第14話 捜索準備
「リッツさん!」
「旦那!邪魔するぜ!」
「どうした?」
書斎に2人で急いで入ると、急にドアが開いたことにびっくりしたリッツさんがいた。
ピーターさん達と別れて行動し、18時には戻れるようにと話をしていたが戻って来ていないことを伝える。
「なんだと!?向かった方向は!?」
「西側としか……」
「西側の少し遠くに果実や薬草の群生地がいくつかあるって言っていたが、それがどの場所かまではわからねぇ……」
「そうか……」
リッツさんは目を閉じて顎に手を当てながら考え込んでいる。
「もしも魔物とか危険な獣に襲われでもしてたら……」
「どの程度かはわからねぇが、グレイはかなりやれるって話だったからな、全滅ってことはねぇはずだ」
「でも……そんなのわからないじゃないですか!」
「んなこと言ったってしょうがねぇだろ!」
「落ち着けブレイブ、ガーディもだ!」
「はい……」
「すまねぇ……」
「お前たちの不安になる気持ちもよくわかる。だが、ひとまず落ち着け」
だんだんと心配していた気持ちが不安に変わり、ガーディさんとの会話がヒートアップしていきそうなタイミングでリッツさんが止めてくれた。
「大規模な捜索隊は現状出すことができない」
「そんな……」
「ブレイブの言いたいことはわかる。だが、これから夜になるタイミングで2重遭難をすることは避けねばならない。それに、魔物と遭遇しているのであれば、なおさら街の守りを固めなければならない」
「そりゃそうだな」
「だから、西側には仕掛けをしてから、少数精鋭で創作にあたる」
「仕掛け……」
リッツさんが考えた仕掛けとは、北の物見櫓と南に再建された簡易の物見櫓にそれぞれ違う色の光を灯すことだった。
この光の違いと見える角度によって、街がどの方向にあるのかと、自分がどの方角にいるのかを把握できるようになるらしい。
さらに、光が見えなくなる距離までは進まないようにすることで、こちらが色のついた明かりをつければお互いに事態を把握することができるというアイデアだった。
「森の中など危険なポイントは避けてもらうが、西の平原をある程度の距離まで探索することはできるようになる。いまはここまでで我慢して欲しい」
「分かりました……」
「いや、十分だぜ!舎弟達と早速いってくるぜ!」
「まて、ガーディ、ブレイブとハーミットも連れて行け!」
「いいんですか?」
「そんな不安そうな顔を周りに見せて不安にさせるくらいなら行ってこい。怪我だけはするなよ」
「ありがとうございます!」
「ハーミットは攻撃魔法が使える。明かりをつけられなくなった時は火を上げたり、不意の事態の対応の幅も広げられる。ただししっかりと守ってやることが条件だ」
「わかったぜ!」
「準備が出来次第行ってこい!仲間を助けてやれ」
「行って来ます!」
そうして兵士のみんなの協力も得ながら、1時間ほどで準備を終え、いよいよ暗闇の草原に出発する。
「ハーミット、疲れてるのに来てくれてありがとう」
「だ、大丈夫だよ……結局水脈を見つけるための分しか魔力も使ってなかったし……ピーターさん?達無事だといいね」
「そっか、ハーミットはピーターさんたちに会ったことなかったか、とってもいい人だよ」
「うん、私はチームに別れた後すぐ大穴の方に出発しちゃったし……ブレイブくんがそういうならいい人なんだろうね」
「何か見つけたらすぐ知らせろ!無理はすんな、わかったな!!じゃ、出発だ!!」
「「うっす!!」」
「は、はいっ!」
「はい!!」
いよいよピーターさん達の救出作戦に出発する。




