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キール  作者: タコ中
キール
16/39

体験16 報告

今回は長いね。

市役所のロータリーに1台の北陸鉄道の路線バスが止まった。


「おい、みんな銃を持っとけ。」ひそひそと武が言う。

「どうしてだよ?」男子が聞く。

「考えてみろ。俺たちは野々市中学校にあった銃やたまを全部持ってきたんだぞ。さらにこの市役所の武器類もすべてパクった。(盗むこと)過激なやつらだったら、銃撃戦は避けられねぇ。」

男子は説明を難なく納得した。

「んじゃ、とにかく近づくぞ。」勇輝が言うと、勇輝達は市役所のテントに隠れながら路線バスに近づいていった。

そして、かなり近づき、声まで聞こえるようになった。


「おい、……りゃあ戦闘の………だな。」なかなか聞こえづらい。しかし、性別が男と言うことだけわかった。

「そうだな、いった………があって……風になっ………だ?」

どうやら男子同士の会話らしい。

「わかるわけ………だろ。でも、まだここら辺にいる………だろう。ここにまだ熱い空薬莢が落ちて………な。」勇輝達は驚いた。


「どうする?バレてるぞ。」ひそひそと勇輝が言う。

「どうするもこうするも無いだろ。一気に制圧するぞ。」武が言う。

みんなもうなづいてる。

「行くぞ!」そう言って武が先人を切った。

「動くな!こっちには大量の武器があるんだ!」武がそう言って集団に向けて89式小銃を向けている。

勇輝達も手に入れたばかりの銃を向けている。

集団は突然のことであわてふためいてる。

「手を後ろで組んで、うつ伏せになれ!」武が言う。

(そのやり方アメリカだろ)心のなかで武に勇輝が突っ込んだ。

集団は大人しくみんな手を後ろで組んで、うつ伏せになった。

しかし、一人の男子だけならない。

「……なんだ?言いたいことあるのか?」武が聞く。

すると、男子は言った。

「俺たちは別に奪う気はない。だから、銃を向けるの止めてくれねぇか?」男子は持っていたグロックを遠くに投げ捨てた。

「な?」ほらと言わんばかりの顔をしている。

「わかった。こんなことして悪かった。」武が言うと銃を向けるのをやめた。

勇輝達も向けるのをやめた。

うつ伏せになっていた人達が立った。

「んで、お前ら何なんだ?」利哉が聞く。

「何なんだ?って聞かれても……俺たちは一つのグループだけど。」先ほどの男子が言う。

集団は全部で20人ほどいるだろうか。

「………。」その場が無言になる。

「………その武器くれない?」女子が質問してきた。

「え?」武がキョトンとしている。

「どうしてだ?」勇輝が聞く。

「だって野々市中学校から武器をとったのあんた達でしょ。」女子が自慢げに言う。

「だから、この市役所でとった分は良いから野々市中学校で手に入れた銃を渡して。」妙に上から目線だ。

勇輝達は否定することもなく、すんなりと、野々市中学校で手に入れた銃を渡した。



「ありがとう。」先ほどの男子が言う。

「もしかして、リーダー?」勇輝が聞く。

「そうだけど。リーダーの大塚 健二(おおつか けんじ)だけど。」健二がさりげなく自己紹介をした。

「んで、こっちが、副リーダーの篠崎 未来(しのざき みらい)だ。」そう言って、未来を指差した。

未来が軽く一礼する。



「これまでの経緯を説明しようか。まずはそちらから。」健二が言う。

いつの間にか結成されたチームは市役所の駐車場にあるテントで話し合いをすることにした。

何人かはそれぞれの装備で警備に当たっている。

勇輝が情報を話す。

「俺たちは、まず、フォルテからマイクロバスで逃げたが、ゾンビを踏んだときの血油でタイヤがスリップして消防署横のコンビニに突っ込んでそこからは徒歩で野々市中学校に向かった。そこで、今渡した装備を体育館で手にいれた。そして、運動場に出ると、一人の女子がたっていた。……あれ、誰だった?」途中でいきなり武達に質問した。

「知らねぇよ。」武が言う。

「知るわけ無いだろ。」利哉が言う。

「………多分、岡本 夏海(おかもと なつみ)じゃないかな。」自信なさげに佐紀が言う。

「多分そうだろ。まぁ、岡本がいきなりあり得ない速度でこっちにきて、一人殺したんだ。そして2人目と、そして、俺たちは、グラウンドに停めてあった軽トラックで中学校を脱出したんだが、岡本がおってきた。そして、大破したブルドーザーをよけて、市役所の正面に突っ込んだ。」

「あのグシャグシャになったブルドーザーか。」健二が言う。

「市役所のなかに入ったら、岡本がきた。すると、突然でかいやつが、入ってきた。」

「待って、でかいやつってなに?」未来が聞いてきた。

「ん~~~言葉で説明しにくいから後で市役所の中庭見といてくれ。」勇輝が言う。

「わかった。」未来がうなづく。

「そして、でかいやつと仲間|(?)割れを始めた。そして、俺らは、その戦いが終わってから銃をゲットしたんだよ。」

「その死体は?」健二が聞く。

「中庭と、あとは、崩れた市役所の下敷きになってる。」勇輝が答える。

「後で確認しとく。」健二が言う。


「次はそっちの番だぞ。」勇輝が言う。

「わかってる。それじゃ話すぞ。」健二が聞く。

みんなは無言でうなづく。

「すぐに俺たちの集団は、大通で路線バスを見つけて路線バスでしばらく逃げ回り、御経塚イオンに行くことにした。御経塚イオンは出入り口はすでにバリケードが作られていたが、上の立体駐車場は開いていてな、そこから俺たちは路線バスを降りて入った。」そこで、健二が言葉に詰まる。

「どうした?」勇輝聞く。

「いや、なんか行って良いのか迷ってな。」健二が聞く。

「良いって、言ってくれ。」勇輝が言う。

「それじゃ、言わしてもらう。………このゲームのプレイヤーが大量に殺されていた。」



「え!?」勇輝達は声を揃えた。

後半は振り返りみたいでつまらなかったかな?

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