表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/16

10話 #マジカル♪

 ――外に、出る?


いや、絶対やばいモンスターいるやつじゃん!


マジカルワールドなんて、名前からしてやばいんだから!嫌な予感しかしない!


「モンスターの攻撃力はわかんないけど、一撃で死ぬ未来しか見えん……」


俺はぼそっと呟いた。


「うん、防具必須だね〜」


姉は軽い調子で返事をする。


さすがの姉も、防具は必要って思ってるみたいだな。


剣は手に入れたから、防具があれば完璧なんだが……。


「でも防具買うポイントが……」


ちらり。


俺は、おずおずとばあちゃんの方を見た。


俺と目が合あうと、ばあちゃんは優しい顔で微笑んだ。


「かわいい孫のお願いなら、断れないわね〜」


そう言いながら、マジカルスーパーを開くばあちゃん。


【Mポイント残高:1,000,000】


「神か……!」

「ばあちゃん、マジ神!」


二人はばあちゃんに心から感謝し、一斉に装備ページを漁った。


「うわ、高っ!初心者セット50万!?これ買ったらばあちゃんのポイントゼロになるよ?

この、10万の“ただの硬めの服”にしとく?」


姉がテレビの前で跳ねながら、あれこれ言いながら装備を指差している。


「いやぁ、怖いな……」


「ポイントは全部使っていいわよ?」


ばあちゃんの声は相変わらず穏やかだった。


あの豪華な剣と杖が1000Mポイントで、この安っぽい防具たちが10万ポイント以上?


……物価、バグってない?


ばあちゃん、どんなテレビショッピングみたんだよ!!


俺がそんなことを考えていると、姉の目は初心者向け防具セットに釘付けとなっていた。


「えーでも、この防具のセットが欲しいな〜」


姉がおねだりするように、もじもじと指先をいじりながらこちらを見てきた。


……でも、今ポイントを全部使っちゃうのは、ちょっと怖いよな?


食料問題もあるし、これから何が起こるかもわからない。


外の様子見くらいだったら、安い防具でも良いか?ポイントはあるに越したことはないし。


「んー、ポイントはちょっと残しとこ。これから何があるかわかんないし」


俺は姉を説得させるよう、落ち着いた声で言った。


「えー。まあ、そうだね。食料のこともあるしねー。ポイントはちょっと残しといた方が良いか」


姉も納得した様子で小さく頷く。


よし。安めの硬い防具を買おう。


「……あれ、リモコンどこだっけ?」


さっきまで近くにあったリモコンが消えている。


ポチ。


「マジカル♪」

軽快な決済音が響いた。


「え?」

「ばあちゃん?」

二人同時に驚きの声をあげる。


「あら?これが二つ欲しかったんじゃなかったの?」


――ピンポーン。


玄関のチャイムが鳴った。

二人は顔を見合わせ、ばあちゃんの方を見る。


「……ばあちゃん!?!?」


テレビ画面には【購入完了】の文字が光っていた。



――――


外に出ると、玄関前にお馴染みのダンボール箱が置かれていた。


中身はもちろん――


初心者向け防具セット。


二人で100万Mポイント!高すぎ!!


俺は全てを諦め、リビングに段ボールを運びこむ。


そして、ゆっくりとダンボールを開いた。


「おぉ」


ダンボールを広げると、新品の皮の匂いが鼻につき、テンションが上がった。


「ざ、初期装備って感じ!!!!」


上衣の装備は、硬そうな茶色の皮でできたジャケット。


ブーツは、なんだか分厚い革で出来たやつ。


見た目は、アニメとかゲームで見たことある初期装備そのものだ。


新品の装備を手に取ると、スマホから通知オンが鳴るのが聞こえてきた。


ピロン――


「ステータス更新されたっぽい!見てみよ!」


俺たちは急いでアプリを開き、ステータスの通知を確認した。


――――


New:初心者用ジャケット

分類:防具(皮ジャケット)

レア度:★

【特徴】

・耐久性:低

・防御力+15

素材:メルーサの皮100%使用

Mワールド入門者用の基本防具。

軽くて動きやすい。攻撃の反動を軽減してくれる。


New:初心者用軽量ブーツ

分類:防具(靴)

レア度:★

【特徴】

・耐久性:低

・防御力+15

靴底にカロライズの舌ベラを一部使用。移動時の素早さが軽度上昇。


――――



――まあ、防御力は良いのか悪いのかよくわからんけど、最低限、生き残るための装備って感じだ。


俺と姉は意気揚々と装備に身を固める。


腕を通し、革のジャケットを着ると、肩にずしりと重さがのしかかってきた。


その重みが、なんだか安心感を与えてくれる。


ここに、剣を入れれば良いのか?

俺は、腰にあったベルトに剣を差し込んでみた。


「おお!ぶら下がった!」


なんだか急に様になった気がする。

見た目は安っぽいが、意外といいぞ!

テンションがさらに上がってきた。


でも、剣は豪華、防具は貧弱。


……全体で見るとチグハグすぎて、コスプレ感がすごい。


二人で思わず顔を見合わせる。


「……これ、大丈夫かな?」

姉が恥ずかしそうにくるりと一回転する。


「うーん……まぁ、見た目より中身ってことで」


ばあちゃんはそんな二人を嬉しそうに眺めていた。


まるで、初めてランドセルを背負った孫を見守るみたいに。


とりあえず――外に出る準備は整った。


アプリ内の俺のアバターも新しい装備と剣を持って嬉しそうに踊ってる。


「でも実際に外へ出てる人、いるのかな?」

俺がぼそっと呟くと、


「こういう時こそ、Wチェック!」


姉がウィンクしながらスマホを揺らす。


俺と姉は、Wでタイムラインに外に出た人がいないか探してみることにした。


「どうか!有益な情報あってくれ!」


俺はそう願いながら、Wをタップして開いた。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいです!(泣)

皆様の応援がモチベーションにつながります(歓喜)

少しでも良いなと思ったら、ブックマーク、評価、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ