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私は新米女神さま  作者: ハシドイ リラ


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4/5

テオスの独り言



「んんー!!ホントにあれでいいのかよう!」


うるさくてごめんよ!神様界でチューターをやらせてもらっています、テオスと申します。


今オレはディオサちゃんという新米女神の指導を受け持ってるんだけど…なんかちょっと個性的なスタンスの子でね。

いや、悪い子ではないのよ!仕事も真面目だし、一所懸命だし。


でもねぇ、なんちゅうかこう…

そう!行間を読むってのが出来ないんだわ!


確かにさ、難しいと思うのよ。


ニンゲンは何でもかんでもお願いしてくるからね。

でも大体の人はそこまで神を信じていないワケよ。けど、


"もしお願いしてかなったらみっけもんだよねー"


と言う軽いノリで色んなことを頼んでくるのよ。

だから大体の神さまはこう思うワケ。


"そのくらい自分でなんとかしろよっ!"


ただ、祈りにも強弱ってもんがあって、そんなしょーもない事必死で祈るなよ!って思うような奴もいればイヤイヤそこまで困ってるならさ、もうちょっと頼ってよ!と思うくらい控えめな祈りの人もいる。

まあ要するに欲深いニンゲンほど"得するためならどんな努力も惜しまない"ってことだな。…その努力を自分の能力を伸ばす方に使えばそれなりの人物になれんじゃないの?って思っちゃうけど。


ディオサちゃんはさあ、そこらへんの見分けが苦手なのよ。いや、苦手っていうレベルじゃないな。祈りの力が強いと叶えてあげなければ!っていうある種の強迫観念みたいなのがあるんじゃないかな。

いやあそれにしても。

あんなんじゃそのうち潰れちゃうんじゃないかって。…アイツみたいに。


「テオス、どうしたの?」


「あ!ドゥカスさま!いえ、ちょっとディオサが心配でどうしたものかと悩んでたんですよ。」



「そうねえ、確かにあの子は願い事を考える基準を作るのに苦労しているわね。でもね、テオス。あの子は強いわよ。だから大丈夫。」


そっか。ドゥカスさまが大丈夫って思えるなら大丈夫なのかな。心配だけど…見守ることにすっか。



※※※※※※


ソワソワしながら見守ってたけど、やっぱりちょっと無理してたんだよなぁ。ごめん!もっと突っ込んで関わっとけば良かった!


「テオス、何から何まで面倒を見るなんて無理なのよ。だからここは私に任せてみて。」


流石、ドゥカスさまはスーパーバイザーだけあってあっという間に解決してしまった。

そっか、苦手なことは苦手なまんまでも良かったんだな。だってディオサちゃんはいい子だしな。良い面を伸ばしてあげたら良かったんだ。


結局、ディオサちゃんはご神託を活用することで誰も彼ものお願いを聞き入れなくて良くなった。

もちろんドゥカスさまの指導を受けての人選だったけど、きちんと自分で考えて自分で導き出した答えだ。


「こういう見守り方もあるんだな。」


「何を感傷にひたっているの。貴方は貴方でちゃんと指導できていたわよ。んーでもそうねえ、あえて貴方の至らなかった点を挙げるなら…」


「以前の失敗を引きずっていることかしら。」


くっ、ドゥカスさまは痛い所突いてくるなぁ。そうだよ!オレはまだアイツのことを引きずってるんだ。


「もう少しオレにも度量があればあいつも…」


「それは言いっこなしよ。そもそも神なんて呼ばれているけど、私たちだって魂は同じものなんだから。その中で神さま向きの魂を選んでるだけなんだからたまには向いてない子も出てくるのよ。」


そう。オレがディオサちゃんの前に担当した奴は、受け持った世界の教会がちょっと、いや相当悪かった。教会が祈るべきなのは平和な世の中なのに、集めた祈りの力を他者を滅ぼすための武器にしたのだ。

最初は祈りの内容を疑問に思わず(なんせ国中の祈りが同じ方向を向いていたのだ)隣国に苛烈な天罰を与えていた。

だが、隣国から逃げてきた人々もまた祈りを捧げるようになり、彼らが極悪人ではないことに気づいてしまったのだ。

矛盾に気がついた時、アイツはダメになってしまった。


…そしてアイツを奉っていた国もろとも消滅する道を選んだのだった。


「なんもさぁ。滅ぼすこともなけりゃ自分まで消滅することなんて無かったのに。」


そこまで思い詰めていたなんて気づきもしなかった。祈りの声が届いて、それにちゃんと応えられていたから。


「それもまた神の御業よ。それにね、あの子はあの子でちゃんと輪廻転生の輪に戻っているわよ。そして今度はちゃんと自分にできることを成し遂げつつあるわ」


「……え?」


「もう!あれだけ気にしていたのに気が付かなかったの?サンテよ!」


オレは驚きのあまり目を見開いて固まってしまった。


「アイツが…。ちゃんと輪に戻れたんだ。」


涙ぐんでしまったのを見つからないようにそっと拭う。


「そうよ、あの子は神さま向きの性格では無かったけど、教皇には向いていると思うわ。だって。」


「やるべきことをちゃんと分かってる、からですね。」




そっか、オレがウダウダしてる間にアイツはちゃんと進んでんだなぁ。

よっしゃ!今日も頑張るかぁ。



「そうよ!もうちょっとでディオサが独り立ちしたら次の子を任せますからね!泣いてる場合じゃないわよ!」


やっぱり泣いてるのバレてたか!照れ笑いで誤魔化しとくか、ガハハ。

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