魔法のレッスン
連続投稿♪
波に乗れてるのかどうなのかはさて置き。。
チート設定大爆発ですww
『グスタフ、私は今代魔王と話があります。しばらく下がっていていただけますか?』
「承知いたしました。」
ボーゼンと立ち尽くす俺の肩をポンポンと叩いて、グスタフは部屋から出て行った。
俺的には現状を説明していただきたかったんですがね?
今日は状況に振り回されまくってる気がする。
これはもう流れに身を任せて逆らわない方が楽かもしれない。
神様の前で失礼だとは思ったが、半分自暴自棄になった俺はドカッと部屋の中心に行儀悪く座り込んだ。
椅子なんてものはないので、床に直に座ったら『あらあら』と女神に苦笑されてしまった。
『この部屋は何もなくていけませんね。』
そう言って手を一度パンッと叩くと、部屋に椅子とテーブルとが現れる。
まるで何でもないお茶会のようにテーブルには沢山のお菓子と紅茶が置かれていて、地べたに座っていた俺はいつの間にか脚の華奢な椅子に座っていた。
傍から見れば麗らかな御茶会だ。
い つ の 間 に ??
まさかの早業に目をパチクリさせると、向かい側の椅子に腰かけた女神が『お菓子をどうぞ?』と勧めてくれた。
イロイロなことが起こりすぎて胸が一杯なんでケッコーです。
って思ったけど、体は正直だ。
ぐぅぅぅぅ~~~~とタイミング良く腹が鳴った。
俺の腹のばっかやろう!!
クスクスと可憐な声で笑うトライト神は、もう一度『どうぞ?』と勧めてくれた。
勿論、今度は遠慮せずに食べることにしたよ。
ポップなカラーのスコーンみたいなヤツとか、妙な虹色のクッキーとか不思議なのばっかだったので何を口に入れるか激しく迷ったが、神様が変なものを入れる訳ないだろうと真っ赤なプリンみたいなのを思い切って口に放り込んでみた。
美味い。なんか良く分からんが美味い。
甘すぎない甘味が沁み込むようにして体中に広がっていく感じがして、それがなんとも幸せだ。
ちなみにこれって何で出来てるんだろ?
あまりの美味さに遠慮なしでパクパク食べながら、チラリと女神を伺うと
『イチゴリスの血で出来ているんです。美味しいでしょう??』
と言われた。
・・・・・・・・・・・・聞かなきゃよかった。
さりげなくイチゴリスの血のプリン(おぇ~)を机の上に戻し、吐き出しそうになる衝動をこらえる。
あんなに美味かったものが血だなんて、なんて世界なんだここは。。
「・・・それより、なんで俺をここに??魔王が嫌いなんじゃないんすか??」
自分の気をプリンから逸らせるために女神に問いかけてみた。
最初の方に間が空いたのは、喋ったらゲロンチョしてしまうんじゃないかと心配したからだ。
セーフだったけど。
『あら?伝承をお聞きになったのかしら??』
「あぁ、ハイ」
ナイトに。と言おうとしたら『私のことは言うな』と影から何故か怒鳴られた。
あぁ、ハイハイっと。
『そう・・・。なら話は早いわね。私たち7柱・・・いえ、今は6柱ね。・・・は確かに魔王が嫌いです。ですが、それは弟や妹たちを狩る者が嫌いという意味ですから誤解しないでくださいね。』
「6柱って、マイリア神が追放されたから?」
『えぇ・・・。あの子は何も悪くなかったのに、私たちが勘違いしてしまったのです。お恥ずかしい話ですが、あの時は私たち全員思考が鈍っていたものですから・・・・。あの時のことを思い出すととても辛いのです。謝罪したいのですが、あの子の行方も分からなくて・・・』
へー。マイリア神行方不明なのか。。
しょぼん。という言葉がピッタリなほどにテンションダウンしたトライト神はしょぼんとしてても美人だ。
目の保養~。
「弟と妹ってのは?」
『世界に生きる命達のことです。私たちはお父様・・・セオノア神から生まれた兄弟ですから』
なるほど。だから弟と妹・・ね。
神だからって他の生き物を下に見下しているわけではないらしい。
好印象だ。
『・・・・そこまでお知りなら今代の【勇者】の事もご存知ですか?』
「あぁ。【魔王みたいな勇者】なんだろ?」
『はい。何とかしたいのですが私たちは、【勇者】や【魔王】に関与することをお父様に禁じられていて・・・・。ですから貴方にお願いしたいのです。』
『勇者退治を。』とは言われなくてもすぐに分かった。
神様にすらお願いされる俺って一体何者。
「でも【勇者】って強いんだろ??俺、一般人だから無理な気が・・・」
『それは、貴方が自らの力を自覚していないからですね。貴方は勇者に負けない力の持ち主ですよ?感じられる魔力は甚大ですもの。』
優しく微笑んだトライト神は、『使ったことが無いから自覚が無いのでしょうか?』と可愛らしく首を傾げると、パンパンッと手を叩いた。
白かった部屋の壁が取り払われ、真っ白な空間が広がる。
・・・・・・・何事デスカ?
『あのお部屋でやるとグスタフが怒られてしまいますからね。少し場所を移動しました』
何でもないことのように言ってトライト神はもう一度パンッと手を叩いた。
現れたのは白銀の狼が3匹。サイズは象並のと馬並のと普通サイズのやつ。
「でかっ!!」
『サイズはありますが、そこまで強くはありません。的当ての練習だと思ってください。魔力は甚大ですが、当てられるかどうかは貴方の実力ですから。』
的当てって・・・・意外とムゴイ。
3匹の狼は3方向に散ると、グルグルと俺とトライト神の周りを回るようにして走り出した。
『あの子達は私の力の一部ですから、命も意思もありません。動く的だと思ってくだされば』
「へーい。」
『魔術や魔法の使い方はご存知ですか?』
「ゴゾンジじゃないです」
『本来は、呪文や方陣などが必要となりますが貴方ほどの力があればそれも不要でしょう。大切なのは想像力です。「こうしたい」「こうなれ」と願えば貴方の魔力が答えてくれると思います』
意外と簡単だな。と拍子抜け。
俺の頭の中を読んだのか、『本来は修行などが必要なのですけどね』と微笑まれた。
「想像力・・・ねぇ・・・・」
妄想力ならあるんだけどなーとは言わずにおく。自制、自制。
とりあえず、それっぽく象サイズの狼に掌を向けて想像してみることにした。
魔法をせっかく使うならどうせなら呪文っぽいものが欲しいかな~と
「火炎」
唱えてみた。
頭の中では象サイズの狼が燃え上がるのを想像していたので、「火炎」。
一拍の後、ゴウッ!!と炎が上がった。
「ぎゃぁぁぁぁああ!!」
象サイズの狼を包んで余りあるほどのデカさの火柱に、悲鳴が出た。
狼のじゃない。俺のだ。
チキンだと言われようが出るもんは出るんだ。
『そんな驚かなくても・・・』
『貴方がやったのに・・・』と女神に笑われたが、いや、俺が想像したのはこれの半分くらいのサイズだったんですよと釈明すると、『あら。想像以上に貴方の魔力は高いのね』と言われた。
そんな簡単なことじゃないと思うんですがねぇー
とりあえず頭の中を切り替えて、標的を変える。今度は馬サイズの狼が的だ。
「氷弾」
ヘィルってのは英語で雹の事。
銃の弾サイズの氷の塊を狼に打ち込むイメージだった・・・・・のだが
俺の頭上に生み出された氷弾は恐ろしいほどにデカかった。
「ちょっ、ちょっ!!タンマタンマ!!」
ユニバー○ルスタジオにある地球儀程はある氷弾はあまりにもアレだったので慌てて頭の中で「小さくなれ」と命令すると氷弾はシュルシュルと小さくなっていた。
・・・危ない危ない。
いくらトライト神の力の一部でしかない相手だとはいえ、さすがにコレは俺の良心が痛む。
「発射」
ジャストサイズにまで縮まったので、馬サイズの狼を指差して言うと氷弾は目にも見えない速さで飛んで行った。
アレレ~??予想以上の速さだぞ~??
自分でやってて驚いてたら本末転倒だ。
戸惑いつつもあと一匹。
「雷雨」
イメージは雷の雨。読んで字の如く。
スッと上から下に指を走らせると、トラックが壁に猛スピードでぶつかったみたいな派手な音を立てて空から幾筋かの稲妻が走って狼を襲った。
・・・・もう既に予想できてるだろうがこれもまた俺の予想以上の威力だった。
うん。俺のイメージは1本だけだったんだけどねー
跡形もなく消えた狼たちに思考がフリーズする。
いやいやいやいや。チートすぎだろ、コレ!!
『空間移動していて良かったです。こんな魔法あそこでやってたら』
「教会が吹っ飛んでましたね・・・・」
『いえ。街が滅んでいたと思います。』
・・・・・・わ~お。
二の句が継げないとはまさにこの事。
言葉が出ない俺に女神は『制御できるようにならないと、真の意味で【魔王】が2人になってしまいますね』と苦笑いしていた。
俺は笑えないけどねー
「しばらく練習させてください」と本気で頭を下げて、小1時間程ただっぴろい白い空間でひたすら練習することにした。
トライト神に的を作ってもらっては撃つ。その繰り返しだ。
だんだん、魔力の量を調整するという感覚が分かってきて最終的には最小限の魔力で相手を仕留める事が出来るようになり、俺も一安心だ。
『上達が早いですね。素晴らしい』
「どーも」
満足そうに笑う女神に「お付き合いありがとうございました」と頭を下げると、『とんでもないです』と首を振られた。
『闇の力を持ちし強き【魔王】に光の加護をさしあげましょう。』
チュッと俺の額に口づけたトライト神は、花が綻ぶような儚さで微笑み
『貴方に幸多からんことを・・・・』
と囁いて消えた。
登場も唐突なら、去るのも唐突だ。
しかし・・・・トライト神よ。
頼むから俺を部屋に戻してから消えてくれ。
魔法登場ですww
いやぁ、書いてて楽しかった~♪
しかし、魔法の師匠が神様ってなかなかに凄いですね
さすが。。。
そんでもってさっき確認したら、お気に入り登録が8件になっていました!!
なぜ、こんな駄文が・・・・・