刀も鎌も
残虐な表現場面!ご注意を!
おお、そうだ、あのひとが刀で、鎌をもつ男を斬ってくれる。
これでダイキチは助かる、と、思ったのは一瞬で、
―― 刀をかまえた男が、それをダイキチへとふりおろした。
「 な 」
刀はいま、ダイキチの首へくいこんでいる。
頭の血がいっきに引き、もどって血が湧いた。
「 ―― っこ っ んのやろおおおおおおおおおつつ!! 」
叫んだとき、ヒコイチがとらえそこねた男がふりあげていた鎌の刃が、ダイキチを斬った男の首をなぎ払った。
駆け寄ろうとしたヒコイチのあしがとまる。
「 ふん、こんな鎌ごときでとれるわけなかろう? 」
にやりと、首の片側に鎌をくいこませたままの男が、ダイキチの首からおのれのもつ刀をぬきわらう。
「 ―― そうですな。 では、これではいかがでしょうかな」
まだ倒れずに立っていたダイキチがいつもの声でそういうと、首にまいたてぬぐいをするりとひきぬき、すぐ後ろでまだ鎌をもつ男の、もう片手に残っている鎌の柄に、それを素早くまきつけた。
「おやんなさい」
鎌をもつ男の手にふれひくくつぶやくと、ダイキチは身をよける。