『家老の十人扶持プレスマン』
掲載日:2026/05/12
あるお殿様のもとに、家老がいました。普通の家臣であれば、日ごろ、刀や槍の手入れをするところですが、家老ですので、そういうことは人に任せて、プレスマンの手入れをしていました。御立派です。
あるとき、プレスマンの外側を磨いていたとき、虫がはったような跡を見つけてしまい、分解してみたところ、中に虫が住んでいました。その、とんでもない虫を退治して、虫がいなかった状態に戻すべく、孤軍奮闘していたところ、余りにも集中し過ぎて、登城の時刻をわずかに過ぎてしまいました。遅刻です。
家老が広間に到着したとき、お殿様は怒り心頭でした。家老が言いわけをしたところ、本来ならば蟄居でも命ずるところ、プレスマンの手入れは武士のたしなみ。間をとって、そちの家禄から十人扶持をプレスマンに分け与え、プレスマンの世話をする家臣をつけることにせよ。さすれば、登城におくれることもあるまい、という裁定を下され、家老は涙にくれたそうです。
教訓:家老の涙は、これからは自分でプレスマンの手入れができないのか、という意味だったという。




