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俺と武器屋と贋金と

いいタイトルが思いつきませんでしたorz

金子み○ずさんの詩みたいになってしまったのは、ご愛嬌ってことで・・・


前話の続きです。いきなり始まります(笑)

 呪いの言葉を吐いたら、ド派手にやられました。

 詳しく説明すれば

 上からタライ降ってきたよ??みたいな


いったいいつの時代のお笑い番組だよ・・・


 と呆れる俺とは違い、ギルドにいたお姉さんやら冒険者の方々は酷く驚いてらっしゃいました。

 まぁ、普通屋内の天井からタライが降ってきたら驚くか。

 俺は何でもない事のようにタライを回収して「お騒がせしましたー」と何事もなかったかのように無理矢理ごまかした。

 

 変人を見るかのような目で見られたけど、もうさすがに慣れたもんね!!


 タライを「収納(ストア)」で異空間に仕舞いこみ、俺は深く溜息をついた。

 今後使う予定は全くと言っていいほど無いが、放り捨てるのも何だか忍びない気がしたのだ。


不法投棄はいけないことだもんねー


 それにしても、俺の異世界での変人度が着々と上がってきている気がするんだが、気のせいだろうか??

 ・・・見たくない現実は見ない方が精神的に健康でいられると判断し、俺は余計な考えをシャットアウトすることにした。


ばいばーい、周りの視線を気にするチキンなハートの俺。


そして

いらっしゃーい、周りの視線を気にしない鋼鉄ハートの俺。


 大歓迎しちゃうよー 


『現実逃避ですか?』


「なんだよ、黙ってろよ。俺の精神の健康を侵すな」


 割り込んできたナイトすらもシャットアウト。

 もうねー、ちょっとくらい安息の時間くれたっていいんでないかい???

 頼むから俺のプライバシーをもっと尊重してください。

 図書館で午前中の時間を過ごしたとはいえ、ギルドには実質カードを取りに行っただけなのでまだまだ日が暮れるまでには時間がある。

 何故、そんなに夕暮れを気にしているかと言うと。。

 当然の如く夜に何か用がある訳ではなく、「日が暮れるころには帰ってこいよ」とまるでオカンみたいな心配をしていたグスタフのせいでなんとなく夕暮れ頃には帰らなきゃいけない気分になっているのだ。

 俺って素直だなーとしみじみ感じてしまう。


「ウインドーショッピングでもすっか。」

 

 金が今のところないので、冷やかす程度にブラブラ歩く事に決め、俺は大通りを歩き始めた。

 欲しいものがあったら「贋金づくり」という罪を犯す位の覚悟は多少あるが、これはヒミツ。

 よっぽどじゃない限りする気もないし。

 店先に並べられた見慣れない果物や野菜を見ながら、たまにお店の人に「コレなに?」と訪ねて知識を増やしていく。

 気のいい人が多く、俺が聞いても「こんなのも知らないのかい??」とお店のおばちゃん達は笑いながら教えてくれた。


あぁ・・・、異世界の人間って普通の人もいるんだー


 とついつい感動してしまう。

 おばちゃん達の背中や頭には普通の人にはない様な羽やら耳があるけどねー・・・

 最初に初めて会ったのがナイトで、次に会ったのが筋肉のグスタフ。次が神様のトライト神だ。

 この世界に「普通」な人はいないのかと、ほろ苦い思考を持ち始めていた俺としては、抱きついて頬ずりしたくなるほどにおばちゃん達は嬉しい存在だった。

 品物を買おうともしない非常識な俺に嫌そうな顔もせず、親切に教えてくれたおばちゃん達に「次こそは何か買いに来るから」と誓いを立てて、俺は晴れ晴れした気持ちで大通りを歩く。

 ・・・と、ふと、ある看板が目に入った。

 前足を振り上げた体勢のユニコーンが特徴的な看板には『武器屋』と書かれていた。

 ぶっちゃけ、武器なんて必要ないほどにチート設定(らしい)なので「いらないかなー」とは思うが、興味は有り余るほどにある。

 だって、勇者は聖剣のヴィデレア・ボ・・・・なんだっけ。

 しまった・・・。あの時、俺「記憶(メモリー)」使ってなかったんだっけか。。

 ま・・・・まぁ、とりあえず。

 勇者は聖剣なんていうお決まりの「武器」を持ってるんだ。

 俺が「なんか欲しいな~」と思ってしまうのはしょうがない事だと思わないか??


 ・・・ということで


「いらっしゃ~い」


 俺は迷うことなく武器屋の扉をくぐった。

 出迎えてくれた声は、やる気があるのか無いのか判別しづらいなんともだらけた声。

 売る気あんの??と客として入ってきた俺が首を傾げたくなるくらいに。


 客が入ってきた後もこちらを見向きもしないので、それが自由に見て回ってぉkというサインだと判断した俺は棚の上やら壁やらに目を向けた。

 スタンダードな短剣とか俺の身の丈程もありそうな大剣とか、無駄に装飾されまくった弓とか、かと思えばシンプルすぎる鎌とか、何に使うのか分からない刃しかない刃物とかが所狭しと並べられていて、言っちゃーなんだがカオスだ。

 品揃えは良いのだろうが統一性というか、なんかそんな物が欠如している風に見える。

 しかも、無駄に無造作に沢山あるせいか「これ!」と即断出来るような惹かれる物が無い。

 俺は別に武器とかに詳しい訳じゃないし、刃物大好きとかいうアブナイ野郎でもないからこだわりがある訳じゃない。

 だけど、棚や壁にあるものの中で好きな物を選べと言われたら「ない」と即答出来ると思う。


なんでって、勿論勘だ。


 しばし棚を物色した後、最初の見立て通り気に入るものが無いのを確認して


「んー………」


 と唸る。

 生粋の現代っ子なので俺は別に戦いたい訳じゃないし、争い事も嫌いだ。

 でも、異世界に来たからにはそれっぽいものも欲しい。

 だって俺、未だに高校のブレザーだもんね。

 形から入りたい俺としてはやっぱり武器が大事だと思うわけで。。


あ・・・・着回しじゃないよ??

ちゃんと「浄化(クリーン)」したから臭いとかないよ!?


 ・・・・って脱線しましたネ。さーせん

 そんなこんなで矛盾した感情は内に抱えてる俺。

 必要な物って訳でもないので、急ぎじゃないから今買わなくてもいいのだが、期待した分残念感が半端ない。

 

あーあ

デスサイスみたいなのとか欲しかったのになー


 ガックリ肩を落として、店から出て行こうとすると今まで俺の事など見向きもしなかった店主が「おい」と声をかけてきた。

 「ほぇ?」と声をかけられると思ってもいなかったので、間の抜けた声が口からこぼれる。

 ・・・・ふっ・・・、なんてバカっぽい返事なんだよ俺


「何も買わないのか??」


 あ、むしろ売る気はあったんですね。

 と妙にずれた所で関心してしまう。

 

「えぇ、惹かれたものが無かったので。」


「ほぅ??ちなみにどんなものだったら惹かれるんだ??」


「さぁ?今まで惹かれる武器に出会った事が無いので分からないですね」


 モ○ルスーツが持ってるようなビームサーベルとかは大好きだけどね!!

 多分作ろうと思えば作れるけど、世界バランスが更に崩れそうだったので泣く泣く我慢した。

 あれはさすがにこっちの世界じゃ規格外もいいところだかんね。

 

「ふーん・・・。面白いな、お前。よし、ちょっとついて来い」


「は??」


 カウンターから立ちあがったのは、俺の胸元あたりまでしか身長が無いドワーフのおっちゃんだった。 

 おぉ、ドワーフだ!!と純粋に感動してしまう俺。

 ちっちゃいおっさん!ちっちゃいおっさんが今、俺の目の前に!!!!

 (ことごと)く失礼だが、相手には聞こえていないので問題なし。


『ほんっと、失礼な頭ですね』


 訂正。

 約一名(頭?)俺の心の声を聞いてるやつが居やがった。

 スルースキル発動。ピピッ、ナイトノソンザイヲ、サクジョイタシマシタ。


『・・・・・』


 無言が怖いが黙ってくれたのでおっけーおっけー。・・・とりあえずは。

 先導するドワーフは、カウンターの後ろにある扉を開けて俺を招き入れると開けたばかりの扉を閉めて鍵をかけ閉められていたカーテンを勢い良く開いた。


 入ってきたのは少し柔らかくなった日光。

 夕方が近いな・・・とチラッと思ったがそんな事よりも俺の目は部屋の中のモノに釘付けだった。

 照らされた部屋には先ほどの部屋とは比べ物にならないくらいに少ない量の武器が置かれていた。

 無造作にではなく、きちんと整頓された状態で。

 

「いつもはお得意様しか入れないんだが・・・。」


「・・・・何故、俺を?」


「空気・・・かの?」


 なんだろう、俺独特の雰囲気でもあるのですかね??

 とはとは思いつつも、そんなことはもうどうでもいい。

 この部屋は宝部屋なのかな?かなっ!?

 はぅ~、なんて素敵なお部屋!!

 はい、ぶっ壊れ気味デスネ。まさにバーサーカー状態。

 ・・・・戻っておいで、正常な俺。。

 一番近くの壁に立てかけてあったドワーフの二倍くらいはありそうな大剣を試しに持ってみると、吸い付くように掌にソレは治まった。

 持ち上げて見ても、見た目を裏切る軽さで一級品といった感じだ。

 

「これ、良い品でしょ?」


「この部屋にある品はどれも一級品だ。当たり前だろ」


 どこか誇らしげに胸を張るドワーフに「ほぅほぅ」と相槌を打ちつつ、俺は違う武器にも手を伸ばす。

 今度手に取ったのは、ハンマーだ。

 モン○ンのパンプキ○グみたいにギャグ品みたいな見た目に心惹かれたのだが、持ってみてわかった。

 ・・・・あれより性能は格段に上だと。

 あれ、俺好きだったんだよねーと一人ごちつつ、パン○キングはあった場所に戻す。

 高い金を払って買う高性能武器だ。

 さすがに真面目に選びたいよねー


「お??これ良いな・・・」

 

 次に俺が目を付けたのは双剣。

 二振りの剣は、俺の目をかなり惹きつけてくれていたが触った瞬間に嫌な感じがして俺はゾワッと背中が泡立った。

 これ、俺には向いてない。と瞬時に思った。

 ちなみにこれも勘。でも、多分あってる。


「良い判断だな」


 後ろのドワーフも言っていたので、これは確実になった。

 うん、俺今後自分の勘を信じるようにしよーっと。


「・・・・・あ、これ良いな」


 色々と持ったり振ったり眺めたりしていたら、一番店の奥に置かれていた大剣が目に入った。

 全体的に真っ黒で、いかにも【魔王】にピッタリ!って感じもする。

 鎖が巻きつくなんだか仰々しい感じの鞘付きってのも心惹かれるポイントだ。

 試しに手に取ってみると、一番最初に持ってみた大剣よりも手に馴染む感じがした。

 何で今まで持ってなかったんだろう?って不思議なほどだ。

 

「・・・・うん」


 試しに鞘から抜いてみたら、惚れ惚れしちゃうくらい理想通り。

 刀身すら黒一色の曇りのない大剣は、振ってみても何一つ負担は感じない。


「これ、おいくら??」


 買う。もう、完璧決定で。


「・・・・それは、ケフェウス大陸から流れてきた品で、今まで誰一人それを持ち上げられるやつがいなくて飾り状態だったんだが・・・。お前、一体何者だ??」


「・・・さぁ??」


 人間です。とは言えなかった。

 俺自身ですら自分の存在が怪しかったってのもあるし、言っても信じてもらえなさそうだったし。


「ふむ・・・買うやつがいないと思って値段すら付けていなかったからな・・・。兄ちゃん持ってくか??」


「・・・・ほっ!?嘘だろ!!??くれんの?マジで!?」


「おぅ、いいぞ。店にあっても邪魔なだけだったもんだしな。それに武器は使われてこそだ。」


 気前のいい返事キター!!!

 でも貰うってのはさすがに悪いので、お金を払うことにしたけどね!

 俺作成の金貨だからなんか罪悪感があるのは変わらないけどサ。


【二重詠唱】衣嚢(ポケット)創造(メイク)


 ドワーフに聞こえないように頭の中で呟き、俺はブレザーのポケットに手を突っ込んだ。

 【二重詠唱】ってのは、魔法を重ねて使用することを事前に宣言する為の言葉。

 これをしないと、魔法同士が効果を打ち消してしまったり暴発したり、イメージ通りにならなかったりするんだ。

 これは、トライト神との修行中に判明した事。

 今回の場合は、【二重詠唱】で「創造(メイク)」したものが折角の四次元ポケットに入らずに、直接現れてしまう事を防いだ形になる。

 つまりは、四次元ポケットの中で贋金作っちゃうよ!ってコト。


 頭の中でイメージしたのは金貨が大量に入っている袋だ。

 剣の相場なんて分からないし、第一お金の価値もいまいち理解出来てないからってのもある。

 俺のイメージと共に、ポケットの中で贋金が作成され手に握られる。

 ポケットから取り出し、金貨を確認してみれば「記憶(メモリー)」で覚えたものと寸分違わぬ出来だった。

 うん、さすが俺。。


「どのくらいか分からないんだけど・・・・この位あれば足りる??」


 袋から金貨を15枚程、取り出してドワーフのおっちゃんに手渡す、と・・・・・・・・唖然とされた。


 な ぜ ?


「兄ちゃん、さっきの俺の話聞いてたか??」


「えっ・・・?勿論。。これにはそれくらいの価値があるかな?と思ったんすけど違った?」


「・・・・・・そうか。」


 肩を落として脱力するドワーフ。


俺なんかしたっけ??


「・・・・・それは貰いすぎだからな、金貨5枚くらいで十分だ。」


「そう??」


 おまけに投擲用ナイフを10本とナイフ収納用ベルトを貰った俺はホクホク顔で武器屋を出た。







 

 ちなみに、上機嫌で大剣を持って帰ったらグスタフに怪訝そうな顔をされ、うっかり買った時の話を洗い浚いしてしまった俺は、長々とお金の大切さと貨幣価値について説教された。

 それはまた別の話になるが・・・・・、この説教のおかげで夢の中にまで貨幣が出てきたんだ。

 魘された事は言わずもがな・・・・・もう二度と贋金なんて作らないよ、うん。

 すんませんでしたorz


貨幣価値は

半銅貨1枚=10円

銅貨1枚=200円

半銀貨=5000円

銀貨1枚=1万円

金貨1枚=100万円

清貨=1000万円


って感じになってます。

うわ・・・・

って感想はナシな方向でオネガイシマスwww


分かりづらくてすんません・・・

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