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第28話 ダンジョン捜索

「お待たせしました!」

「……大丈夫だ……」

「おう!準備は万端だぞ!」

「わ、私も……いろいろ持って来ました」


 僕たち3人が西門に到着すると他の3人はすでに揃っていた。みんなを待たせないようにと時間より少し早く来たはずだけど、みんな同じことを考えていたみたいだ。


「……まずはダンジョンの捜索からだ……」

「そうですね、西側の方にあるのは間違いないですよね?」

「だな、俺たちが魔物と戦った崖より少し南の区域を探せばあっさり見つかると思うぞ」

「そうなんですか?」

「ああ、魔物が外に出て来ている以上、痕跡はかなり多いだろうからな」

「そっか、痕跡を古い方向に辿っていけばいいのか」

「……正確には数が多く、進行方向と逆方向にだ……」

「気をつけて行きましょう」

「じゃあ行きましょう!」

「「おおーー!」」


 こうして僕たちダンジョン攻略班は探索を開始した


 数時間かけて前回サーベルタイガーを放棄することになった場所まで辿り着いた。

 ここまでの道中では痕跡も発見できず、魔物にも出くわさなかったので、あるとすればこの先だろう。独特な背の高い草木が生い茂り、視界もそれほど良くない。

 リンスさんはこの先南側は森につながっているといっていたが、ダンジョンの入り口はどこにあるのだろうか……


「……獣道ができているな……」

「そうだな……折れている枝の高さがそれほど高くないから……コボルトかゴブリンだな」

「……そうだろうな……」

「そろそろ出会ってもおかしくないってことですね」


 全員今まで以上に警戒をしながら、ゆっくりとした足取りで獣道を進んでいく。

 少ししゃがみながら枝の下をくぐったり、沼のようにぬかるんだ地面を避けながら進むこと2時間……足跡の痕跡がかなり多い場所を見つける事ができた。


「まとまった足跡がここまできてて、ここから僕たちが来た方と別の方向にもいくつか分かれていってますね」

「まとまった足跡の方にダンジョンがある可能性が高いわけだな?」

「レントの言うとおりだろう。後ろから魔物が戻ることも考えて、ハーミットは一度中央寄りに移動、レントが後ろについたほうがいいだろう」

「わ、わかりました」

「じゃあ、進みましょうか」


 僕たちは深い藪の中を進んでいった……薮の密度が少なくなって来た頃、視界の上の方に切り立った崖のようなものが見えて来始めた


「崖に近づいていってるみたいですね」

「……そろそろだな……」

「全員警戒を怠るなよ!」

「はい!」


そうして警戒しながら藪を抜けると、目の前の崖には洞窟のようなものがあり、何やら霧のようなものが溢れ出ているのが見える。


「……ダンジョンの入り口だ……」

「あれが……初めてみました……」

「実際に見た事があるのは俺とグレイくらいだろう……中はダンジョンによって全く違うから入ってみないとわからんが、外には大体霧のようなものが立ち込めている」

「あ……あれ……」


 ハーミットが指を刺した先を見ると、ダンジョンからゴブリンが4体ほど出て来たところだった。

 ゴブリンもダンジョンの外に出てくるのは初めてなのか、少し当たりを見渡して周囲を観察している。


「……奇襲をかけて仕留めるぞ……」

「そうだな、散らばられても面倒だぞ」

「では俺があいつらの気を引こう。グレイとブレイブ、レントで藪の中を少し迂回して、こちらが仕掛けたと同時に側面から仕留めてくれ」

「わかりました」


 僕たちはリッツさんの指示に従って配置に移動していく。

 藪の中ではあるが、音をあまり出さないように移動しているため、たったの20mほどの移動がやけに長く感じる……


「気づくそぶりはありませんね」

「……魔物も知性がある以上、ダンジョンとの違いに躊躇うのだろう……」

「そろそろリッツの言ってた場所に着くぞ」


 僕たちは指示を受けた場所に着くと合図を送る。

 リッツさん達は合図を確認できたからか、盾を叩き少しだけ音を出した。


『??』


ゴブリン達は聞きなれない音だったからなのか、リッツさんのいた茂みの方に近づいていく……

 あと少し…………今だ!


「……シッ!!」

「はあ!!」

「おら!!」


グレイさんは一撃でゴブリンを2体仕留め、レントさんは頭を剣で貫いていた。

 僕の方は踏み込みが甘かったのか、ゴブリンは転倒こそしたものの、まだ倒しきれていない……このままでは……


「恐怖や不安で足が竦んだか?」

 ーードン!ーー

「リッツさん!!」


 大きな盾の周囲についている鋭利な部分をゴブリンの首に落とし、しっかりと分離させて止めをさす。


「ありがとうございます……」

「構わんぞ、と言いたいが……ダンジョンの中では止めをきっちり刺せないと周りの仲間が危険に晒される。恐怖心を無くしてはいけないが、せめて仲間を守れるように外より一歩敵に近づくように踏み込むんだ」

「……わかりました!」


 いつもよりも一歩踏み込む……そうだ、あの時の感覚を思い出さないと……


「さあ、ダンジョン攻略といこうか」

「ええ、頑張りましょう」

「は、はい!」

「いつでもいいぜ」

「……ああ……」

「行きましょう!!」


 みんなで霧のかかった入り口を潜る……ダンジョン攻略班の始まりだ

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