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扉の向こうには

一話抜けてたため、追記しました。

「よし、出かけよう」


まだ入学式までは、日がある。

今日の行動が、これからの学園生活に影響することは少ないだろう、たぶん。


「悪役令嬢の姉がヒーラーだったなんで、ゲームに出てこなかったから、仲良くしても問題ないはず。」



昔は、自分の行動一つ一つが全ての未来に影響をきたすのではないかと、何をするにも戸惑い不安だった。

「ゲームだって、ヒロインの会話選択一つで未来は変わるんだもの ここでのエミリーの行動で未来が変わったって、それも誰かの思いで動かされているのかもしれない」


行動決定を自分以外に預けてしまうことで、少し楽に動けるようになった。

従者にカフスボタンを贈るくらい、なんだというのだ。

誰かの思いで動かされる人生なら、悪役令嬢だってこなせるのかもしれない。




「ルシア〜出かけましょ〜」

そう言って、従者達の部屋が集まっている離れに行き、ルシアの部屋を開けた。

ノックしたとはいえ、返事を待たずにドア開けたのは失敗だった。


「あ」

「え?」

目に飛び込んできたのは、上半身裸のルシアだったのだ。


「失礼しましたっ!」


廊下を階段の方まで走ると、洗濯カゴを持ったメイド長にぶつかりそうになって、怒られた。


離れの方は、基本サレニー家で働く人たちのエリアなので、私が入るのはいい顔をされない。

ましてや、家の中で大きな声を出したり、廊下を走ったり、もう直ぐ学園に入るのに嘆かわしい等、、

終わりの見えないお説教で、頭がぼーっとしてきたところに、救世主が来てくれた。



「エミリーお嬢様も反省しているようなので、そろそろ許してやってもらえませんか こういう行いも、エミリーお嬢様の個性ですよ」

「、、まあ、今回はこれくらいにしましょうか」


ルシアの言い方では、微妙にフォローになってなかった気もするけど、許してもらえてよかった。


「ごめんなさいねメイド長 洗濯場に行く途中だったのでしょう? お仕事中断させて、ごめんなさい」

すっかり、メイド長の怒りもおさまったみたいだ。



気が変わらないうちに、ルシアの手をとって、部屋に戻ることにした。


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