短編小説(秋)
俺はあまり人と関わらないタイプの人間だ。友達はいるけど連絡を自分からとろうとしないし、せっかく女の子のメアドを知っても受け身になってしまう。学生時代はそれで困ることはなかったが、社会人になってから誰とも話さない毎日が続いて段々会話力がなくなり、コンビニでさえ利用しづらくなった。
そんなとき、俺は犬を飼うことになった。友達から頼まれて引き取った柴犬メス、名前は花子という。花子はおとなしい性格で子供が触っても吠えたりしない。花子との生活が始まった。
散歩をすると気分がよくなる。頭の中がスッキリして知らない人に挨拶をした。一瞬恥ずかしかったけど、返事を返してくれたことがとても嬉しかった。受け身な自分が少しだけ変わった気がする。これからも挨拶をしていきたいな。