表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/23

お山参り

設定ゆるふわ薄目でごらんください。 今回は《お屋敷》の隠居、ダイキチとお山参りに行ったかえりに寒いおもいをするはなし。みじかいです。 !残虐場面、表現あり、ご注意を!



 一、



 ぽつりと




 顔に雨粒があたり、空をみあげた。


 さっきまで雷がゴロゴロと鳴り、重い雲がながれてきていたのは知っていたが、この細い道は、くだりきっておきたいところだった。


 空をよみちがえたな、とヒコイチは小さく舌をうつ。なにしろ、ダイキチがいっしょにいるのだ。


「 やっぱり、参道の団子屋でもうすこしようすをみてりゃよかったんだな。すまねえダイキチさん、おれがせかしたばっかりに」


 ダイキチは履物屋の隠居で、ヒコイチとは知人を介して知り合った。その知人というのは、ひとりは西堀の隠居であるセイベイで、ひとりは一条ノブタカというお坊ちゃまだ。

 ヒコイチはふだん、売り物をかついで歩く、ながしの物売りをしている。

 そのおかげでこの二人に会い、それからなんだか寒気のすることにまきこまれることが多くなったのだが、まあそれはべつにいいと思っているし、こどものころにじいさんと二人でくらしていたヒコイチは、年寄と話すのも出かけるのも苦でないうえに、『お坊ちゃま』にはセイベイもダイキチも、ヒコイチの『おともだち』と言われている。


 その、『おともだち』のダイキチが、ヒコイチと鍋をつついているときに、『お山参りをまたしたかった』とこぼしたのを耳がひろって、こうして二人で、近場ちかばのお山参りをしての帰り道だった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ