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暗号の中身

桜がほころび始めたある日、朝日が差し込む窓際の机に向かっている、一人の少女がいた。


エミリー・サレニー嬢。

彼女に秘密があるとすれば、この世界の人物ではありえない記憶を持っていることだった。



「さすがに7年も経てば、昔やった乙女ゲームの内容なんて、もう思い出せること無い。。」

「学園内と放課後と、季節ごとの遠出イベント、ゲームの終わりは卒業式。。全攻略キャラやりこんでたわけでもなし、悪役令嬢との友情ルートいったことないし」


まぁカナンルートで婚約破棄されるは痛いけど、他の攻略対象とのエンドだとしても悪役令嬢が殺されるとか、一家離散的な酷いゲームではなかった、、はず。



誰かが教えてくれたわけでは無い、ただ記憶の中のゲームと、今生きている世界は同じなのだと、8歳の時から、エミリーは受け止めていた。

今に至るまで、同じ記憶持ちの人とは出会ったことが無い。



「まぁ、いないからこうやって日本語でゲームの内容書いても、見られる心配無いんだけどさ。」


現に、書き付けた紙を何回か家の中で落としてしまったことはあるが、メイド達にはエミリーの作った暗号としか思われなかった。


「建物は中世的、製紙技術は近代的、魔法が使えておまけに桜が咲いてるとか、まじゲーム」


ヒロイン目線で、ゲームを思い出せば悪役令嬢が関わる初日のイベントは、2つ。

悪役令嬢にぶつかってユニコーンが引く馬車の前に転がったところを、寮長であるマクラーレン様が助けてくれるイベントが一つ。

学園内で迷って、悪役令嬢の婚約者であるカナンに道を尋ね、悪役令嬢の取り巻きに「エミリー様の婚約者に気安く話しかけるなんて!」ってイチャモンつけられるイベントが一つ。



カナンルートは、人の婚約者を奪うだけあって、会話の選択によってはすぐ好感度が下がって、攻略難易度が高かった気がする。


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