしたかー」


 と、そう言いながらレイラは、こちらに腕を伸ばしてくる。


 俺の腹筋に。


「うひっ、お、おい、何だ、急に」


「ネルで思い出しましたが、彼女が『おにーさんの腹筋はとても良いものだよ!』と言っていましたけど、その通りですねー。これは、良いものですよー」


 妖しい笑みで、こちらの反応を楽しむかのように、湯の下でさわさわと俺の腹筋を触り始めるレイラ。


「ちょっ、ま、待てって、あひひ」


「やりたいように生きればいいんですよねー? なので私は、いっぱい好きなだけ、ユキさんの身体を触ろうと思いますー」


「い、言い方が卑猥ですよ、あなた。それに、いいんですかね? 我が家では、触る者は、触られる運命にあるんですよ?」


「構いませんよー? 私はもう、あなた以外の男性のものにはなり得ませんからー」


 何でもないような声音で、そう答えるレイラ。


 ……お前は俺を殺す気か。


「……オホン、そうか。なら、遠慮なく触らせてもらおうかな!」


 俺が手を伸ばしたのは、レイラの角。


 彼女の髪を梳くように、指を絡ませるようにして、角を撫でる。


「んっ……」


 艶のある声。


 硬く、だが同時に柔らかさもある、太い羊の角。

 不思議なもので、同じ角でもレフィのものとは、触り心地が全然違う。


 うむ、これはこれで良いものだ。


「ユキさんは、本当に人間にない器官がお好きですねー」


「けど、お前らも俺の翼とか腹筋とか触りたがるだろ? お互い様だ」


「腹筋は、私にもありますけどねー」


 レイラはクスリと笑うと、気持ち良さそうな表情で、俺の手に頭を預けてくる。


 目を閉じ、なされるがままに。


 俺の腕に掛かる、美しい白髪。

 ウチの面々は、皆こういうところに気を遣っているのを知っているが、レイラの髪もまた美しく、滑らかだ。


 しばし、そうして彼女に触れていると、ポツリとレイラは呟く。


「……不思議なものですー」


「うん?」


「あなたが、こうして共にいて。こうして、私に触れてくれて。そんなことだけで、私は今……心が、満たされている」


 こちらにしなだれかかり、頭を俺の肩に預ける。


 緊張など欠片の無い、安心し切った顔。


「肌と肌の接触。他者の鼓動の感触。私とあなたの、構成する物質要素はそこまで変わらないはずなのに、『私』と『あなた』という差異により、こうも精神が安らいでいる。そしてこの感覚は、あなたでないと得られないということを、私は自らを分析して理解している」


 俺は、彼女の頭をゆっくりと撫でながら、その独白を聞く。


 普段、あまり自分のことを語ろうとはしない、レイラの思いを。

 ともすれば、俺に聞かせてすらいないのかもしれない、自らの心の内を。


「恐らく、私の精神は、決定的に変容してしまったのだろう。二度と戻りはしない、不可逆の形に。個では決して完成し得ない、パズルのような形に。だから……」


 そこでレイラは、言葉を止める。


 ――触れた肌から感じる、彼女の体温。


 無言。

 

 チャプ、チャプ、と揺れる湯の音。


 二人分の吐息。


 鼓動。


「ユキさん」


「あぁ」


 すると、レイラは、俺の耳元で。


 俺の脳髄を震わせるように、小さく、甘く、ゆっくりと。


 囁く。





 ――あなたを、お慕いしております。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらもどうか、よろしくお願いいたします……! 『元勇者はのんびり過ごしたい~地球の路地裏で魔王拾った~』



書籍化してます。イラストがマジで素晴らし過ぎる……。 3rwj1gsn1yx0h0md2kerjmuxbkxz_17kt_eg_le_48te.jpg
― 新着の感想 ―
もはやメインヒロインの貫禄 いやエロ枠なのは確定だけど
[良い点] ちょっとエロくて良かったです。 背中洗いまでしかしないのが、まだ初な関係なのかな?と思っちゃいました。
[一言] …………鼻血を垂らしながらw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ