旅立ちⅡ
タイトル思いつかなかったです・・・・
使いまわry・・・・・げほんげほn
宣言して教会を出てきたは良いが、さてどうしようかね??
「まずは何処に行くべきなんだ??」
無計画の出立だったので、次行くとこなんてものが決まっている訳もない。
異次元ポケット(俺命名)から地図を取り出した俺は、街の中にあるギルドが併設している酒場で行き先を検討していた。
ちなみに、このギルドは教会から目と鼻の先の位置にある。
教会出た勢いのまま駆け込んだからな!!
弾丸の如く旅に飛びだそうとした俺にグスタフは「せめてこれぐらいは持って行け!!」と地図を握らせてくれたのだが、いやはや、その地図が今まさに役立ってますよ。
地図をテーブルに広げ、自分が今いるアルテミス王国の位置を確認する。
ちなみに、大陸一つに国は一つしか無いんだとか。
つまりは、ここカペラ大陸は丸々アルテミス王国の領地ってこと。
領地でかー!と思ってしまった俺は元は小さな島国の人間ですからね。
そう思ってしまってもしょうがないよな??
とりあえず、次の目標は何処にすっかなーと地図の上の大陸をトントンと指で叩いてると、
「あら、この国を出て行くの??」
と声をかけられた。
顔をあげて見れば、俺がギルドに冒険者登録をしたときにカウンターにいたお姉さんが立っていた。
こんにちわー
お互い挨拶して、お昼休憩のタイミングらしいお姉さんが何故か俺の向かいの椅子に腰を下ろす。
うん??他にも空いてる席はあるんですがねぇ??
目をパチクリさせる俺を見て「ふふっ」と笑うお姉さんは
「旅立とうとする冒険者さんにアドバイスをあげようと思ってね。」
と頬杖をつく。
本心が隠れてるっぽいので疑り深くじーっと観察していると
「ホントは興味があるのよ、貴方にね」
と案外簡単に話しかけてきた理由を教えてくれた。
ジャロディスタ鎮静なんてことを駆け出しの状態でやってのけてしまったので、髪の色を茶色から黄色に、瞳をエメラルドカラーにしたのだが。。
俺の受付をやってくれたお姉さんにはすぐにバレてしまった模様デス。
ギルドに探されてるらしいのにねー。
変装の変装だったのだがあまり効果は無かったらしいと知り脱力する俺を見て「私以外は誰も気づいてないわよ」と教えてくれた。
なるほど。ならまだ救いようはあるのか。。
「カペラから旅立つなら、アルキオネがお勧めよ。」
トントンと地図を叩いてカペラ大陸の横にある島を示したお姉さんは、「ここはカペラの次に治安がいいから」と説明してくれる。
「何で教えてくれんの??」
「駆け出しの冒険者に優しいお姉さんだからよ」
何かを含むような言い方だったが、それ以上は追及しない事にした。
なんか、藪をつついたら蛇・・・みたいになりそうだったから。
「行き方は海路かもしくは空路になるわ。船とか、騎獣とか。」
「あぁ・・・、なるほど。」
船が出てる街を教えてもらい、俺はこの後の計画を頭の中で立て始めた。
********
あのあとギルドのお姉さんにお礼を言って街を出た俺はエンカウント率の無駄に高い森の中を歩いていた。
次から次へと襲いかかってくる魔獣を魔法でふっ飛ばしながら、俺はふと空を見上げる。
優雅に空を飛んでいるのは深紅のデカイ鳥だ。
見た事もない様な派手派手しい鳥は自由気ままに空を舞っていて、俺は、ふとジャロディスタの事を思い出した。
ドラゴンに憧れがあった者は誰しも「あんな仲間が欲しいなぁー」としみじみ思ってしまうものだ。
素直で(?)可愛いげがあって、優しそうで強そうな仲間なんて理想中の理想だろ??
・・・・・・ナイト?
あれは勿論論外だ。
アイツは、俺の精神を崩壊させようとする敵だからな!!
『その無礼な口、縫い付けて差し上げましょうか?ホント・・・失礼極まりないですね』
「いやいやいやいや。お前も相当俺に対して酷いよね!?しかも口に出してないし!」
『ではその皺の少ないその脳みそに「年上は敬いましょう」という言葉を刻んで差し上げますよ』
俺の影から出てきたナイトは鋭利すぎる爪を俺に見せ付けるようにしてニュッニュッと出し入れする。
物理的に刻んだら確実に死ぬよ!?
『大丈夫ですよ、上手くやりますから』
ホラーだ。あまりにも酷い。
俺、このままコイツと二人きりの旅って絶対に嫌だ!!
・・・・ということで。
俺は魔法の「創造」で俺の味方になってくれそうなやつを作り出すことにした。
さてっ、今日も始まりました松瀬 綺良の3分メイキングー!!
え、頭?勿論おかしくなってないよ??
こういうのにはノリが大事なんだよ、ノリがww
まず用意していただくのは、魔力と妄想りry・・・・想像力。
用意が出来たら頭の中で造りたいものをイメージしましょう♪
今回、言うまでもなく俺はジャロディスタを造りますから頭の中にジャロディスタをイメージします。
空も飛べるし、見た目かっこいいから仲間にするならベストな生き物だと思うんだよね~
さて、先生、今回のポイントは?
『・・・・・・』
何だよ、ノリわりーなぁ。
ま、気にせず話を進めましょう!
イメージを固め、魔力を練ります。
・・魔力ねりねりー
・・・・魔力ねりねりー
しばらく、魔力を充分だと思うくらいに練り自分のイメージに魔力を送り込みます。
そして、完成品がこち・・・・・ら・・・に・・・?
あれれー
おかしいな?
何故こんなことに??
「幻覚」で3分クッキングのキッチンを周りに展開させていた俺は、出来上がったモノに首を傾げた。
出来上がったのはぐちょぐちょの何か分からないものだった。
ジャロディスタの面影はどことな~くあるけど、それだけのモノ。
神聖さも何もかもを欠落させているそれは、バイオハ○ード感染者?と言うくらいにグロい。
魔王にはピッタリだろうけど、俺はあくまで肩書が【魔王】なだけの一般市民だ。
・・・これは、無い。
というか、むしろ見た目からして俺の精神を病ませてくれそうな容姿だ。
精神衛生上、あまりよろしくないのでぐちょぐちょには消えていただいた。
さらば、よくわからない俺の第1子よ。
幻覚を展開させていたのがいけなかったのだろうか?と辺りをつけてキッチンを作り出していた幻覚魔法を消滅させる。
で、再チャレンジ。
ジャロディスタについて知っている事を全て頭の中に並べ、姿を構築していく。
羽根の形や色、鳴き声や触った感じなどなど。
しっかりとイメージが出来た所で、両手をパンッと叩き合わせて出来たのは
さっきのとあまり変わり映えのしない「何か」だった。
ハッキリ言って・・・キショイ。
「ん~・・・??なんでだ・・・・??」
この世界に来てからの初めての魔法の失敗に俺は腕を組んだ。
イメージはしっかりできてる。
・・なのに、出来ない。
『命を0から創るなんて真似が出来るのは創造主だけですよ。当たり前でしょう』
ずっと俺が悩んでいるのを眺めていたナイトが、はぁ・・・と溜息をついてパタンと尻尾を振った。
深紅の瞳は、俺が創りだした「グチョグチョのなにか」を眺めている。
「あー・・・・そうなのか??」
『常識ですよ??だいたい、魔法で命が作れるなら創造主の偉大さが霞んでしまうじゃないですか』
・・・そういう問題なの??
という疑問はさておいて。
なるほど。人間ごときじゃ命は作れないということか。。
納得できた俺は、「グチョグチョのなにか」を消滅させ、試しにジャロディスタの錬成をもう一度チャレンジしてみる。
今度のイメージの中に生きているジャロディスタはいない。
実物大の操り人形的イメージだ。
「おぉっ、出来た!」
今度はしっかりと出来た。
眼は空虚で意思が無いことが分かるが、触った感じも翼の形もイメージ通りに。
命令してみれば、飛びもしたし息吹も吐く精密さだ。
まぁ、意思は無いんだけど。
こんなのが欲しかった訳じゃないんだが、・・・まぁ、いい勉強にはなったかな?
疲労も感じない操り人形なので、便利っちゃー便利だし。
【魔王】の騎獣っぽくするためにジャロディスタの体を漆黒に染めた俺は、出来の良さにウンウンと一人頷く。
別に【魔王】としての自分をアピールする気はないけど、雰囲気ってなんか欲しいじゃん??
肩書とは言え、俺【魔王】だし。。
凛々しく空を見つめている(ように見える)ジャロディスタ(もどき)に、体を地面に伏せてもらって背中に飛び乗った俺はビシッ!!と森の向こう側を指差して
「いざ、ゆかん!!アルキオネ大陸へ!!」
と指示を出す。
・・・が、何故かジャロディ・・・・あぁ、もう長いからロディでいいや!は、一向に飛び立とうとしない。
早速不備が??と思った俺が心配してロディを伺うのと同タイミングで
『違います。アルキオネ大陸はあっちです』
と冷静な声でナイトが指摘した。
・・・・・・・なるほど、正しい命令を下さないと動かないのか。
と学んだ瞬間だった。
よかった。人・・・いなくて。
またまたコメディ色が強めのお話です。
ホントは、創造でジャロディスタを作る話は「ジャロディスタ鎮静」の話に組み込まれるはずでしたww
忘れてたんじゃないからね!!←
また、「階段から落ちまして」の回に誤字の指摘があり訂正をいたしました。
ご指摘ありがとうございました♪
他にもお気づきになられた方がいらっしゃいましたら是非教えていただけると嬉しいですorz