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私は新米女神さま  作者: ハシドイ リラ


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1/5

1.私の存在はみなさまからの信仰心で成り立っています。


どうもこんにちは。神界で"うっかり者の新米女神"と呼ばれているディオサです。

私の存在はみなさまからの信仰心で成り立っています。ぺこり。←研修でこの気持ちを忘れるなって口を酸っぱく言われました!


女神歴は300年ほど、というと人間のみなさまにはすごく長い時間のように感じるかしら?でも女神としては駆け出し中の駆け出しです。

まだまだ試行錯誤中の女神活動ですが、最近早くも行き詰まりを感じています。


「女神さま!この子の病をどうかなくしてください!」

はいはいっ!えいっ!

「おおお!女神さまありがとうございます!このご恩は一生忘れません!」


「女神さま!商売が上手くいきません!女神さまのご加護を!」

任しといて!ほい!

「おお!女神さまありがとうございます!運が向いてきました!これで子供達にご飯を食べさせてやれます!」



………



「女神さまぁ、ニキビが治らないんですぅ。取っちゃってくださあい。」

えっ、食事のバランスとかで頑張ってみるとかはないの?…でもすごく強い思いを感じるわ!えいっ

「女神さま!今月もギャンブルにお金使いすぎてパンも買えません。お金ちょうだい!」

……いやいや、それは自分で節制を覚えないと。んー…。でも切羽詰まった必死の祈りだしなぁ。仕方ない、よっ!


…なんか違う気がするんだけどなぁ。




※※※※※※


「あのねぇ、ディオサちゃん。ニンゲンってのはね、すぐに堕落するの。そんなに簡単にお願い聞いてちゃみんな努力しなくなるでしょ!」


チューターのテオス様に怒られてしまいました。けどっ!研修では民の祈りには真摯に応えましょうって!


「うーん。そうなんだけどさぁ。限度ってあるじゃん?それにさ、ギャンブルでお金使いすぎちゃったーとか、ニキビ治してくれーってニンゲン達。教会でのお祈りにどのくらい来てる?」


え、そういえばあの時初めて見た!その上あれ以来来てない!キーっ騙された!



「いやいやいや、騙されたっていうかさあ。ちゃんと研修があったでしょう!"信仰心に応じて対処は変更しましょう"って!」


「で、でも信仰心に応じてなんてどうやって測ったらいいんですか⁈」


ええーそこからぁ…


テオス様の嘆きが聞こえたけど、お願いを叶えて欲しい時の念の強さなんて全部同じくらい強いもの。そんなの分かんないよぉ。


泣きべそをかきながら抗議をしていると、スーパーバイザーのドゥカスさまが来られた。


「まあどうしたの?テオス、貴方意地悪でもしたの?」


「人聞きの悪いことを!違いますよ、ディオサちゃんがちょっとニンゲンに舐められすぎてるから指導していただけですって。」


「その言い方はあまりよろしくないわね。ニンゲンを見守り、正しき道に誘う(いざなう)のも神の仕事よ。それを舐められているなんて!」


「ひっく、す、すいません。私も悪いのです。信仰心に応じて願いを叶える、っていう理屈は分かるのです。神の奇跡を誰にでも与えていいわけではないって。けど、信仰心の強さの測り方が分からなくて。切実な祈りが聞こえる、と思ってもそれを叶えるべきか突き放すべきかの見極めができないんですぅうああーん。」


「…まぁ確かに新人のうちは見分けるのは大変よね。みんな好き勝手な事をお願いしてくるしね。」


うーん、としばし考え込むドゥカス様だったが


「あ!そうだ!そろそろ神託下ろしてみてもいいんじゃない?」


と言い出した。神託?


「し。神託ですか?そんな難しい事できる気がしませえん!」


「誰だって最初、1回目っていうのはあるのよ!甘えてないで下ろし方の勉強をしなさい!」


「ひええ。がんばりますぅ。」


その日からみっちり3日間座学で叩き込まれてから実践することになった…。


※※※※※※


それから私は神託により神の加護を与えるニンゲンを絞り込むことになったの。神託なんてハードル高すぎぃ!って半泣きだったけど、座学で色々知ると物凄く心理的負担が減るって分かったわ!


お祈りする人を1人にする事で、訳の分からないお願いは聞かなくても良くなったの。

誰にすればいいの?は最初だし、って事でドゥカス様に手伝ってもらいながら選抜したからバッチリだしね。


「ほら、見てごらんなさい。純粋で力を悪用しない人というのはね、魂の色で分かるのよ。まずはその見分けからね。ああ、ちょうど良い家族がいるわ。」 


その家族は意地悪な妹が姉のものを奪っていくんだけど、何故か全て姉が悪いことになっているの。父親も母親も気が付かないし、周囲の人間も妹の味方。


「ひっどーい!!物を取られた上に罵られるなんて!」


そうね、と言ってからドゥカス様が説明してくれる。


「でも貴方が見なければならないのはそこではないわ。魂の色をご覧なさい。」


おお!確かに全く違う!姉の魂は透明感があって、しかもキラキラとしている。


「姉の魂がね、善人のものよ。あの子になら加護を与えても安心ね。」


「それにしても妹…」


黒?いえ、漆黒のような混じりっ気のない黒ではないの。こう、何というか赤青黄緑…思いつく限りあれこれ全部足しました、みたいな黒なの。


「あの色はね、彼女の今までの行いの結果よ。あれもほしい、これも欲しい、自分以外が得をするのは許せない。」


ああそういうことか。今まで奪ってきたものや行いが全て混じり合ってあの色になったんだ。


「さあ、どう神託を下ろす?」





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