体験8 思い
読んでくれている人ありがとー。
「残りの生存者100人を切りました。」
そのアナウンスにほとんどの者が驚きを隠せなかった。
「何でだよ!まだ4時間もたってないんだぞ!」利哉の言う通りだった。このゲーム「キール」はゲームの中の時間では9時から始まっていて、今、勇輝達が避難している野々市中学校の体育館の時計は12時48分をさしていた。
「………みんなゾンビになったのかな?」佐紀が言う。
「……そうかもな。」武が答える。
「そんな……!」佐紀が落胆する。
ガシャァァァン!
アナウンスが鳴っていたときは止まっていた、ゾンビが体育館の鉄の扉を叩く音がまた始まった。
「…逃げた方が良さそうだな。」勇輝が言う。
その声を聞き、体育館にいた人達はそれぞれ武器をとった。
100人を切った時間が早かったのはゾンビだけが原因ではない。
~3時間前~
御経塚イオンには、沢山の人達が逃げてきている。ここのイオンの中の防火扉などはどれもかもが閉められており、立て籠るにはうってつけの場所だった。
「…大丈夫かな?」怖々しく言っているのは、藤林 幸子(ふじばやし ゆきこ)だ。
「うるせぇーな!」そう言って幸子を罵っているのは、志野木 亜美(しのぎ あみ)で、現実世界でも幸子を仲間をつれて集団でいじめている。
「なぁ、幸子さんよぉいざとなったらあんた餌になってくれるよな~?」亜美が優しく言う。
「………はい。」弱々しく幸子が答える。
周りではその光景を見ている人たちがいる。みんなは「自分じゃなくてよかった。」など、「こっちに関わるな」という感じの目で見てくる。
今、このイオンに逃げてきている人達は最初はすごい団結力でバリケードなどを作っていたが、作り終わり安全が確認されると、みんなは静かに座ったり、眠っていたりするようになっていた。
しかし、なにもできないことや、いつ襲われるかわからない恐怖にみんなは耐えていた。
亜美達はストレス発散のために現実でもいじめていた幸子をいじめ始めたという訳である。
「あんたなんか、このゲームでは、いい餌役だよね。」亜美達は笑いながらいっている。そして、逆らうなと言うかのようにグロッグ(ハンドガン)を持っている。
「ちょっとトイレ行かして……」幸子は恐る恐る聞く。
「行ってくれば。ってか、あんたなんかいなくても良いし。」と亜美はぶっきらぼうに言う。
幸子は完全に封鎖されている御経塚イオンの2階トイレに行った。
電気はついているので暗いことはなかった。
トイレの鏡を幸子が見たときに幸子はつぶやいた。
「なんで……私ばっかり……」自然と幸子の涙が頬をつたった。
そして、腰に差してあるグロッグをトイレの洗面台に置いた。
そして、ふと思った。
「……ゲームの中なら、殺してもかまわないよね………」
そうつぶやくと、洗面台に置いてあったグロッグをとって、トイレを出て亜美達や他の人たちもいるイオンないにある映画館へ向かった。
なんか、時間が戻ってごめんなさい。
あと、誤字脱字があったら、ごめんなさい。




