表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は殺し屋として世界に寄与する  作者: アナログラビット
3.サイコパスの青春
88/602

妖しい熱気

今週なんですけどもしかしたら投稿が怪しい日が出てくるかもしれません。可能性としたら低いんですけど、もしその日投稿が無ければ作者は力尽きて寝ていると思ってください。


その代わり投稿が無い日の分は土日に投稿しますので…よろしくおねがいします。

「挨拶が違うだろ?ほらっ。」


背中をバシッと叩かれて道場に入らされた私は5人の視線を集めてしまった。み、見ないで!初対面でこんな所を見ないで!


(この5人共能力者だね…私と同い年ぐらいの能力者初めて会った。)


女の子3人男2人の構成で横に並んで整列している。左から見るとずっと私にガン飛ばしている気の強そうな女の子。多分同い年ぐらいかな?その次は男の子は優しそうな感じ。年齢は私より1つ2つ年上って感じかな?


残りの3人は何故か私をガン見してて目線をそちらに向けられない。…なんか、意識も向け辛いから詳細な事は分からない。いや分かりたくない和裁士さん達と似た雰囲気だから関わりたくない絶対に。


「あいの風さん、挨拶!」


竜田姫さんが小声で指示してきたけどみんな今の聞こえたよね。だって向こうが耳打ちしながら私の事話してるもん。あいの風がどうとかこうとかって。


もうこの感じ転校生がクラスのみんなの前で自己紹介の挨拶をするやつじゃん!私こういうの無理なんだけど!無理だから逃げたいのに天狼さんの早くしろっていうオーラが凄いから無理なんだけどね!!無理無理無理カタツムリッ!!


(もうこうなったら無難に、無難に行こう。)


「あいの風です。何故ここに呼ばれたのかは良く分かっていませんが邪魔なら帰ります。」


「邪魔。」


「お疲れ様でしたッ!」


私と同世代の女の子にガチ拒絶され一瞬で心が壊れた私は周れ右をして道場を後にしようとしたが天狼さんに肩を掴まれて逃げられなくなってしまった。


「三船さん!せっかく京都まで来てくれたのにその態度はなんですか!」


「京都に来たなら観光でもしていれば良いんですよ。」


確かに一利どころか百利ある提案だ。


「私もそう思います。勝手に観光して勝手に帰るのでその手を話してもらえますか?」


「お前は何しにここに来たんだ!」


「観光です。」


「違う!」


「天狼さん、そいつがあいの風ですか?」


さんを付けろよお前!初対面の人には取り敢えずさん付けして呼ぶように教わらなかったの?


「そうだ。今日はお前達に稽古をつけてくれるそうだ。」


どうやら私がこいつ等に稽古をつけてやるらしい…誰か知ってた?私知ってないよ。初耳だよ。初音ミミだよ。


「私があいの風に稽古をつけるんじゃなくて、ですか?」


…お?何だ?ヤル気か??????


「三船ちゃんだっけ?大した自信だけどその自信と反比例してベルガー粒子がちゃっちいけど私に稽古なんてつけられるの?」


「…何だと。」


「あなた達5人とも能力者なのは分かっているけど能力者とは思えないぐらいにベルガー粒子が少ないから心配してるんだよね。……私の能力が誤って能力者でも無い無能力者を能力者として認識していないかさ。」


プチッと何が切れた音が三船ちゃんから聴こえた気がした。


「かかってこいよ猟犬。お前がただの駄犬だって事を暴いてやる!」


腹立つな〜…私あなたと初対面のはずなのに何でこんな言われようを受けないといけないんだ。


「天狼さん良いんですか?」


「お前の実力を測るためにも三船は良い相手だ。だが手を抜いてやって欲しい。」


「具体的には?」


「能力を使うのは無しだ。あいの風もその方が都合が良いだろう?三船と素手でやり合ってもらいたい。…分かっていると思うが殺したり重傷を負わせるのは禁止だ。」


「ヤバくなったら止めに入るつもりでしょ?だったら手加減はしなくて良くないですか?」


「こんな雑魚に手加減なんてされたくありません。」


ほら、あっちもそう言ってるし…いや、今の状態はヤバい。なんで()()()()()()()()()()?私はすぐに左手を掴んで筋肉の硬直具合を確認した。


…やっぱり左手が強張っている。マズいな殺る気スイッチが入ってる。三船ちゃんの殺意に反応してキラーミヨが出てきてしまっている。


「…危険だと思ったら無理矢理でも止めるからな。場所を空けろ!」


道場には木の床面と畳が敷かれた場所に別れてて私が居る場所は木の床面の方だ。広さは高校の体育館ぐらいある。そこに向き合うように私と三船ちゃんが立って天狼さんの合図を待っている。


(大丈夫、大丈夫…自覚はあるから抑えつけて動けば問題ない。)


出来ればこんな馬鹿げた事はしたくないけど“したい”って気持ちもあるから困る。どっちも本音のように感じて私自身、判断が出来ない。だから適当に流れに乗って上手く舵をとっていければ無問題(もーまんたい)


あ!問題と言えばそうだ。


「私今気付いたんですけど土足でした。脱いだ方が良いですか?」


因みに三船ちゃんは土足だ。


「やりやすい方で構わない。別にここは土足厳禁という訳ではないからな。」


天狼さんが足の先を上げて教えてくれた。なるほどね。廊下もそういえば靴のままだったし道場に上がったときもそのままだったね。


「お互い重症を追わせるような攻撃、死に至らせる攻撃は禁止だ。…良し始め!」


目があった瞬間バトルが始まる展開はゲームの世界だけにしてもらいたいものだ。今の私はかなり危険な状態だから出来るだけ受け身になって相手の攻撃をいなす立ち回りをしないと相手を殺してしまう。今の私はなんとか客観的に自分の状態を認識しているから最悪の事態にはならないはず…多分。


「フッ!」


木の板で貼られた床を裸足で駆けたとは思えないほどのスピードで間合いを詰めてきた。しかも相手の一歩目の衝撃が床を通じて私に伝わるのと同じぐらいタイミングで三船さんの拳が顔面に向かって飛んで来る。


(このスピードは殺す気のやつじゃん!)


頭を横にずらして攻撃を避けたら耳元でパンッと空気の押し出される音を聴いて背筋がゾワゾワとした。身長が私ぐらいなのに今まで見た中では1番のキレのある一撃だった。


だがこの一撃は次の一手の為の布石にしか過ぎなかった。凄まじい一撃を放った為に伸ばされた腕をそのまま私の頭部に向かって手刀のようにスライドさせて次の一手に転じた。


(おまっ!?そんな動き人間には不可能でしょ!?)


プロボクサー顔負けの超高速のストレートを放った腕をすぐさまコンマ0.1秒未満で次の攻撃に移すとか人間がやったら絶対に関節と筋肉を痛めてしまう。


(だけど能力者の身体能力と頑丈さなら可能になる…か。)


回避など間に合うわけ無い。頭部のすぐ横に腕があってしかも虚を突かれたのだ。私は甘んじて受け入れる事にした。頭の中に風船が割れたような音が鳴り響いたと思ったら天地がひっくり返って頭から床に着地する。


…なるほど。こういうのがこの世にあるのか。


「ハァー……スゥー…ハァー。…面白いじゃん。」


もう抑えるのは止めだバカバカしい。()()()()()()()()()()()()()


左手に意識を向ければ身体全体が活性化されたような感覚を覚え意識が切り替わる。まるでスイッチが入った感じ。いつも仕事をする時の私の感覚…。


「ハッ、やっぱりただの雑魚じゃんか!」


(三船よ、それはどうかな。)


あいの風の異変にいち早く気付いたのは天狼だった。天狼はベルガー粒子を視認出来る稀有な能力者だ。戦いが始まる前からあいの風のベルガー粒子を観察していたおかげでその異変に気付く事が出来た。


あいの風のベルガー粒子が左手と脳に集まったと思ったら雰囲気ががらりと変わった。一瞬あいの風を見失ったかと思った…それ程までに変わったんだ。


(見れるかもしれない。ミューファミウムの先鋭達をたった一人で壊滅させた実力を。)


(…半殺しならオッケーかな?)


左腕を思いっきり床に素早く振り下ろしその衝撃と反動で私の身体が浮き上がり空中で半回転してから綺麗に着地した。床面には私の腕の形の凹みが生まれてしまったけど、どうせコイツの血でフローリングが駄目になって改装しないといけなくなるから良いよねどうせ。


あの戦い以降、最初の戦いに挑む伊藤美世だったが今の状態の美世は異様とも言える熱気を放ち、その場に居る全員がその妖しい熱気に飲み込まれるような感覚を覚えていた。

特に書くことが無いので本編で書けない先生について適当に書きたいと思います。


この物語のメインヒロイン的な位置に居る“先生”こと死神なんですけど、このキャラは出れば出るほど伏線を喋るキャラでもあるので結構セリフを考えないといけないです。


おい作者、ちゃんとこの伏線達を回収しきれんだろうな?と思う読者も居るかもしれませんが、この物語のラストまでちゃんと構想を練ってありますのでもーまんたいです。多分。


あとは……色々と書きたいんですけど先生の情報をあんまり出せないんですよね。ストーリー上、絶対に描かれるので気長に待っていただくと助かります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ