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東方金色伝 ~ GREAT GOLD ONE  作者: 黄緑
壱ノ章
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四 龍神


 文才がほしい


2017/06/26 一部修正



 駄神様との通信が切れてから十六年が経った。

 十六年の間やることがなく、球状の家を創ってその中で神力・霊力・妖力とかの操作を練習していた。



 神族は信仰さえもらえれば生きていけて、呼吸や食事はしなくても大丈夫。

 神族がそれらの行動を人間と同じようにするのは余計な力を使わないためだ、と駄神様が送ってきた基礎知識の中にあった。

 そして僕は創造神なのでこの世界に存在する全ての魂から信仰を貰える。

 人間からはもちろん、妖怪や神、幽霊や星からさえも。

 故に世界が壊れたら創造神は死ぬ。まあこれは普通な事の気もする。


 だけどこの世界には娯楽がない。仕事もまだ生物がいないので楽だし、必然的にヒマになってしまう。


 そこで僕は食事を娯楽としてとることにしたんだ。前世からの習慣をいきなり変えるのもなんか嫌だったし。

 あとこの世界に来てから食欲と睡眠欲が結構濃くなった気もする。



 閑話休題。



 能力で食材を創り、調理する。料理と食事を娯楽として感じたのは初めてだった。

 始めたばかりの時は微妙な味だったけれど今ではその辺の定食屋並になった。

 このまま続けたら三ツ星レストラン、いやそれ以上になりそうで怖い。まぁ美味しい分には構わないんだけどね。

 あと、創ったスケッチブックに宇宙とか自画像とか描いてたら同じ様にだんだん上手くなった。とくてんにのちからってすげー。


 そんな感じで料理・修行・お絵描き・睡眠の十六年を送っていたんだけど、問題が出てきた。

 それは話し相手が居ないこと。いくら特典2のおかげで苦に感じにくくなっていても辛いものは辛い。

 それにご飯も一人だとなんだか味気ない、ような気がする。



 と、言うわけで神を創る事にしました!

 今から生物誕生まで約600000000年かかるし、人間誕生だったら約4500000000年。ゼロがいっぱいだね。

 そんなに長生きできて話し相手になってくれるのは神くらいしかいない。

 それに地球に生き物が生まれたら地球で自由に暮らしたいし、創造神を押し付け……もとい継がせるためにも神を創らないとね。

 確か東方での最高神は龍神だっけ?それを創ろう。そうしよう。

 そうと決まれば善は急げ。家の外に出て月の上に立つ。


 よし、“創造”!

 …………次の瞬間目の前に巨大な何かが現れた。

 全長100mはあろうかという銀色の龍だ。かっけぇ。これに乗って空を飛んでみたい。

 まぁ自力飛行位できるけどさ。龍とかドラゴンに乗るのはロマンだ!異論は認めん!

 ……と、それより話しかけよう。


『こんにちは。気持ち悪いとか体が動かないとかない?大丈夫?』


『はい。大丈夫です。あなたが私を創られたのですか?』


 おお、会話できた!念話だけど。

 自分以外の声を聞くだけで心がこんなに安らぐとは……。声じゃなくて思念だけど。

 自分で思ってたより疲弊していたみたいだ。


『うん。そうだよ。何か聞きたいことある?』


 成功してよかった。自我、というか魂を持つものを創ったの初めてだからって心配しすぎたようだ。念話もちゃんとできているし。


『なぜ私を創られたのですか?』


『話し相手が欲しくなってね。後、創造神を継がせるために。』


『創造神を、私が継ぐ……ですか?…………分かりました、その地位に相応しい存在に成れるよう精進いたします!』


 真面目な性格だということはわかった。

 とりあえず人化させて家に上がってもらう。

 銀髪銀目で身長は180cmくらい、キリッとした顔立ちだ。胸は……C、いや、Dぐらいかな?

 ん~?なんで特に僕は興味を抱かないんだろう。前世では普通に胸とか好きだったハズなんだけど……。


「あの……私に名を与えて頂けませんか?」


 え?名前ない……のは当然か。

 でもこの僕に名付けを頼むなんて……僕はネーミングセンス皆無なんだよ……。

 断ろうかな、でも期待の目でこちらを見ているし……、名字は龍神でいいとして、名前は……銀色だし……


「うーんと、えーと、龍神 銀華……なんてどう?」


「ギンカ…銀の(はな)、ですか。

 気に入りました。ありがとうございます!


 あ、あなた様のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか。

 申し訳ございません、もっと先に聞くべきでした。お許し下さい」


 自分の名前!?……今まで考えた事すらなかった。

 どうしよう、ここで変な名前にしてしまったら一生後悔する。

 ……沈黙した僕を銀華が不安そうに見ている。

 ヤバイ、どうしよう、早くしないと!

 そうだよ、銀華みたいに色で決めてもいいよね。だったら金ほにゃららとか?思い付かない。……もうシンプルなのでいいや!


「き、いや、……金色(こんじき)。文句ある?僕の名前は金色だよ。」


「いえ、シンプルながらも高貴さを感じさせる素晴らしい名前だと思います。名字の方は……」


 うん、なんかオブラートに包まれたというのはわかった。

 しかしまずい、名字考えてなかった。

 うわー、前世の名前覚えてたらこんな苦労しなくて良かったのに、あの駄神め!……もう佐藤とか田中とかでよくね?


「あのー、もし名字が無いのであれば私に考えさせてくださいませんか?」


「え、いいの?勿論変なのじゃなきゃ大歓迎だよ!」


 どうでもいいけど身長差がありすぎて話しづらい。


「ありがとうございます!でしたら金色さんはかなり可愛らしいので、美、いや麗の文字を入れて……あとは…………」


 どんな名前になるのだろ。

 あと可愛らしいとか言わないで欲しい。自分でもかわいいとは思うしもうある程度馴れたけど他人の口から言われると心にダメージが……


「ハクレイ……博麗というのはどうでしょうか?」


 今博麗神社で祀られるフラグが建った。間違いない。いやあ、大歓迎だけど。


「博麗金色か……。いいんじゃないかな?ありがとうね」


「いえいえ、こちらこそ」


 仲良くなれそうだ。まずは堅苦しすぎる口調をやめてもらおう。



 ……あれ、無理して名字決める必要なかったんじゃね……?



『球状の家を創って』

 ミニサイズのデス・○ターみたいな見た目。


『とくてんにのちからってすげー』

 「かがくの ちからって すげー!」最近の人はこれがポケモンのネタだと知らない人が多いらしい。


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