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東方金色伝 ~ GREAT GOLD ONE  作者: 黄緑
壱ノ章
10/23

十 化狐


 ブクマ10突破!感謝です。


2017/06/26 一部修正



 ────知ってる天井だ。

 というか知ってるも何も超長年寝起きしている僕の部屋だ。

 いつもの様に起き、布団を畳もうとして、尻餅をつきそうになってしまった。


 体の重心の位置がいつもと違う。後ろを見てみると尻尾があった。

 僕の体と同じくらい……いや、僕より大きい狐の尻尾だ。

 僕の髪の色と同じ金色で、光の反射で少しグラデーションがかかっている様に見える。


 あーそういえば化狐になったんだっけ?

 んー……駄神様が最後に何か言ってた気がするんだけど……思い出せない。

 覚えてないってことはそれ程重要じゃない、ってことではない。


 僕には特典2があるから記憶力は物凄い。転生したあたりのことは少し忘れたこともあると自覚しているけど、転生後のことはほとんど覚えている。

 つまり駄神様に何かされた。

 もし(といってもほぼ確定だが)そうなら、僕が何をしてもどうにもならない。諦めるしかないだろう。

 彼と僕では、それこそ比較にならないくらい差があるのだ。


 まあそれは置いといて。

 尾の付け根のあたりが痛い。

 よく見ると尻尾は下帯を強引に通って出てるみたいだ。

 というか痛覚あるのか。うっかり踏まないようにしよう。


 前世のアニメやラノベにはケモ耳、尻尾があるキャラクターが凄くいっぱいいた。

 彼女等は尻尾をどうしていたんだろう?

 スカートだから大丈夫だったのかな?どっちみちパンツで引っかかる気がするけど。

 少なくとも僕はスカートは絶対に嫌だ。

 ……うーん、どうしたものか……。



 と、言う訳で服を改造してみた。


 最初この姿になってたときに着ていた、この狩衣()はかなりの高性能なのだ。

 具体的にいえば無茶な動き(亜光速駆動)をしても破れず、行動をほとんど阻害しない。さらに着心地も抜群。

 最初は気付いていなかったけど、宇宙空間でも寒さ、暑さをほとんど感じさせない耐寒、耐熱性。

 【あらゆるものを創造する程度の能力】で同じものを九着創り、計十着を持っている。


 この服、実は以前から色々と魔改造しているんだよね。

 手触りはそのままでありながら全身鎧よりも優れた衝撃吸収性の付与や、袖や懐の部分にアイテムボックスをつけたり。


 アイテムボックス、ファンタジー転生ものでは定番だよね。

 時空干渉系の魔術は大変だったけどつい張り切って作ってしまった。

 狩衣の袖はほぼ正方形の形をしているから中の物が勝手に出ないようにしなきゃいけなかったし、魔法陣の関係で緋緋色金をどうしても使わなきゃいけなかったのが残念だけど。色を金に、さらに糸状して装飾に見えるようにしている。


 ……何の話だっけ?

 ……そうそう、尻尾の話だったよね。

 以前、|とお〇ぬけ〇ープを作った《境界を保ちつつ貫通させる研究をした》ときの魔術の応用で、見た目は普通の布で尻尾だけを貫通するようにした。

 使ったのは霊力、つまり結界だ。

 本来結界に体を貫通させるのはかなり危険なんだけど、そこは(創造神)だし。

 これなら尻尾も痛くないし大丈夫だ。

 このスグレモノ、今ならなんと1億円!分割払いなら月々百万円から!送料、手数料はすべて〇ャ〇゜ネッ〇が負担いたします!



 ……なんか途中から変なテンションになってた。

 久しぶりに駄神様と会話したからかな?

 いや、そうに違いない。ろくなことしねぇなあの野郎。

 助けてもらったから“駄”を取ろうと思ったけどやっぱいいや。様付けなだけまだましだろう。


 今回“妖怪の因子”がどうのこうのとか言ってたけどほかにも方法はいくらでもあるし。

 僕でも4つ思いつくんだから。絶対あいつ楽しんでやってる。


 介入のタイミングもまるで見計らった様だったし、テレビでも見る気分で監視(観測)してるのかも。

 僕もあれと同じ“虚無持ち”だから容易に想像できる。

 まああっちの方がかなりの上位存在だから僕に逆らう術はないんだけど。心のなかでディスるのは自由だ。


 ……ふぅ。イライラを全部駄神様のせいにしたらなんかすっきりした。

 服の確認をするために姿見の前に立つ。

 背は伸びて130くらい。数十億年経ってるのに10cmしか伸びないって……世界のケガレが少ない証拠だけどへこむ。

 いつになったら幼女から少女になれるのか。……はぁ。


 耳と尻尾以外特に異常は無かったし、そろそろリビングに行こうかな?

 銀華と白が無事か気になるし。



 銀華と黒が軍人将棋をしていた。

 白はまだ寝ているようで、刀の状態本来の姿で盤の横に置いてある。

 どうやら銀華は黒に花を持たせようとしているらしいく、黒はそれに気づかず嬉しそうにしている。

 ……銀華うまいな。僅差で負けるように微調整してる。

 しばらく待ち、黒が中将で総司令部を占拠したのを見計らって二人に声をかけた。


「あ、金色さん、おはようござい…え?」「は?」


 二人は僕を見てかなり驚いてたようだ。

 耳と尻尾について問いただしてきたので、駄神様のことを伏せて事情を話した。


「術に欠陥…大丈夫なのですか!?」「???」


 銀華が心配してれた。目は尻尾をガン見してたけど。

 黒は理解できてないようだ。


「大丈夫だと思う。これから【程度の能力】がどうなったか確かめるつもりだけど……銀華も訓練場行く?」


 銀華は「はい。」と返事をした後、「対策が……耳?」と首をひねる黒を見て苦笑いし、そのあと(尻尾)を見て「モフモフ……」と呟いた。



『知ってる天井だ。』

 エヴァのシンジの台詞、「知らない天井だ」が元ネタ。なろうではこれを主人公に言わせるのが流行っている。


『尻尾は下帯を強引に通って』

 忘れてるだろうけど、金色の服装は狩衣である。


『ケモ耳、尻尾があるキャラクター』

 作者が知ってる最古のケモ耳は「綿の国星」なんだけどそれより前の知ってる人いないかなぁ?

 [壁]|∀⌒)


『〇ャ〇゜ネッ〇』

 最近30周年を迎えたらしい。地味に長命。


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