流れ着いた、その先。
肌を滑り落ちた。
生ぬるいだけの体温。
肌を穢し続けた。
途方もない自己嫌悪。
この肌を切り裂いた。
自らのこの腕で。
何度も繰り返しては、泣いた。
星が見えなくていい。
せめて月が見たいの。
そう言って、
凍えるように冷える風に当たる。
ベランダから見えるのはただの雲。
星一つない
月も見えない。
静寂と、冬の匂い。
もうすぐ冬なんだね。
ぽつり呟く独り言は闇に吸い込まれた。
冷え性なんだ、私。
悴んだ、指先に、
ほんのり白くなってきた息を
吹きかけて、暖めて。
タッチパネルをなぞっては。
言葉を紡ぎ続けてゆく。
手と手を合わせて。
幸せなら。
流れ星で願いが叶うなら。
貴方の手のシワと
私の手のシワを
重ね合わせて。
幸せになりたい。
だけど、なりたいのは願望。
望み、願い、ただの希望。
本当はね。
私と不幸になってほしい。
冬は、もうすぐやってくる。