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第9話 揺れる心

コンフォートさんの疑問を聞き終わったタイミングで、屋敷の人から朝食の準備ができたと連絡があったため、僕とコンフォートさん、リッツさんは3人で食堂へと向かう


「ブ、ブレイブくん///……お、おはよう///」

「おはようハーミット!」

「え、えっと……その……」

「どうしたのハーミット?」

「や、やっぱりなんでもない!」


いつも通り、フードを被り何やら慌てた?ような様子のハーミットはコンフォートさんやリッツさんが視界に入っていなかったのか、僕に話しかけるとあっという間に食堂の方に逃げていってしまった。


「俺たちもいたんだけどな……」

「あはは……きっと無視したわけじゃないと思いますよ」

「まぁ、ハーミットは私と同じで考え込むと周りが見えないタイプですからねぇ」

「「なるほど!」」

「2人してなんです?ひょっとして馬鹿にしてますかぁ?」


 妙な説得力を発揮したコンフォートさんの発言に笑い合いながらハーミットに続き、僕たちも食堂に入る


「おう!リッツの旦那達!待ちくたびれたぜ!」

「ガーディさんおはようございます!」

「お前は朝から元気だなガーディ」

「えぇ、少々頭に響きますねぇ」


食堂に入るとガーディさんが大きな声で挨拶をしてくれる。

コンフォートさんは今まで周りにガーディさんみたいなタイプがいなかったのか、少し呆れている。

 少しすると巡回していた兵士の人たちも食堂に入って来て、屋敷の人員が全て揃った。


「皆よく聞いてくれ、いよいよ今日からが復興に向けての本格始動になる。10時にどの程度人が集まってくれるかで、各方面の問題解決に回せる人員の数が決まる。

 とはいえだ……その数が0であろうと100であろうと俺たちのやるべきこと、やりたいと願ったことは変わらない……

 ここにいる皆で、その願いを叶えていこう。そして、今日来なかった奴らにも知らしめてやろう!

 俺たちはまだ戦えるんだ!立ち上がれるんだと!

 あらゆる絶望が押し寄せて住人が諦めても、俺たちが『それでも!』そう言って立ち向かっていこう!

 今日は忙しくなる。よろしく頼むぞ!」


「はっ!」

「おう!任せろ!」

「が、頑張ります……」


 リッツさんの檄に対してみんなそれぞれの返事をする。

 いよいよ復興が始まるのか……僕も頑張ろう!

 改めて決意を固めてご飯を食べる



 朝食を食べ終えてすぐ、リッツさんに呼ばれたので書斎に向かう。10時までは少し時間があるから最後の打ち合わせか何かだろうか……そんなことを考えながら歩いていると、書斎の前にはハーミットとガーディさんがいた。


「あれ、ガーディさんとハーミットも呼ばれたの?」

「おう、旦那がここに来いって言ってたからな」

「わ、わたしもここに来るようにって呼ばれたので」

「そうなんだ、じゃあ入りましょうか」


 扉の前で待っていることもないだろうと、ノックをしてから部屋に入る。

 部屋の中にはリッツさんがこの街の近郊の様子まで書いてある大きな地図を広げているところだった。


「リッツさん、失礼します」

「失礼します……」

「リッツの旦那、何のようです?」

「全員揃ったな、これからのことについて話がある」

「旦那、これからのことって……昨日役割は決めてなかったですかい?」


 確かにガーディさんの言う通り、僕とハーミットは探知魔法を使いに大穴へ向かい、ガーディさんは街の外に狩猟、採取に向かうと言う話だった。

 それに対して、リッツさんは僕の方を見ながらニヤリと笑いながら話を続ける


「基本の方針はその通り、昨日決まっていた。ハーミットもガーディもその通りに力を尽くしてもらいたい。

 だが、ブレイブはここで方向性を決めてもらいたい。その方向性ってのは、

 ハーミットについていき、魔法を学ぶのか、

 ガーディについていき、狩猟や採取について学ぶのか

 ってことだ。本来なら俺が戦闘や指揮について教えてやりたいんだが……今は手一杯でな……」

「僕はどちらも学んでみんなを守れるようになりたいです。それにリッツさんからも色々教えてもらうのを楽しみにしてます!」

「その意気だぜブレイブ!」

「まぁ、待てブレイブ、俺もブレイブにはいずれどちらも学ばせるつもりだ。だが、どちらも一気に学んだ結果、どちらも中途半端になるのはお前のためにもならん」

「た、確かに魔法を学ぶつもりなら、ちゃんと専念するほうがいいかもしれません……特にブレイブくんはまだ系統もわかっていないですし……」

「なるほど……」

「だからこそお前が選べブレイブ。こればっかりはお前の決断に任せるしかない。俺が決めた結果、何かが起きた時に後悔するような時間的な余裕はないからな」


 リッツさんは僕に選択を委ねてくれるようだ。そして、その分野で中心となって動いてくれる人の代表としてハーミットとガーディさんを呼んだみたいだ。

 これは悩むな……魔法の才能があるとわかってどんなことができるのかとワクワクしていた気持ちもあるし、父さんみたいに体を張ってでもみんなを守りたいって気持ちもある……


 リッツさんは、この揺れている気持ちがあるせいで、何かがあったときに意識が散漫になり、やるべき事に専念出来なくなるかもしれないと気づいていて、決断を委ねてくれたらしい。


 僕がみんなのためにできることをするなら……

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