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キール  作者: タコ中
キール
31/39

体験31 一本の紐にかかる運命

スゲェ展開だ。

「それってどういう事?」佐紀が聞く。

「それはな……」勇輝が理由を説明しようとしたとき、

「一気に6階まで制圧された!」無線が入る。

「クソッ!とにかく見とけ!」勇輝は近くにおいてあったクロスボウを手に取り、矢の部分に紐を着けた。

そして、持っていた上下二連式散弾銃をガラスに向けてスイングした。


ガシャン!


窓が割れる。

勇輝は割れた部分をさらに広げる。

「なにしてんのよ!」未来が言う。

「だから見とけ。」勇輝は人一人分の大きさにガラスを割った。

そして、頑丈そうな紐を着けたクロスボウを向かいのマンションに向けた。

マンションはベランダがないタイプだった。

「まさか……そんなことをしてガラスが割れなかったら落ちて死ぬよ!」未来が言う。

「どっちみち死ぬんだ、どうせならチャレンジしてみないとな。」勇輝はそう言ってクロスボウを撃つ。


バシュッ


クロスボウの矢はきれいな弧を描いて最上階のはしっこのガラスの上に刺さる。

勇輝は緩んだ紐を張る。

「あとは、滑るだけだな。」勇輝が言う。

「え?どういう事?」佐紀が聞く。

「だから、この紐を滑っていって向かいのマンションに逃げようって訳なの。」幸子が説明する。

「え!?そんなの無理だよ。」佐紀が言う。

「だったら、ゾンビに食われて死ぬか?」勇輝が言う。

「それは嫌だけど……」佐紀は嫌そうに答えた。

「んじゃ下の奴ら呼んでくる!」未来が言う。

未来は下の階でゾンビを食い止めている男子を呼びに行った。



「みんな!脱出するからバリケードを作って最上階に来て!」未来が言う。

男子達はその言葉を聞いてせっせとバリケードを作り始めた。

未来が最上階に行く。


「俺が先に行く。」勇輝が言う。

誰も反論はしようとしない。

「んじゃ、行ってくる。」勇輝はそう言って上下二連式散弾銃を硬く張られた紐にかける。

「行くか。」勇輝はそう言ってとんだ。

勇輝がライブラリーセンターとマンションに張られた紐を滑る。

(さすがに怖いな。)勇輝は滑りながら思う。

半分くらい来たところで気づく。

飛び込むはずのガラスの向こうにゾンビが立っていることに。

「クソッ!」勇輝が気づくがどんどん勇輝はマンションに近づいていく。

「うぉぉぉぉぉ!!」勇輝は肩から突っ込む体制をとる。


ガシャァン!!


窓に勇輝が突っ込む。

一緒にゾンビも吹き飛ばされる。

ゾンビは頭を地面に叩きつけられた。

「イテテテテ………成功か……」勇輝は立ち上がりゾンビが完全に死んだことを確認して持っていたペンライトを未来たちに向かってチカチカつけたり消したりした。


「無事に行ったみたい。」未来が言う。

「次私が行く。」未来が言う。

未来は水平二連式散弾銃を使って滑った。

着地地点では勇輝がその部屋にあった布団等を使ってマットを作っていた。


ボフッ


未来が布団で作ったマットに落ちる。

「大丈夫か?」勇輝が未来に手を差しのべる。

「あ、ありがとう。」未来は手を借りて立ち上がる。

そして、勇輝はペンライトをまたチカチカつけたり消したりした。

すると、今度は佐紀がMP5を使って滑った。


ボフッ


また簡易マットに落ちる。

そして、勇輝がまたペンライトをチカチカする。


「次お前が行けよ。」武が利哉に言う。

「わかった。」利哉は89式小銃を使った。

利哉が滑っていく。


ボフッ


簡易マットに落ちる。

「ある意味スゲーアトラクションだな。」利哉は感想を言う。

「そうだな。」勇輝はそう言いながらペンライトをチカチカする。


「今度は俺だ!」男子が無理矢理M4カービンを使い滑る。

しかし、


プツン


紐が男子が滑っている途中で切れた。

「わぁぁぁぁぁぁ!」男子は下の水量の少ない川に落ちていった。


「な!?」勇輝が驚く。

「嘘だろ!」利哉も驚く。

「ねぇ、これって」佐紀が聞く。

「そうだ…向こうの奴らはもう駄目だ。」利哉がうつむきながら言う。

「嘘でしょ!ねぇ!嘘って言ってよ!」佐紀が言う。

すると、利哉が持っていた無線が入る。


「聞こえてる?」それは幸子の声だった。

「聞こえてる。」利哉が言う。

「さっき紐が切れてそっちに行く方法無くなったよね。」幸子が言う。

「あぁ、そうだ。」利哉が言う。

「それで、すぐみんなの中で決まったんだけど、私が仕掛け忘れた爆弾で心中することにしたんだ。」幸子が普段の会話のように言う。

勇輝は利哉が持っている無線機を奪う。

「バカなことは止めろ!俺が助けに行く!」勇輝が言う。

「もう決めたことなの。ごめんね。」幸子が優しく言う。


ブツッ


無線が切れる。

そして、金沢工業大学ライブラリーセンターの11階で大爆発が起こった。


ドォォォォォン


「藤林ぃぃぃぃ!!」勇輝は大爆発が起こった方を見て叫んだ。

勇輝の目から涙が一つ落ちた。

誤字脱字はみつけしだい治します。

そして、感想をお待ちしています。アドバイスもお願いします。

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