ついでにお尻も痛いです
ブクマ登録してくださった皆さま、ありがとうございます。
一人でニマニマしてます。
読んでくださった皆さま、拙い文章かつなかなか話が進みませんが、どうぞこれからもお付き合いくださいませ。
馬車に揺られて、酔いそうです☆
…まだ大丈夫……。まだ今なら…。
「この先の村に今日は滞在します。もう少し我慢してください」
向かい合って座ってるドラゴンのパパンー隊長さんがすまなそうに言う。
いえいえ、さっきから何度も休憩いただいてごめんなさい。たぶん予定外の休憩がいっぱい入ってますよね。
窓の縁に行儀悪く肘を掛けてひたすら外を眺めてる。
背中を凭れてると一発でアウトになりそうで隊長さんに断ってこんな姿勢でいる。
人前で、しかもこんな狭いところでマーラ○オンにはなりたくない。
服も馬車も汚してしまう。
わたしとあかりは今、隊長さん達の国・ラーディア王国の首都メルバラに向かっている。
大泣きしてるそれぞれの子ども(?)を何とか泣き止ませた後、隊長さんは簡単に状況を教えてくれた。
曰く、隊長さんはラーディア王国第二騎士団大隊長で名前はクラウドさん。濃い茶髪を軽く後ろに流している渋めのカッコいいオジサマといった容姿。
一緒に来たのは第二騎士団第一小隊の方々らしい。
すごいイケメン集団とは言わないけど、それなりな顔とガッチリ鍛えられた体はカッコよくてヤバい。普通にモテるだろうって人が多い。
関係ないけど第一騎士団は近衛騎士達とのこと。
彼らは普段この辺りを巡回することはないそうだけど、先日王宮先見師(予言者のことらしい)があの草原に聖女が現れると予言をしたので、しばらく前から近くの村を拠点に毎日この辺りを見回っていたらしい。主にドラゴンが。
それでついに聖女らしき人が現れたので、王都に輸送するということらしい。
本物かどうかはお城に着いてから調べるそうだ。
子ども連れで聖女もなにもないだろって思ったけど、とりあえずわたしもあんなだだっ広いところに置いていかれても困るし、王都なら帰る方法が見つかるかもしれない。あちらの都合で連れてきて聖女じゃないから処刑、とかむちゃくちゃなこともないだろうと大人しく着いていくことにした。
聖女というのがなんなのかは王族を始め、一部の上層部しか知らないらしい。というより、聖女そのものの存在がほとんど一般には知られていない。
詳しくはお城で本物か確定してから教えてくれるとのこと。
が、現在馬車で…な状態で大変ご迷惑おかけしてます。
申し訳ない。
「あぁ、村が見えてきましたね。私は村長に挨拶に行きますが、マリーさん方はすぐに宿に案内させますので、ゆっくり休んでください」
「ぅ"~、すみません、ご迷惑お掛けします…」
へたに頭を下げると悲惨なことになるので、目線だけ隊長さんに向けてお礼を言う。
もう少しだ~、ガンバれわたし~!
ちなみにマリーさんと言うのはわたしのこと。マリコは発音しにくいらしい。マリィコになってしまった。違和感パネェっす。
あかりはアーリーと呼ばれた。
あかりは、馬車に乗った途端に寝た。
わたしの膝に頭をのせて、座席に少し足を曲げて横になっている。
その頭はわたしが前屈み気味のため、お腹に若干潰され中。
別に苦しくはないみたいで、起きる気配はない。
「いえ。ところで荷物はどうされますか? 使わないのであればこのまま預かりますが」
荷物とはエコバッグと通園バッグのこと。隊長さんの隣に鎮座している。
草原を離れる時に重いでしょうと持ってくれたのだ。しかも隊長さん自ら。
そういうのって部下に任せるものだと思ってたわ。それともこの人だけなのか。
…どうでもいいか。
「あ~あかりの服とかも入ってるので、全部持っていきます」
ついでに寝る前にすぐ使うのとその他に分けよう。ゴミもあるし、水筒に水も足そう。
「分かりました。では案内させる者に持たせるので、あとはゆっくりとお過ごしください。夕飯に関してはまた使いを出します」
「ありがとうございます」
「私が先に降りて手を引きますので、しっかり足元を見て降りてください。段差が大きいですから、ムリだと思ったら言ってください」
…なんだこのジェントルマンは!
ってあぁ、聖女候補だから下手なことは出来ないわな。納得。
それにありがたい。
乗ったときも思ったけど、ホントに段差が大きくて、あかりを抱っこしたまま降りるのは少し不安だったから。
起こしたらまた機嫌悪いしね。
「いろいろとありがとうございます」
その時ちょうど馬車が停まった。